■大腸に小腸の機能を持たせることに成功 慶応大がねずみで実験 [健康ダイジェスト]
人工的に立体的な臓器を作り出す技術を使って、栄養分を吸収する小腸の機能を大腸に持たせることに、慶応大学の研究チームがねずみを使った実験で成功し、将来、小腸から栄養分を吸収できない病気の治療法につながるとして注目されています。
研究は、慶応大学の佐藤俊朗教授らのチームが行い、25日、イギリスの科学雑誌「ネイチャー」(電子版)に掲載されました。
小腸は絨毛(じゅうもう)と呼ばれる長さ約0・5ミリの突起から栄養分や水分を吸収していて、炎症ができるクローン病などの治療のため、小腸を取り除くと栄養分を吸収できないため、移植などが必要になります。
研究チームでは、小腸の細胞が腸の中を流れる消化液の流れを感じ取ることで絨毛を作り出すことを突き止め、ねずみを使った実験で人工的に立体的な絨毛を作り出すことに成功しました。
そして、小腸の元となる細胞をねずみの大腸に移植したところ、大腸の表面に絨毛が生え、栄養分を吸収する血管や脂質を吸収するリンパ管ができ、内容物を押し出すぜん動運動も確認できました。
ねずみは通常、小腸を取り除くと10日ほどで死にますが、移植したねずみでは、およそ30日間生存したものもいたということです。
研究チームでは、もともと大腸に備わっている栄養分を運ぶ仕組みを生かすことで、大腸に小腸の栄養吸収の機能を持たせることができたとしており、佐藤教授は「すでにある臓器を必要な別の臓器に作り替えるもので、将来的には小腸移植に変わる治療法を開発できるのではないかと期待している」と話しています。
2021年2月26日(金)
研究は、慶応大学の佐藤俊朗教授らのチームが行い、25日、イギリスの科学雑誌「ネイチャー」(電子版)に掲載されました。
小腸は絨毛(じゅうもう)と呼ばれる長さ約0・5ミリの突起から栄養分や水分を吸収していて、炎症ができるクローン病などの治療のため、小腸を取り除くと栄養分を吸収できないため、移植などが必要になります。
研究チームでは、小腸の細胞が腸の中を流れる消化液の流れを感じ取ることで絨毛を作り出すことを突き止め、ねずみを使った実験で人工的に立体的な絨毛を作り出すことに成功しました。
そして、小腸の元となる細胞をねずみの大腸に移植したところ、大腸の表面に絨毛が生え、栄養分を吸収する血管や脂質を吸収するリンパ管ができ、内容物を押し出すぜん動運動も確認できました。
ねずみは通常、小腸を取り除くと10日ほどで死にますが、移植したねずみでは、およそ30日間生存したものもいたということです。
研究チームでは、もともと大腸に備わっている栄養分を運ぶ仕組みを生かすことで、大腸に小腸の栄養吸収の機能を持たせることができたとしており、佐藤教授は「すでにある臓器を必要な別の臓器に作り替えるもので、将来的には小腸移植に変わる治療法を開発できるのではないかと期待している」と話しています。
2021年2月26日(金)
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by Josephenulp (2021-02-26 15:19)