■用語 鼻せつ [用語(ひ)]
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鼻せつとは、鼻の穴の入口付近の鼻前庭と呼ばれる部位に、細菌感染が生じ、うみがたまった状態。
不衛生な手で鼻先をこすったり、指先で鼻の穴をほじったり、鼻毛を抜いて鼻前庭の部分に傷を作ったりすることで、発症しやすくなります。
炎症を起こした状態では鼻前庭炎と呼びますが、鼻毛の毛根や皮脂腺(せん)、汗腺に、主にブドウ球菌、時に溶血性連鎖球菌などの細菌が感染し、うみを持ったはれ物できるようになったものは鼻せつと呼びます。
鼻せつが起こると、鼻先や鼻前庭に、はれ、痛み、発赤が現れます。触ると、かなりの痛みが生じます。進行すると、うみが破れて出てくることもあり、それが原因で鼻詰まりを伴うこともあります。
症状が進行すると、皮膚の真皮の深いところから皮下脂肪組織にかけて化膿(かのう)性炎症を起こして蜂窩織炎(ほうかしきえん)を生じ、鼻の先端や、鼻の全体がはれることがあります。さらには、顔面蜂窩織炎を生じ、顔面まではれることもあります。
顔のこの部分の静脈は脳へとつながっているため、静脈を通って細菌が脳に広がると、退行性血栓動脈炎や続発性の海綿動脈洞血栓症などの頭蓋(とうがい)内合併症が起こることもあります。最悪の場合、増殖した細菌が血液中に入って敗血症を起こし、生命の危険を伴うこともあります。
また、糖尿病を発症していたり、免疫を低下させる疾患が潜在していると、繰り返し鼻せつを発症し、症状も重くなる傾向があります。
鼻がはれたら、余計に悪化するため、いじってはいけません。耳鼻咽喉(いんこう)科を受診し、適切な治療を受けるようにします。
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耳鼻咽喉科の医師による診断では、鼻鏡で観察するとすぐに確定できます。鼻鏡で鼻の穴を広げた時には、かなりの痛みが生じます。
耳鼻咽喉科の医師による治療では、抗生剤が入った軟こうを塗布するとともに、抗生剤を内服します。痛みがひどい場合は、消炎鎮痛剤を併用し、局所の安静を行います。
軽ければ、自然にうみが出るのを待ちますが、化膿が進んでうみがたまっているのが明らかな場合や、抗生剤治療に反応しない場合には、メスで切開し、うみを出すこともあります。
鼻せつの予防としては、鼻先を触る、鼻毛を抜く、鼻の脂を絞るなど、鼻を刺激することを必要以上に行わないのが効果的です。鼻毛は抜かずにハサミで切り、鼻の穴をきれいにする際は直接指を突っ込むのではなく、ティッシュを使うようにします。
また、鼻の中にはもともと雑菌が多いため、小さな傷やはれ物ができた場合は、すぐに消毒することで重症化を防げます。
■用語 肥厚性胃炎 [用語(ひ)]
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肥厚性胃炎とは、胃の粘膜の筋肉が緊張して、胃の粘膜表面が正常より厚く、硬くなった状態。慢性肥厚性胃炎とも呼ばれます。
肥厚性胃炎は慢性胃炎の一種で、慢性胃炎は胃の粘膜が持続的に炎症を起こして、粘膜の性状が変質し、胃が重いとか軽い痛みなどの症状を伴うこともある疾患です。
肥厚性胃炎では、胃液やその中の胃酸の分泌が増加し、過酸症がみられることがあります。原因の多くはピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)の感染と考えられていますが、病態は完全には解明されていません。
症状としては、みぞおちから胸にかけて焼けるような不快感がある胸焼け、げっぷ、胃の酸っぱい液体が口まで逆流してくる呑酸(どんさん)、空腹時の胃の痛み、胃もたれなどの症状が現れます。大きな自覚症状が出ない場合もあります。
肥厚性胃炎に過酸症を伴う場合は、酸度の高い胃酸が食後に大量に分泌されることが一般的なため、食後1~2時間で胸焼け、げっぷ、呑酸の症状が現れます。また、食べ物が胃に入っていない空腹時に胃液が大量分泌し、とりわけ夜間に分泌量が増える傾向がある過酸症を伴う場合は、空腹時の胃の痛み、胃もたれ、食欲減退などの症状が現れます。
これらの症状は肥厚性胃炎だけではなく、十二指腸潰瘍(かいよう)、食道がん、胃がんなどでもみられる症状なので、検診などで肥厚性胃炎が発見された際には、消化器科、消化器内科、内科を受診することがお勧めです。
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消化器科、消化器内科、内科などの医師による診断では、胃内視鏡検査を行うと、胃粘膜の筋肉の緊張による粘膜表面の肥厚が観察されます。
また、胃内視鏡検査の時に胃粘膜の一部を採取し、顕微鏡で調べる生検を行うと、原因となるピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)がいるかどうかを診断することもできます。
