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■用語 ペーパーバック法 [用語(は行)]

[蟹座]ペーパーバック法とは、ストレスなどが原因となって呼吸過多になり、呼吸困難、頭痛やめまい、手の指先や口の回りのしびれ、失神といった症状を起こす過呼吸症候群が発生した時に、主に用いられる対処方法。
 過呼吸症候群は過換気症候群とも呼ばれ、呼吸が速く浅くなって、空気を吸い込みすぎる状態に陥り、血液中の二酸化炭素の濃度が下がりすぎることで起こります。傾向として、男性よりも女性、しかも若い世代に多くみられ、呼吸をしているのに空気が吸い込めないと感じて、「このまま死ぬのでは…」といった恐怖に駆られますが、これが命にかかわることはありません。
 発作の切っ掛けは、心に抱えている不安や興奮、緊張、恐怖といったもので、これらが自律神経や呼吸中枢に影響します。時には、肉体的な疲労から起こることもあります。
 「呼吸が苦しい」と感じてしまうと、その不安感から余計に「呼吸をしよう、呼吸をしよう」とすることが、さらに症状を重くするといった悪循環をもたらします。
 このペーパーバッグ法は、紙袋やスーパーなどのナイロン袋を口にあてがい、袋の中で吐いた息を再度吸い込むという行為を繰り返し行う方法で、発作が起きた時に有効です。息が漏れないようにと袋を口にぴったりあてがいすぎると、酸素不足になってしまいますから、少し透き間を作っておきます。
 吐いた息の中に含まれる二酸化炭素を繰り返し吸い込むことで、血液がアルカリ性に偏っているのを中和させて、血液中の二酸化炭素を増やすことができ、発作は次第に治まります。
 発作を何度も経験した人なら、どんなことが切っ掛けになって、どんなふうに治まるかが自分でわかってきます。例えば、ペーパーバッグ法を行いながら好きな音楽を聴くとか、常に精神安定剤を持ち歩いて心に余裕を持つとか、自分なりの方法が見付けられるはずです。
 一度うまく対処できれば、それが自信につながり、徐々に発作も軽くなっていきます。
 何度も過呼吸症候群を引き起こし、悩んでいる人には、心療内科の受診をお勧めします。心療内科で治療を行う心身症の中で、ノイローゼに属さないで、心理的なものが原因となっている身体疾患の一つに挙げられています。
 繰り返し発作を起こすような人は、その背景に潜んでいる心の問題を解決する必要があります。
 しかし、同じ息苦しさでも、肺の機能不全などによって起こる過呼吸症候群などもあります。肺機能が低下したケースでは、呼吸ができずに酸素が不足するため、極めて危険で死亡する場合もあり、酸素吸入などの処置を行う必要があります。
 息苦しさが過呼吸症候群なのか、あるいは肺機能の低下によるものかは、動脈血を採取し、血液中の酸素と炭酸ガスの量を測定した結果により判断されます。




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