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■用語 乳腺嚢胞 [用語(に)]

[位置情報]乳腺から分泌された液体が乳管にたまり、袋状になる状態
 乳腺嚢胞(にゅうせんのうほう)とは、女性の乳房全体に張り巡らされ、乳腺で作られた母乳を乳頭へ運ぶ管である乳管の中に分泌液がたまって袋のような状態になり、乳房のしこりとして認められる疾患。乳腺嚢腫(のうしゅ)とも呼ばれます。
 乳腺症の一つのタイプで、厳密には疾患ではなく、加齢やそのほかの要因によって起こる良性のしこりです。30歳~40歳代の女性に多くみられ、閉経して60歳くらいになるとほとんどみられなくなります。
 生理周期に合わせて卵巣から分泌される女性ホルモンである卵胞ホルモン(エストロゲン)の影響で、乳腺は拡張と増殖と委縮を繰り返しますが、これが何年も続くことで乳房に病変が生じることがあります。その一つが乳腺嚢胞であり、加齢によって生じる自然な変化ともいえます。
 乳房の両側、または片側に、1個から複数個のしこりができます。しこりの大きさはさまざまで、数ミリ程度のものもあれば10センチ以上のものもあります。
 しこりは、乳腺から分泌された液体が乳管の中の一カ所にたまり、その部分が袋状になって膨らんだ状態のため、乳房に触ると丸くて、押すと軟らかい感じがします。ツルツルしていて凹凸はないことが多く、痛みもありません。
 生理前や排卵の時は卵胞ホルモン(エストロゲン)の影響で、しこりが大きくなったりすることもあります。乳管の中にたまる分泌液が多くなると、膨満して痛みを感じることもあります。
 自覚症状があまりないので、小さなしこりの場合は見落とされることも多く、大きくなって初めてしこりがあることに気付く場合も少なくありません。乳がん検診を受けた際に、乳腺嚢胞があると指摘された場合は、乳腺科、乳腺外科などを1年に1回は受診し、検査をしてもらうことが勧められます。
 受診して良性のしこりと診断されれば、放置しておいても問題はありません。乳腺嚢胞はがんに移行することがほとんどないためですが、まれに、嚢胞内の壁にがんが潜んでいる可能性があります。これを嚢胞内乳がんと呼び、嚢胞内に分泌液をためながらがん細胞が増殖し、しこりが大きくなっていきます。
 嚢胞内乳がんの発見の遅れにつながらないためにも、定期的に受診し、検査を受けることが大切です。
 また、1カ月に1回は、入浴の際に時々乳房を手のひらで洗うなど、自己触診することが勧められます。具体的には、乳房を手の指の腹で触り、しこりの有無をチェックします。指をそろえて、指の腹全体で乳房全体を円を描くように触ります。乳房の内側と外側をていねいにさすってみましょう。調べる乳房のほうの腕を下げたポーズと腕を上げたポーズで、左右両方の乳房をチェックします。
 自己触診で新しくしこりを発見し、自然に消えない場合は、次の検査まで待たずに受診することが勧められます。
[足]乳腺嚢胞の検査と診断と治療
 乳腺科、乳腺外科などの医師による診断では、まずは原因を調べるために、乳房の視診や触診のほか、乳管内の分泌液の検査、マンモグラフィー(乳腺X線検査)、超音波(エコー)検査などを行います。
 乳腺科、乳腺外科などの医師による治療では、超音波(エコー)検査によって良性の乳腺嚢胞と診断されれば、正常な乳腺とほぼ変わらないため放置しておいても問題はなく、経過観察します。小さなしこりの場合は自然消滅することも多いので、しばらく経過をみた結果で治療が必要ない場合もあります。
 しこりが大きい、または複数個あって気になる場合は、細い針を刺して乳管内の分泌物を吸引することもあります。ただし、吸引していったんしこりがなくなっても、再び乳腺から分泌された液体が乳管の中にたまったり、違う個所の乳管にたまったりすることもあります。分泌液を吸引した後もしこりが残っていたり、12週間以内に再発した場合は、がんの可能性もあります。