消化器科などの医師による治療では、胃の粘膜の状態に応じて、胃の中に放出された胃酸を中和する制酸剤や、胃酸の分泌を減少させる抗コリン剤(自律神経遮断薬)、ヒスタミンH2受容体拮抗(きっこう)薬(H2ブロッカー)、プロトンポンプ阻害薬(PPI)などを使用します。
食後に胃のもたれが起こるようであれば、消化剤を使用することも有効で、症状に合わせて、傷みを和らげる鎮痛剤も使用します。
ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)が胃に感染している場合には、根本的な治療の見地から、抗生物質(抗菌剤)の投与によるピロリ菌の除去が選択肢の一つになります。
ピロリ菌に対しては、2~3種類の抗生物質を、同時に1~2週間服用し続けることで、胃の中に生息しているピロリ菌を除菌します。
肥厚性胃炎、過酸症において日常で注意することは、脂肪食、香辛料、コーヒー、炭酸飲料、漬物、アルコール、たばこなどの胃酸の分泌を促進するものと、精神的疲労によるストレスを避けることです。ストレスがあると、血流が悪化し胃粘膜の防御機能が低下します。
■用語 肥厚爪 [用語(ひ)]
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肥厚爪(そう、つめ)とは、爪の甲の表面の中央部分が肥大化し、極端に盛り上がる状態。爪肥厚症、巨爪症、オニキクシス、ハイパートロフィーとも呼ばれます。
爪の甲は先端に向かって押し進むように長く伸びますが、何らかの原因で圧迫されて伸びが妨害されると、成長する部分が厚くなったりします。厚くなった部分は、後から伸びてくる爪の甲の成長を阻害し、さらに盛り上がってくるという悪循環になります。
肥厚爪の原因は、遺伝、物理的圧迫、けが、糖尿病、内臓の疾患、細菌感染、血行不良、栄養不足などさまざまです。
中でも、長期間にわたって爪に何らかの物理的圧迫が加わって、肥厚爪になることが多く、手の爪よりも足の爪でしばしばみられます。原因となる物理的圧迫としては、足の形に合っていない靴が挙げられます。特に、先端が細くなったハイヒールを履き続けた時、足の指先に体重がかかりやすく、足先に持続的に圧力がかかることになり、爪の甲がはがれてしまうことがあります。これを何回も繰り返した場合に、肥厚爪が起こることがあります。
同様の理由で、足の形に合っていないシューズで長距離ランニングした場合に、肥厚爪や、爪の両端が指の肉に食い込む陥入爪が起こることがあります。陥入爪、深爪が原因で、正常な爪の成長が妨げられ、肥厚爪が起こることもあります。
肥厚爪があると、爪が割れやすくなったり、はがれやすくなったりします。そのため、割れた爪が衣服や布団に引っ掛かり、はがれた部分から細菌が入って化膿(かのう)などのトラブルを起こすことがあります。
この場合、盛り上がった部分に触ると、激しい痛みがあり、ほかの爪にも移ります。靴を履くのが困難になるのはもちろんのこと、布団がこすれても痛みを感じます。また、肥厚爪の症状として、爪の変色も挙げられます。
この肥厚爪はたまに、爪白癬(そうはくせん、つめはくせん)と間違えられることがあります。白癬菌と呼ばれる一群の真菌(カビ)が感染して起こる爪白癬は、いわゆる水虫、足白癬や手白癬が爪に発生したもので、爪が白く濁り、爪の下が厚く、硬くなります。症状が似ていても違う疾患ですので、水虫用の治療を独自で行うと、肥厚爪が完治するまでに時間がかかるなど、さらに厄介なことになる可能性があります。
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皮膚科、皮膚泌尿器科の医師による診断では、肥厚爪の原因がかなり多岐にわたっているため、その原因を見極めることがポイントになります。
症状が似ている爪白癬と鑑別するためには、皮膚真菌検査を行うのが一般的。ピンセットやメスで採取した爪を水酸化カリウムで溶かし、溶けずに残る白癬菌を顕微鏡で観察します。時には、培養を行って、原因菌の同定を行うこともあります。爪では皮膚と違って菌を見付けにくく、菌の形態が不整形で判定しにくいことが多いので、注意が必要です。
皮膚科、皮膚泌尿器科の医師による治療では、肥厚爪の症状が軽い場合は、保湿してマッサージすることで少しずつ改善します。また、爪やすりで厚い部分を滑らかに磨いたり、磨き粉で仕上げ磨きしたりして、爪の成長を阻害する盛り上がっている部分を平らにすれば、正常な爪の甲が再生してきます。
肥厚爪の症状が重い場合は、局所麻酔下で爪の甲を根本から抜きます。手術後は、3カ月から半年程度、爪を薄く生やすための処置を続けます。
原因となる菌が同定された場合は、その増殖を止めたり、死滅させる抗生物質(抗生剤)を用います。
栄養不足が原因で肥厚爪を生じている場合、栄養バランスのとれた1日3食の食生活を心掛け、爪の健康に必要な栄養素である蛋白(たんぱく)質、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、ビタミンB、さらにコラーゲン、野菜や海藻類に多く含まれるミネラル類などをしっかり摂取してもらいます。
