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■病気 血栓症 [病気(け)]

[soon]血栓が血管をふさぐことで発症 
 血栓症とは、血管の中にできる血の固まりである血栓が血管を詰まらせ、組織や臓器に障害を引き起こす病状です。
 血栓は破れた血管を修復し、止血するために不可欠のもので、健康な場合は血栓を作る働きと、それを溶かす働きのバランスがとれています。まず、血管が傷付いて破れた際には、血液中の血小板がその傷口に集まり、止血します。
 そこへフィブリンという血液中の繊維素が凝集して血栓となり、完全に止血します。続いて、血管壁細胞の増殖が起こって血管が修復され、その後、血栓を溶かす成分が働いて、血流が元通りになります。
 しかし、加齢などで血栓を溶かす働きが衰えると、血栓が血管中に残ってしまい、動脈硬化で動脈が狭くなるなどの条件が重なることで血液の流れが滞ると、血栓症にかかりやすくなります。
 この血栓が心臓の血管をふさぐと心筋梗塞(こうそく)、脳の血管をふさぐと脳梗塞が起こります。ある部位にできた血栓がはがれて、血流に乗って移動し、他の部位の血管をふさぐと塞栓(そくせん)症が起こります。
[end]加齢とともに増える発症者
 日本人では、40歳代の5人に1人、50歳代で3人に1人、60歳代で2人に1人、70歳代ではほぼ全員血栓症であるといわれています。
 血栓症を引き起こす要因となるのは、凝固しやすくなるなどの血液の性状変化、炎症や損傷などによる血管壁の変化、 血流のうっ滞、加齢による血管の老化、誤った食生活、運動不足、血中の中性脂肪やコレステロールの増加などが挙げられます。
 医師による治療においては、脳血管障害や虚血性心疾患を起こす可能性のある人に対して、予防目的で抗血栓治療を行うことがあります。活発になっている凝固因子の働きを抑える抗凝固薬や 、血小板の働きを抑える抗血小板薬、血栓溶解薬などが使用されます。
 それぞれの薬は、出血した際、 血を止めるのに必要な血栓ができる過程も抑えますので、出血しやすい、また、出血した際に止まりにくいという 副作用がありますので、注意する必要があります。

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■病気 結膜炎 [病気(け)]

[眼鏡]結膜炎の結膜って、どの部分?
 「結膜炎」という病名は知っていても、目のどこの部分が結膜なのか、はっきりわからない方が多いのではないでしょうか?
 結膜とは、まぶたの裏側と、眼球の表面から黒目の周囲までを覆っている粘膜の部分を指します。まぶたの裏側を覆っている部分は「眼瞼(がんけん)結膜」、白目の表面を覆っている部分は「眼球結膜」と呼ばれています。一方、黒目の部分を覆っている粘膜は「角膜」と呼ばれています。
 その結膜の働きは、直接、外界に接している目を異物の侵入から守ることです。そこで、結膜には抗菌作用のある粘液や涙液が分泌され、常に作られている涙で目の表面を潤して防御しているのです。 
[眼鏡]結膜炎の症状と治療 
 結膜は常に涙で潤い、細菌などの異物の侵入を防いでいるわけですが、多くの細菌にさらされたり、睡眠不足、過労などで抵抗力が落ちている時には、炎症を起こすことがあります。
 それが「結膜炎」です。結膜炎には「流行性角結膜炎(はやり目)」、「咽頭結膜炎(プール熱)」、「急性出血性結膜炎」、「細菌性結膜炎」、「アレルギー性結膜炎」などがあります。
 症状は結膜炎を起こす原因によって異なりますが、共通する症状として白目の充血、目ヤニなどが起こります。 
【流行性角結膜炎】(はやり目) 
 結膜の充血や、上下の眼瞼結膜に細かいブツブツができて目がゴロゴロするような異物感があります。目ヤニも多くなります。
 原因はアデノウイルスというウイルスによる感染で、非常に感染力が強いため、しばしば集団発生することがあります。感染してから1~2週間で発症し、10日~2週間程度で症状は治まります。時には、黒目の角膜に斑点ができることもありますが、だいたい2週間前後で消失します。
 治療は、消炎のための副腎皮質ステロイドの点眼と、細菌による混合感染を防ぐために抗生物質の点眼を併用して行います。
 流行性角結膜炎は感染力が強いため、早めに治療を行い、周囲の人に感染させないよう注意することが必要となります。また、感染を予防するには、手洗いをしっかりと行い、流行性角結膜炎の患者のタオルを共有しないなど、清潔にするよう心掛けましょう。 
【咽頭結膜炎】(プール熱) 
 子供に多く見られ、水泳の授業を行う夏期に多発するために、「プール熱」の別名が付いています。
 原因はアデノウイルスの感染ですが、「流行性角結膜炎」とはウイルスのタイプが異なり、症状は咽頭炎や発熱を伴う結膜炎です。結膜の充血は、ほとんどが下まぶたに起こります。また、流行性角結膜炎のように角膜に症状が現れることは、ほとんどありません。 
 集団感染を防ぐためには、夏の疲労を避けたり、自分専用のタオルを使用することなどの注意が必要です。