 また、細い針で乳管内の分泌液を吸引した際に、液体が茶褐色をしていたり、血液が混ざっている場合も、がんの可能性があるため分泌液にがん細胞が含まれていないか検査をします。がん細胞が見付かった場合は、手術によってしこりを切除します。

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■用語 乳暈炎 [用語(に)]

[位置情報]乳暈の皮膚が過敏になって炎症を起こし、湿疹、ただれ、かゆみが生じる状態
 乳暈(にゅううん)炎とは、女性の乳暈に湿疹(しっしん)や、ただれが生じ、かゆみを伴っている状態。乳輪炎とも呼ばれます。
 乳首、すなわち乳頭の周囲を取り囲む輪状の部位で、4センチから5センチが標準的な大きさである乳輪、すなわち乳暈には、多くの皮脂腺(せん)があり、皮脂腺から分泌される皮脂によっていつも保護されているのですが、皮脂の分泌の減少などによって皮膚が乾燥して過敏になると、炎症が起こることがあります。ここに主に黄色ブドウ球菌、連鎖球菌、時には大腸菌、緑膿(りょくのう)菌などの細菌が入り、感染すると化膿が起こることがあります。
 また、母乳をつくる乳腺が発達する思春期の女性では、ホルモンのバランスが不安定になって、乳頭から分泌液が出現し、乳暈炎や乳頭炎になることもあります。
 乳暈炎になると、湿疹や、ただれが生じ、かゆみを伴います。はれが認められることもあります。
 大体は、両側に症状が現れます。かゆみを伴うため、無意識のうちにかいてしまって悪化したり、治ってもまた再発し、繰り返すこともあります。下着のサイズや形が合っていないために、乳首や乳暈が下着と擦れ合い、炎症を繰り返すこともあります。また、化膿している状態であれば、下着にくっ付き、かさぶたのようになることもあります。
 乾燥肌、アトピー性皮膚炎、陥没乳頭の女性が、乳暈炎、乳頭炎になりやすいとされています。
 乳暈炎になった場合には、化学繊維でできた下着を着用していたならば、木綿やシルクなどの自然素材でできた下着に替えて、症状が治まるかどうか確かめます。また、患部を軟こうで覆い、下着と擦れ合わないようにガーゼ付きのばんそうこうなどで保護して、経過を観察すればよいでしょう。
 それでも症状が改善しない場合には、皮膚科、ないし婦人科、乳腺科を受診することが勧められます。
 乳暈炎、乳頭炎とよく似た症状が、乳房パジェット病よって引き起こされることがまれにあります。乳房パジェット病は、乳がんの特殊なタイプであり、乳暈炎、乳頭炎と同じように湿疹、ただれ、かゆみを伴います。そして、乳がん全体の1~2パーセントを占めるという非常にまれな疾患のため、見落とされがちです。発症年齢は乳がんよりやや高く、50歳代の女性に最も多くみられます。
 症状としては、ヒリヒリとした痛みを伴う場合もあり、乳頭からの分泌物や出血もみられる場合もあります。通常の乳がんのようにしこりを触れることはないので、急性湿疹やたむしなどの皮膚病と間違えられやすく、乳がんの一種とは思われないこともあり注意が必要です。
 進行すると、表皮が破れてただれ、円状に乳頭や乳暈を超えて拡大したり、乳頭が消失してしまうこともあります。
 しかし、長期に放置したとしても進行する速度が遅いので、乳腺内のがん細胞が表皮内に浸潤することはまれであるとされています。早期に治療すれば予後は良好ながんで、転移が確認されなければ心配はないといわれています。
[位置情報]乳暈炎の検査と診断と治療
 皮膚科、婦人科、乳腺科の医師による診断では、視診、触診で判断し、マンモグラフィー(乳房X線撮影)、超音波(エコー)などで検査することもあります。
 乳房パジェット病との鑑別が必要な場合は、顕微鏡で乳頭分泌物やかさぶたなどの細胞を見る細胞診で、パジェット細胞という特徴的な泡沫(ほうまつ)状の細胞が認められるかどうか調べます。
 皮膚科、婦人科、乳腺科の医師による治療では、乳暈(乳輪)、乳頭(乳首)を清潔に保ち、塗り薬を使用します。