内臓などの疾患が原因で肥厚爪を生じている場合は、その原因となる疾患を治療することが先決です。
自分でできる対処法としては、むやみに肥厚爪になった患部を触らないようにします。刺激を与えないことはもちろん、ほかの隣接する指と接しないように気を付けます。
肥厚爪にならないためには、いつも清潔を心掛け、正しい爪の切り方をしていることが大切で、自分の足に適した履きやすい靴を選ぶことも予防となります。どうしてもハイヒールを履く必要がある時は、なるべく長く歩かないようにします。
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■用語 非閉塞性無精子症 [用語(ひ)]
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非閉塞(へいそく)性無精子症とは、男性の精子が精巣(睾丸〔こうがん〕)から体外へ出ていく精路があるにもかかわらず、精巣の造精機能の低下により、精巣で全く精子が作られていない状態、もしくは射出精液中に精子が認められない状態。
男性の精液の大部分は、陰茎の奥にある前立腺(ぜんりつせん)と、その前立腺の奥にある精嚢腺(せいのうせん)で作られ、前立腺成分が約20パーセント、 精嚢腺成分が約70パーセントを占めます。そのほかにも、精巣や精巣上体(副睾丸)、精管でも一部作られます。
運動能力を持ち、卵子と結合して個体を生成する男性の精子のほうは、精巣の中で精原細胞から分化して作られ、精子を運ぶ精管が精巣のすぐ近くで膨れている精巣上体において成熟し、精嚢腺と前立腺で分泌された精液と一緒になって、尿道に出ていくのが射精です。射精によって精液が尿道から出ていく際には、最初は主に前立腺からの成分、続いて精嚢腺からの成分が出ていきます。
男性の100人に1人は、射出精液中に精子が認められない無精子症といわれています。この無精子症は、非閉塞性無精子症と閉塞性無精子症の2つの型に分類されます。
非閉塞性無精子症は精巣自体の造精機能に障害があるのに対して、閉塞性無精子症は男性の精巣の中で精子が作られているものの、精子が精巣から体外へ出ていく精路のどこかが閉塞している状態。精子が精液と合流して体外へ出ていくことができず、射出精液中に精子が認められません。
非閉塞性無精子症は、無精子症の80~85パーセントを占めているといわれています。閉塞性無精子症のほうは、無精子症の15〜20パーセントを占めているといわれています。
非閉塞性無精子症の原因となる疾患は、X染色体が1つ以上多いクラインフェルター症候群などの染色体異常症、脳下垂体と視床下部の障害による性腺刺激ホルモンの低下、おたふく風邪による精巣炎、高プロラクチン血症による精子形成の低下、薬の副作用による性腺刺激ホルモンの低下、精巣が陰嚢(いんのう)内に位置していない停留精巣、精巣の上の精索部の静脈が拡張した精索静脈瘤(りゅう)などです。
一方、閉塞性無精子症の原因となる疾患は、両側精巣上体炎、小児期の両側鼠径(そけい)ヘルニア術後、精管切断(パイプカット)術後、原因不明の精路閉塞症、先天性両側精管欠損症などです。
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泌尿器科の医師による診断では、精液検査の結果、射出精液中に精子が存在しない場合に無精子症と判断します。精巣が小さく、ホルモン検査では脳下垂体から分泌される性腺刺激ホルモン(ゴナドトロピン)の値が著しい上昇(高ゴナドトロピン性性腺機能低下症)、もしくは著しい低下(低ゴナドトロピン性性腺機能低下症)を示し、精路に閉塞部位が認められれば、ほぼ非閉塞性無精子症と判断できます。
また、性腺刺激ホルモンの値が正常値を示した場合でも、まれにY染色体の特定部位の微小欠失により、精巣内での精子の成熟が途中で停止しているケースでは、非閉塞性無精子症と判断します。
さらに、精液検査の結果、射出精液中に精子が一つも存在しないという場合でも、数少ない精子が精巣内で作られていることがあり、それを調べるために精巣組織検査を行うことがあります。
泌尿器科の医師による治療では、精巣組織検査で数少ない精子が精巣内で作られていることが確認された場合に限り、顕微鏡下精巣精子採取法によって精巣の中を隅々まで観察し、精子がいる可能性の高い精細管を採取して精子を探し出し、人工授精、体外受精、顕微授精などという方法を用いて妊娠を期待します。
精子が一つでも探し出せれば、妊娠する確率はゼロではありません。精子が一つも探し出せなくても、後期精子細胞が探し出せた場合には、顕微授精という方法を用いて妊娠を期待します。
クラインフェルター症候群や脳下垂体と視床下部の障害など何らかの原因により、性腺刺激ホルモンが低下して造精機能が障害されている場合には、ホルモン補充療法を行い、精巣で精子が作られるようになることを期待します。
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