■病気 カポジ肉腫 [病気(か行)]
ヘルペスウイルス8型による皮膚がん
カポジ肉腫(にくしゅ)とは、ピンク色、茶色、紫色などの平らな染み、または、こぶが皮膚や粘膜にできる悪性腫瘍(しゅよう)。
原因となるのは、ヘルペスウイルス8型(HHV-8、別名、カポジ肉腫関連ヘルペスウイルス)で、血管内皮細胞に感染して発症し、やがて肺、肝臓、腸管などの臓器に病変が広がります。
1872年、ハンガリーの医師モーリッツ・カポジが、皮膚病変肉腫として報告。以降、珍しい皮膚がんの一つとして位置付けられていましたが、1994年、エイズ(後天性免疫不全症候群)患者から初めての発症が報告され、その末期に発症することで知られるようになりました。アメリカでは、カポジ肉腫を発症する人のほとんどが、エイズ患者です。
このカポジ肉腫は、古典型、アフリカ型、医原性型(免疫抑制治療関連性型)、エイズ型(流行性型)の4つに細分でき、それぞれ症状や進行が異なります。
古典型は高齢の男性で主に地中海系あるいはユダヤ系の人、アフリカ型は赤道直下の一部地域に住むアフリカ系の小児や若者、医原性型は臓器移植後に免疫抑制薬の投与を受けている人、エイズ型はエイズ患者に発症します。
高齢の男性が発症する古典型では、カポジ肉腫は紫色や濃い茶色の単独の染みとして、つま先や脚にできます。この染みは数センチ大になり、色も濃くなって、平ら、または、わずかに盛り上がり、出血しやすくなって潰瘍(かいよう)化します。脚には、同様の染みがいくつか現れることがあります。
この古典型のカポジ肉腫はゆっくりと、時には10~15年かけて進行します。病変が進むにつれて、脚に浮腫(ふしゅ)が生じ、血液が正常に流れにくくなります。しばらくして、病変が他の臓器に広がり、他の種類のがんを発症することもあります。
医原性型(免疫抑制治療関連性型)のカポジ肉腫は、体が感染と闘うのを助ける免疫系を弱める薬を投与されている人に、発症する可能性があります。肝臓や腎(じん)臓などの臓器移植を受けた人では、移植された臓器を異物と見なして免疫系が攻撃しないように、免疫抑制薬を飲む必要があるためです。
アフリカ型、エイズ型(流行性型)では、高齢男性が発症する古典型よりもっと悪性です。皮膚に現れる染みは、数が多く、体中どこにでもできます。これらの染みは数カ月以内に体の他の部位に広がりますが、口の中にできることも多く、そうなると物を食べる際に痛みます。
この腫瘍は、リンパ節や内臓にもできます。特に、消化管にはできやすく、下痢と出血を引き起こし、便に血が混じるようになります。
放射線療法が一般的な治療法
医師による治療では、カポジ肉腫が皮膚に少数できている場合は、手術で病変を取り除くか、液体窒素で腫瘍を凍結させて殺します。
肉腫の数が少なく、他の症状が全く出ていない場合は、症状が広がるまでは治療を受けないという選択も存在します。
カポジ肉腫が皮膚に多数できている場合は、放射線療法を行います。この放射線療法が一般的な治療法で、がん細胞を破壊し、腫瘍を縮小させるために、体外の機械からX線や他の高エネルギー線を照射します。
悪性のカポジ肉腫の場合は、体の免疫システムが正常であれば、インターフェロンの投与や化学療法を行います。化学療法では薬を使ってがん細胞を殺しますが、薬は経口投与されるか、静脈注射または筋肉注射で投与されます。薬が血流に入り、体中を駆け巡り、最初に発生した部位以外のがん細胞も破壊することができるため、化学療法は全身療法とも呼ばれます。カポジ肉腫に化学療法を行う場合、病変に直接注射されることもあります。
免疫抑制薬の投与を受けている人の場合は、投与を中止すると腫瘍が消えることがあります。免疫抑制薬の投与を継続しなければならない人の場合、化学療法と放射線療法を行いますが、投与を中止した人と比べると成果はよくありません。
エイズ型のカポジ肉腫の場合、化学療法や放射線療法の効果はあまり期待できません。抗レトロウイルス薬の投与により、免疫システムの機能が改善されれば、結果は良好です。
高活性抗レトロウイルス療法が行われる場合、レトロウイルスの1つであるヒト免疫不全ウイルス(HIV)を標的として、いくつかの抗レトロウイルス薬が組み合わされます。これらの薬物は、体内でウイルスが増殖するのを阻止し、エイズ型のカポジ肉腫のリスクを低下させるのに役立ちます。
高活性抗レトロウイルス療法では、薬の投与など他の治療法と併用せず、体内の免疫系によってがんと闘う、生物学的治療が単独で用いられることもあります。生物学的治療とは、体内あるいは製造ラボで作られる物質を用いて、疾患に対する体本来の防御機能を強化、あるいは修復するものです。
治療後に再び悪化(再発)した再発カポジ肉腫では、カポジ肉腫の種類、全身の健康状態、以前に行った治療に対する反応によって、治療法が異なります。肉腫は発生部位で再発することもあれば、体の他の部位で再発することもあります。
詳しい病気の解説は四百四病の事典(http://ksjuku.com/jiten.html)へどうぞ
