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■新型コロナウイルス、呼吸器より便から長期間検出 中国の新しい研究 [健康ダイジェスト]

 中国の新しい研究で、新型コロナウイルスへの感染者の呼吸器組織より便に、ウイルスが残る期間が長いことがわかりました。
 中国の浙江大学の研究者らは、1月19日から3月20日にかけて、新型コロナウイルス感染者96人から採取した呼吸器、便、血清、尿の検体3497点のウイルス量を推計しました。
 ウイルス量は、患者に存在するウイルスの濃度を表す指標。新型コロナウイルスの場合は、ウイルス量が多くなるほど患者から周囲に排出されるウイルスが多くなります。
 この研究で検体を調べた患者のうち22人は軽症、74人は重症で、全員がたんと唾液の検査で新型コロナウイルスへの感染が確認されました。
 イギリスの医学誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」に発表された研究結果によると、55人の便、39人の血清から新型コロナウイルスが検出され、尿から検出されたのは1人だけでした。
 便から検出される新型コロナウイルスの持続期間の中央値は22日で、呼吸器組織の18日、血清の16日より長くなりました。
 ウイルス量は検体の種類によって大きく異なり、呼吸器組織が最も多く、便がそれに次ぎ、血清が最も少なくなりました。
 呼吸器組織から検出される新型コロナウイルスの持続期間の中央値は重症者で21日、軽症者で14日と、重症者のほうが大幅に長くなりました。
 しかし、軽症者および重症者から採取した便と血清の検体の間にウイルス量の大きな違いは見られませんでした。
 軽症者では、呼吸器組織のウイルス量は発症後第2週にピークを迎えたものの、重症者では第3週もウイルス量が多い状態が続きました。
 検出されるウイルスの持続期間は、60歳超の男性患者が長い傾向がみられました。
 この研究の限界として、研究チームは調査対象の患者が比較的少ないこと、検査結果が検体の状態の影響を受けた可能性があることなどを挙げました。
 研究チームは、この研究で新型コロナウイルス感染者の便検体の管理強化の必要性や、重症者を病気の各段階で厳密に管理することが感染拡大防止に寄与することが示されたとしています。

 2020年5月11日(月)

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