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■ロシア、ワクチンの92%の有効性を発表 ブラジル、中国製ワクチンの治験再開を許可 [健康ダイジェスト]

 ロシアは11日、開発中の新型コロナウイルスワクチン「スプートニクⅤ」について、第3相臨床試験(治験)で92%の有効性が示されたと発表しました。一方、欧州疾病予防管理センター(ECDC)は11日、ヨーロッパ連合(EU)で初めての新型コロナウイルスワクチン接種が来年初めにも可能となると示唆しました。
 ワクチンを巡っては9日、アメリカの製薬大手ファイザーとドイツの製薬企業ビオンテックが、共同開発中のワクチンの第3相臨床試験(治験)で、94人が陽性となった時点で90%の有効性が示されたと表明していました。
 ロシア保健省、同国のガマレヤ記念国立疫学・微生物学研究センター、政府系ファンドのロシア直接投資基金(RDIF)は発表で、スプートニクⅤの有効性は、2回の接種を受けた治験参加者1万6000人のデータに基づき、20人の陽性が確認された時点で92%の有効性が算出されたと説明しました。ロシアは今年8月、世界で初めて新型コロナウイルスワクチンを承認しているものの、スプートニクⅤの大規模な治験は現在も継続中で、最終段階である第3相臨床試験には医療機関29カ所のボランティア4万人が参加しています。 
 ガマレヤ記念国立疫学・微生物学研究センターのアレクサンドル・ギンツブルク所長は、中間結果でワクチンの有効性が確認されたため、今後数週間内に集団予防接種が開始されると表明。年末までに最低150万人がワクチン接種を受ける見通しとしました。
 一方、ECDC(本部スウェーデン・ストックホルム)のアンドレア・アモン所長はメディアに対し、ワクチン接種計画の開始時期について、「楽観的には来年の第1四半期といえるが、それ以上正確なことはいえない」と述べました。
 ブラジル国家衛生監督庁(ANVISA)は11日、中国の製薬会社シノバック・バイオテックが開発した新型コロナウイルスワクチンの第3相臨床試験(治験)の再開を認めました。同庁は9日、治験の中断を発表していましたが、政治的な判断との批判が出ていました。
 ANVISAは、ワクチンの治験最終段階で発生した「有害事象」の詳細について報告を受けたと説明し、「ワクチン治験の再開を認めるのに十分な情報」を得たと発表しました。サンパウロ州で実施されていた治験はボランティアの参加者の死亡により一時中断されましたが、ANVISAの再開発表に先立ち、ブラジルの保健当局は治験参加者の死亡について、ワクチンとの関連はなかったと発表していました。警察は、自殺とみて捜査しています。
 ワクチンはブラジルで政争の具になっており、中国製ワクチンを「あの、よその国からのワクチン」と批判していたジャイル・ボルソナロ大統領は、ANVISAの治験中断の決定を勝利としていました。
 中国製ワクチンの最大の支持者にはボルソナロ大統領と対立するサンパウロ州のジョアン・ドリア州知事がおり、中国製ワクチンを「ジョアン・ドリアの中国ワクチン」と呼び激しく非難し、連邦政府の購入を阻止したボルソナロ大統領は、治験中断の決定を自身の主張が正しいことを裏付けるものだと述べていました。
 ボルソナロ大統領は、イギリスのオックスフォード大学とイギリスの製薬大手アストラゼネカが共同開発するワクチンを支持しています。

 2020年11月12日(木)

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