 細菌の感染があれば、抗生物質入りの軟こうを塗り、感染がなければ、ステロイド剤などの軟こうを塗り、落ち着いたら保湿剤を塗ります。
 乳房パジェット病の場合は、早期の乳がんと同じ治療法を適応し、病変部だけを切除して乳房を温存するケースと、乳房全体を切除するケースとがあります。検査の段階で病変が乳腺レベルにとどまっている場合は、美容的な観点を考慮して、放射線治療を併用しての乳房温存療法が選択される可能性が高くなりますが、進行程度や広がり具合によっては、乳房全体を切除するケースや乳頭を切除しなければならないケースもあります。

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■用語 乳頭、乳輪の黒ずみ [用語(に)]

[位置情報]乳房の先端部分の皮膚に存在するメラニン色素が多くなり、黒みを帯びる状態
 乳頭、乳輪の黒ずみとは、生理的に皮膚に存在し、皮膚の色に変化を与えるメラニン色素が多くなり、皮膚が黒みを帯びる状態。体の異常ではありません。
 皮膚に存在するメラニン色素の量が変化すると、淡褐色、褐色、黒褐色、黒色などの色が現れます。また、人間の体の表面を覆う厚さ約2ミリの皮膚は、基底層、有棘(ゆうきょく)層、顆粒(かりゅう)層、角質層の4層からなる表皮と、コラーゲンやエラスチンなどから構成されている真皮の2つの層に分かれていますが、表皮にメラニン色素が増えるほど褐色調が強く、真皮の上層に増えると暗褐色から黒色、真皮の深いところに増えると青色調が強く現れます。
 乳首、すなわち乳頭や、乳頭の周囲を取り囲む輪状の部位である乳輪の皮膚が黒ずむのは、紫外線や外的刺激から真皮を守るために、表皮の基底層にあるメラノサイトで生成されるメラニン色素が多くなるためです。皮膚の敏感な部分ほど黒ずみやすく、乳房の場合は柔らかな先端部分の真皮を守るために、メラニン色素が多くなりやすくなっているのです。
 また、乳頭や乳輪の色は、加齢、妊娠、授乳、ストレスによっても変化します。
 加齢により、皮膚の新陳代謝(ターンオーバー)が遅くなると、表皮の一番上にある古い角質細胞と一緒にメラニン色素が残って、皮膚は黒みを帯びます。しかし、高齢になるとメラニン色素の生成自体が衰えてくるので、次第に薄めの茶色から茶色程度に薄まっていきます。
 妊娠・出産による変化により、人によって程度はあるものの、妊娠4週あたりから乳房が張ったり、乳頭が敏感になったりするとともに、次第に乳頭や乳輪が黒みを帯びて、淡褐色、褐色、黒褐色に変化していきます。
 この原因となるのは、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)という卵巣から分泌される2つの女性ホルモンで、妊娠20週くらいから急激に分泌が増加します。この2つのホルモンはメラニン色素を生成するメラノサイトを刺激するので、分泌が増加することで乳頭や乳輪の皮膚のメラニン色素が増え、黒みを帯びやすくなるのです。
 乳頭に関しては、母乳を生成する準備段階として、徐々に乳頭が硬く、皮膚も厚くなっていき、新生児に授乳する準備段階として、新生児がくわえて吸う力から保護する働きを持つメラニン色素が増え、黒みを帯びてくるとも考えられています。また、視力が0・01から0・02程度しかない新生児が乳頭を見付けやすいように、黒みを帯びてくるとも考えられています。
 また、精神的ストレス、不規則な生活、睡眠不足があると、脳下垂体からのメラニン細胞刺激ホルモン(メラノトロピン)や副腎(ひくじん)皮質刺激ホルモン(コルチコトロピン)などのメラノサイトを刺激するホルモンの分泌を増加させ、乳頭や乳輪の皮膚が黒みを帯びることがあります。
[位置情報]乳頭、乳輪の黒ずみの自己治療と医師による治療
 乳頭、乳輪の黒ずみに対する手軽に始められる自己治療には、美白成分を配合した顔やボディー用の乳液やクリームを使う方法があります。メラニン色素の生成を抑えて、できてしまったメラニン色素を薄くする成分が含まれているものを選ぶと黒ずみの改善が期待できます。