カポジ肉腫(にくしゅ)とは、ピンク色、茶色、紫色などの平らな染み、または、こぶが皮膚や粘膜にできる悪性腫瘍(しゅよう)。
原因となるのは、ヘルペスウイルス8型(HHV-8、別名、カポジ肉腫関連ヘルペスウイルス)で、血管内皮細胞に感染して発症し、やがて肺、肝臓、腸管などの臓器に病変が広がります。
1872年、ハンガリーの医師モーリッツ・カポジが、皮膚病変肉腫として報告。以降、珍しい皮膚がんの一つとして位置付けられていましたが、1994年、エイズ(後天性免疫不全症候群)患者から初めての発症が報告され、その末期に発症することで知られるようになりました。アメリカでは、カポジ肉腫を発症する人のほとんどが、エイズ患者です。
このカポジ肉腫は、古典型、アフリカ型、医原性型(免疫抑制治療関連性型)、エイズ型(流行性型)の4つに細分でき、それぞれ症状や進行が異なります。
古典型は高齢の男性で主に地中海系あるいはユダヤ系の人、アフリカ型は赤道直下の一部地域に住むアフリカ系の小児や若者、医原性型は臓器移植後に免疫抑制薬の投与を受けている人、エイズ型はエイズ患者に発症します。
高齢の男性が発症する古典型では、カポジ肉腫は紫色や濃い茶色の単独の染みとして、つま先や脚にできます。この染みは数センチ大になり、色も濃くなって、平ら、または、わずかに盛り上がり、出血しやすくなって潰瘍(かいよう)化します。脚には、同様の染みがいくつか現れることがあります。
この古典型のカポジ肉腫はゆっくりと、時には10~15年かけて進行します。病変が進むにつれて、脚に浮腫(ふしゅ)が生じ、血液が正常に流れにくくなります。しばらくして、病変が他の臓器に広がり、他の種類のがんを発症することもあります。
医原性型(免疫抑制治療関連性型)のカポジ肉腫は、体が感染と闘うのを助ける免疫系を弱める薬を投与されている人に、発症する可能性があります。肝臓や腎(じん)臓などの臓器移植を受けた人では、移植された臓器を異物と見なして免疫系が攻撃しないように、免疫抑制薬を飲む必要があるためです。
アフリカ型、エイズ型(流行性型)では、高齢男性が発症する古典型よりもっと悪性です。皮膚に現れる染みは、数が多く、体中どこにでもできます。これらの染みは数カ月以内に体の他の部位に広がりますが、口の中にできることも多く、そうなると物を食べる際に痛みます。
この腫瘍は、リンパ節や内臓にもできます。特に、消化管にはできやすく、下痢と出血を引き起こし、便に血が混じるようになります。
放射線療法が一般的な治療法
医師による治療では、カポジ肉腫が皮膚に少数できている場合は、手術で病変を取り除くか、液体窒素で腫瘍を凍結させて殺します。
肉腫の数が少なく、他の症状が全く出ていない場合は、症状が広がるまでは治療を受けないという選択も存在します。
カポジ肉腫が皮膚に多数できている場合は、放射線療法を行います。この放射線療法が一般的な治療法で、がん細胞を破壊し、腫瘍を縮小させるために、体外の機械からX線や他の高エネルギー線を照射します。
悪性のカポジ肉腫の場合は、体の免疫システムが正常であれば、インターフェロンの投与や化学療法を行います。化学療法では薬を使ってがん細胞を殺しますが、薬は経口投与されるか、静脈注射または筋肉注射で投与されます。薬が血流に入り、体中を駆け巡り、最初に発生した部位以外のがん細胞も破壊することができるため、化学療法は全身療法とも呼ばれます。カポジ肉腫に化学療法を行う場合、病変に直接注射されることもあります。
免疫抑制薬の投与を受けている人の場合は、投与を中止すると腫瘍が消えることがあります。免疫抑制薬の投与を継続しなければならない人の場合、化学療法と放射線療法を行いますが、投与を中止した人と比べると成果はよくありません。
エイズ型のカポジ肉腫の場合、化学療法や放射線療法の効果はあまり期待できません。抗レトロウイルス薬の投与により、免疫システムの機能が改善されれば、結果は良好です。
高活性抗レトロウイルス療法が行われる場合、レトロウイルスの1つであるヒト免疫不全ウイルス(HIV)を標的として、いくつかの抗レトロウイルス薬が組み合わされます。これらの薬物は、体内でウイルスが増殖するのを阻止し、エイズ型のカポジ肉腫のリスクを低下させるのに役立ちます。
高活性抗レトロウイルス療法では、薬の投与など他の治療法と併用せず、体内の免疫系によってがんと闘う、生物学的治療が単独で用いられることもあります。生物学的治療とは、体内あるいは製造ラボで作られる物質を用いて、疾患に対する体本来の防御機能を強化、あるいは修復するものです。
治療後に再び悪化(再発)した再発カポジ肉腫では、カポジ肉腫の種類、全身の健康状態、以前に行った治療に対する反応によって、治療法が異なります。肉腫は発生部位で再発することもあれば、体の他の部位で再発することもあります。
詳しい病気の解説は四百四病の事典(http://ksjuku.com/jiten.html)へどうぞ
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