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■病気 血友病 [病気(け)]

[soon]異常出血を起こしやすい遺伝性の疾患
 血友病とは、異常出血を起こしやすい遺伝性の疾患。体の血液中あるいは血管外には、出血の際に血が固まるのに必要ないくつかの血液凝固因子が含まれていますが、血友病では生まれ付き、ある種の凝固因子の欠乏あるいは異常のために、血が固まりにくく、出血が止まりにくくなります。
 体の中に12種類が存在する血液凝固因子のうち、性染色体であるX染色体上にある第VⅢ因子の欠乏あるいは異常があるものを血友病A、同じく性染色体であるX染色体上にある第ⅠX因子の欠乏あるいは異常があるものを血友病Bといいます。
 血友病は伴性劣性遺伝といわれる遺伝の仕方で、その発症の多くは男性でみられます。X染色体が2本ある女性の場合には、もう一方のX染色体に異常がなければ機能が補完されますが、ごくまれに発症がみられます。男性は10万人に6〜7人の発症頻度で、血友病Aは血友病Bの約5倍です。基本的には遺伝性の疾患ながら、4分の1の例が今まで家族にみられずに、新しく突然に発生した散発例です。
 血友病Aも血友病Bも症状は同じで、深部出血が中心となり、特に関節内や筋肉内で内出血が起こりやすく、一度止血しても翌日~1週間後に再出血を起こすことがあります。ひざ、足、ひじの3関節内の出血が一番多く、溢血班(いっけつはん、青あざ)、鼻出血、歯肉出血などもありますが、内臓出血、頭蓋(とうがい)内出血、腹膜に接したところにある筋肉に血の固まりができる腸腰筋血腫(けっしゅ)などが重要です。頭蓋内出血は致命的なことがあり、腸腰筋血腫は長期に療養をしなければなりません。
 新生児期に出血症状がみられることはまれですが、運動量が増えてくる乳児期後半から症状がみられるようになります。歩行ができるようになると、関節内出血、さらに年長になると血尿、筋肉出血がみられるようになります。関節内出血や筋肉出血を繰り返すと、関節の変形や可動域制限が起こります。
 幼児期までに大部分が発症しますが、軽症の場合は非血友病の人と変わらない生活を送り、けが、抜歯、手術の時などに血が止まりにくことで、初めて判明することもあります。
[end]血友病の検査と診断と治療
 スクリーニング検査では、出血時間、凝固系、線溶系、血小板系、血管系の検査を行い、第VⅢ因子活性または第ⅠX因子活性を測定することにより確定診断されます。
 血友病の根本的治療はなく、出血時あるいは予防的に、欠乏している血液凝固因子を静脈注射で補充します。血友病Aには第VⅢ因子製剤が、血友病Bには第ⅠX因子製剤が使われ、補充は欠損因子の活性が20パーセント以上になる程度を目標とします。現在ではこの因子補充療法により、健常者とほぼ同じ生活が可能となっていますし、家庭内自己注射による自己管理も可能です。軽度の出血時の自己注射、あるいは定期的な予防自己注射を在宅で行うものです。
 また、人から採血した血液から作る血液製剤のほか、リコンビナント製剤という最新の製剤も、現在では使用されています。製造工程中に一切の人由来、動物由来の蛋白(たんぱく)を使用せず、遺伝子工学的に製造されるのがリコンビナント製剤で、日本では50パーセント以上の発症者に使用されています。
 血漿(けっしょう)中に、凝固因子の働きを阻害する物質(インヒビター)が存在する場合は、これを除去する目的で血漿交換療法が用いられます。第VⅢ因子、第ⅠX因子ともに肝臓で生成されますので、生体肝移植により血友病が完治した例も存在します。

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■病気 腱鞘炎 [病気(け)]

[手(パー)]中高年の女性に発生しがちな疾患
 腱鞘炎(けんしょうえん)とは、筋肉を骨に結び付けている腱の外囲を筒状に包む腱鞘に、発生する炎症です。腱鞘の中には滑液という油のようなものがあって、ひも状の組織である腱がスムーズに動くようにしています。
 この腱鞘と腱の摩擦などで炎症が発生しますが、関節の使いすぎや加齢、関節リウマチ、細菌による化膿(かのう)などが原因となります。症状は、痛みと腫(は)れ、だるさ、動きにくさなど。
 手の指や手首、ひじに多く起こりますが、ひざや足首に炎症が出ることもあります。手をよく使う楽器の演奏家、パソコンなどの入力作業者などのうち、中高年の女性に発生しがちです。
 専門家による治療では、痛みの誘因となった作業や運動を控えて、湿布やサポーターなどで手などの患部を安静に保つほか、短期間の非ステロイド系抗炎症剤を処方したり、リハビリテーションとして温熱療法や手首などのストレッチが行われます。痛みが強い難治例では、痛む腱へのステロイド注射が検討されます。
 これら手術をしない保存的治療が数カ月行われても、改善の得られない症例では、腱鞘を切開し、滑りを良くする手術が検討されます。

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