 また、高い効果を望む場合は、バストトップの黒ずみ専用のクリームやジェル、皮膚の古くなった角質を取り除くピーリング剤も市販されていますので、上手に活用しましょう。
 主な美白成分として、ハイドロキノンやトレチノイン酸、ルミキシルペプチド、ビタミンC誘導体が知られており、1日2回、朝晩塗るだけで薬剤が表皮の深い層に働き掛け、メラニン色素を薄くしていきますが、それぞれ一長一短があります。
 ハイドロキノンは、ビタミンCとトレチノイン酸とともに使用すると効果が高く、メラニン色素を生成する酵素であるチロシナーゼの働きを抑えて、黒ずみを徐々に薄くしていきます。美白効果は高いものの、刺激が強く安定性も悪いため、以前は皮膚科でしか処方することができないものでしたが、現在は低濃度で配合されたものも市販されています。
 トレチノイン酸はビタミンA誘導体で、皮膚の新陳代謝(ターンオーバー)を促進し、ピーリング剤と同様に皮膚がポロポロと落ちることがあります。また、催奇形性(催奇形作用)がある点にも注意が必要で、妊娠中に使用すると胎児に奇形を発生させる可能性があります。
 ルミキシルペプチドは、メラニン色素を生成する酵素であるチロシナーゼの働きを阻害し、黒ずみを徐々に薄くします。天然由来のタンパク質であるため皮膚への刺激が少ないのに加え、ハイドロキノンの17倍の美白効果があるといわれています。
 ビタミンC誘導体は、壊れやすいビタミンCを化粧品に配合できるように安定化させたもので、酵素反応により体内でビタミンCになります。メラニン色素が生成されにくくするだけでなく、できてしまったメラニン色素を薄くする作用もあります。しかし、強い刺激により皮膚が乾燥しやすいため、保湿成分が配合されたものを選ぶことが勧められます。
 いずれにしても、自分の皮膚に合ったものを選ぶことが大切です。強力な美白成分やピーリング成分を含んでいるものもあり、皮膚への刺激が強すぎると黒ずみをなくすどころか皮膚を傷めてしまうため、使用方法や分量には十分な注意を払う必要があります。また、初めて使用する際には、まず腕などでパッチテストを行うようにしましょう。
 徐々に薄くするというより、確実にしっかり乳頭、乳輪の黒ずみを除去することを希望する場合は、皮膚科や美容外科などのクリニックを受診することがお勧めです。ハイドロキノンやトレチノイン酸などを配合した塗り薬を処方してもらったり、レーザー治療を受けたりすることができます。
 塗り薬は、同じ有効成分を使っていても市販のものと医療用のものとでは量が違う場合がありますので、より高い効果が期待できます。レーザーによる治療は高い効果がある反面、メラニン色素の脱失により色むらが発生するリスクもあるため、信頼できるクリニックを選ぶ必要があります。




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■用語 乳頭異常分泌症 [用語(に)]

[位置情報]妊娠や授乳期以外に起こる乳頭からの乳汁などの分泌
 乳頭異常分泌症とは、妊娠や授乳期以外に乳頭から分泌物がみられる状態。異常乳頭分泌とも呼ばれます。
 妊娠期間中や授乳期に女性の乳頭から乳汁(母乳)が出るのは普通ですが、乳頭異常分泌症ではそれ以外の時期に乳頭から分泌物がみられるわけです。
 乳頭の片方からだけ分泌物がみられることもあれば、乳頭の両方から分泌物がみられることもあります。何もしなくても気付くほどの分泌物がみられることもあれば、軽くまたは強く乳頭を圧迫しないと分泌物がみられないものもあります。
 分泌物は乳汁のようなさらっとした白色のものもありますが、膿(うみ)が混じって黄色や緑色っぽく、粘り気があることもあります。また、分泌物に血液が混じって茶褐色であることもあります。
 その原因は、さまざまです。乳汁をつくる乳腺(せん)に何らかの異常がみられる場合と、乳腺以外の部分の異常が原因の場合とがあります。
 ほとんどは乳腺に異常がある場合に生じ、乳腺症や乳管内乳頭腫(しゅ)などによって生じます。また、割合として多くはないものの、乳がんによって生じることもあります。
 乳腺以外に原因があるものとしては、薬剤の副作用による場合があります。ある種の抗うつ剤や胃薬、降圧剤、経口避妊薬(低用量ピル)などが原因で、乳汁を産生するプロラクチンというホルモンの下垂体(脳下垂体)からの分泌を刺激することがあり、そのような薬剤を長期服用することで乳頭異常分泌症の症状がみられることもあります。
 さらには、下垂体(脳下垂体)の疾患や脳の疾患、甲状腺や卵巣の異常による乳頭異常分泌症もあります。下垂体(脳下垂体)に腫瘍(しゅよう)があり、プロラクチンの分泌が高まると、乳汁のような分泌物が左右の乳頭から出ます。指で乳頭をつまむと、ピューっと出ることもあります。
 乳管内に、いぼのような乳頭状の構造を持った良性のしこりができる乳管内乳頭腫では、多くの例で、乳頭から分泌物が出るのが自覚症状となります。分泌物の性状は、血性のことが5割、粘り気の少ない漿液(しょうえき)性のことが5割で、水のように透明なこともあります。分泌物の色も、赤色、赤褐色、茶褐色、白色、透明などさまざまです。分泌物の量にも個人差があり、下着に付着する程度から、大量に乳汁のように分泌するものまでさまざまです。
 血液が混じった血性分泌物の場合は、乳がんの発見の切っ掛けになる場合もあります。分泌物に血液が混じっても良性の病変によることがほとんどですが、約5%に乳がんが見付かります。まだしこりにならない早期のがんは乳管内にとどまっており、乳頭からの血性分泌物が唯一の症状です。この場合は、片方の乳頭の1カ所の乳管から出ます。
 しかも、明らかにわかる程度の血液が混じっていることもあり、目でみてもほとんどわからない程度の血液が混入していることもあります。従って、片方の乳頭の1カ所の乳管からの分泌は、潜血反応で血液成分が混じっているかどうかを調べることが大切です。潜血反応が陰性の場合は、がんである可能性が極めて低くなります。
 膿が混じって黄色や緑色っぽく、粘り気がある分泌物の場合は、乳房の先にあって通常は突出しているはずの乳頭が乳房の内側に埋没した陥没乳頭により、乳頭の乳管開口部から化膿(かのう)菌が侵入することにより、乳輪の下に膿がたまる乳輪下膿瘍を起こしている可能性があり、片方の乳頭から出ます。
 乳汁のような白色もしくは透明の分泌物が少量、いくつかの乳管から出る場合は、大抵の場合、ストレスなどによりホルモンバランスが乱れたりすることが原因で、深刻な問題ではないことがほとんどです。
 それ以外の分泌物が出た場合は、早めに婦人科 、内科、乳腺科などを受診することが勧められます。
[位置情報]乳頭異常分泌症の検査と診断と治療
 婦人科 、内科、乳腺科などの医師による診断では、まずは原因を調べるために、乳房の視診や触診のほか、分泌物の検査、マンモグラフィー(乳腺X線検査)、血液検査、超音波(エコー)検査、乳管造影などを行います。
 薬剤が原因のこともありますから、服用中の薬についても問診し、血液中のプロラクチン濃度を測定することもあります。
 婦人科、内科、乳腺科などの医師による治療では、原因に応じた処置を行います。
 原因が薬剤の服用である場合は、減量もしくは休薬を考えます。乳汁の分泌が見られるだけで、ほかに特別な異常や兆候がなければ、経過観察も可能です。
 原因が乳管内乳頭腫などの良性の疾患の場合は、大抵は外科手術の必要はありません。乳がんなどの場合は、外科手術で腫瘍を切除し、抗がん剤による化学治療などを行います。
 原因が陥没乳頭による乳輪下膿瘍の場合は、炎症性の膿瘍と拡張した乳管の切除とともに、炎症の元になっている陥没乳頭が外に出る形成手術を行わなければ、必ずといっていいほど再発します。まず抗生剤などで炎症を鎮静させて、それから根治手術を行います。

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