■用語 中途覚醒 [用語(た行)]
夜中に寝ている途中で2回以上、目が覚めるタイプの不眠症
中途覚醒(かくせい)とは、いったん寝付いても朝まで睡眠が持続できないで、何度も目が覚めるタイプの不眠症。不眠症の中で、最も多くの人がかかりやすいタイプです。
この中途覚醒は、睡眠の途中に2回以上目が覚めるものをいいます。途中で目が覚めても、すぐにまた眠れる人もいれば、なかなか次の眠りに入れない人もいます。高齢者の場合は、この中途覚醒が不眠症の大きな症状となります。
寝付きが悪いわけではないのに夜中に目が覚めてしまう、目が覚めた後もう一度眠るまでに時間がかかるといった状態になるのが、典型的な症状です。全体的に浅い眠りになっていることが多く、何度も繰り返し起きてしまったり、眠っても疲れが取れない、睡眠時間の割に日中眠くなったり集中力が低下するという症状も現れます。
実際、眠っている途中に一度起きてしまうと、入眠から浅い眠りのレム睡眠へ、さらに深い眠りのレム睡眠へと続く眠りのリズムを初めからやり直さなければならないために、脳も体もしっかり休息することができません。
睡眠と覚醒のリズムを生み出す脳の仕組みそのものの不調が原因で起きるほか、実にさまざまな原因で起きます。例えば、さまざまな精神的な病気の部分症状として起きるほか、さまざまな病気に起因する体のあちこちの痛み、ぜんそくなどによる呼吸困難やせき、消化器系の病気による腹痛、前立腺(ぜんりつせん)肥大症によって高頻度に起こる夜間の頻尿などが挙げられます。
また、睡眠薬代わりに寝酒をする人は少なくありませんが、少量のアルコールは寝付きをよくするものの、大量のアルコールを長期に渡って飲み続けていると、深い眠りであるレム睡眠を減らしてしまうために、浅い眠りであるレノンム睡眠ばかりになってしまい、しばしば中途覚醒を起こします。
中途覚醒の原因として近年、注目を浴びているものに睡眠時無呼吸症候群もあります。この病気は、睡眠中に10秒以上に渡って呼吸が止まり、1時間に5回以上みられる場合に診断されます。
すなわち、深い睡眠に入ろうとすると呼吸が止まり、息苦しくなって目が覚めてしまうために、一晩中深い睡眠に入れなくなります。全体として一晩に6~7時間眠ったとしても、常にウトウトしたような浅い睡眠でしかないために、昼間に眠気を催して居眠りばかりして、上司に叱責(しっせき)されるという事態に陥ってしまいます。
睡眠時無呼吸症候群では、本人が息苦しさを翌日に覚えていないために、自覚的には昼間の眠気だけしかないことが少なくありません。もっとたくさん寝ようと早くからベッドに入る努力をしても、睡眠の質が不良なためにいくら長時間寝ても昼間の眠気や、集中力の低下、活力の喪失は改善されません。
意外と知られていないが決して少なくない中途覚醒の原因として、周期性四肢運動障害という病気もあります。この病気は睡眠時無呼吸症候群と同様に、深い眠りに入ろうとすると、周期的に反復する瞬間的な手足、特に下肢の運動が現れます。
つまり、まどろみから深い睡眠に移行しようとすると、足がピクンと動いてしまうのです。通常、20~30秒周期で足の動きを繰り返し、悪化すると回数が増え、多い人では1時間に100回以上起こる場合もあります。足が動いても、多くの場合本人は気付きませんが、足がピクンと動くと、脳は目覚めてしまうので眠りが妨げられます。このために深い睡眠に入れずに、昼間に眠気を催します。
中途覚醒の裏側には他の病気が隠れていることが非常に多いので、常日ごろから体の状態をチェックしておくとよいでしょう。また、どんな病気が絡んでいるにせよ、精神的ストレスがたまっている状態だと、中途覚醒が起きやすいことがわかっています。
精神的ストレスがかかった状態で眠ると、眠っているつもりでも脳はリラックスして休むことができません。浅い睡眠状態で眠ることになるため、途中で何度も目が覚めたり、ささいな刺激で覚醒することになります。
精神的ストレスからくるイライラや緊張を鎮めるためには、リラックスできる音楽や読書、入浴や食事など生活面での工夫をしてみることも必要です。眠りやすい環境を作ることも心掛け、騒音や温度調整、明るさの調整をするのもよいでしょう。
昼間の眠気や、集中力の低下、活力の喪失など日中の生活に支障が出るような場合には、午前中など早い時間に10~20分の仮眠を取ることも効果的です。仮眠を取る場合には、夜眠れなくなるほど長時間寝てしまうと意味がありません。夕方など遅めの時間に仮眠を取るのも、夜の睡眠に支障が出ることがあるので、遅くても昼の休憩くらいまでの間に仮眠するようにしましょう。
生活面での工夫をしても中途覚醒が続くようであれば、医師に相談することが必要です。
医師による不眠症治療では、精神的な療法を行ったり、薬による治療を行うことになります。一般的には睡眠薬による治療ですが、人それぞれ原因やタイプも違ってきますから、睡眠薬の服用については医師に相談しながら治療を進めていくことが大切です。
最近の睡眠薬は安全性が高くなったものの、病気を併せ持つ人が他の薬と併用する場合は副作用などの恐れもあるため、使用には医師の診断が必要で、症状に合った薬を処方によって服用します。
すべての薬にあるように、睡眠薬にも副作用はあります。最大の特徴は、薬が効いている間に布団から起きてしまうと、効果がすべて眠気、ふらつき、頭重感などの副作用に変わってしまうこと。従って、服用したらすぐ布団に入ること、増強作用のあるアルコールと一緒に服用しないこと、用量用法は医師の指示を守ること、突然、服用を中止すると症状が悪化する場合もあるので、医師と相談しながら漸減することなどが必要となります。
睡眠薬は、作用時間により超短時間型、短時間型、中間型、長時間型に分類されます。頻繁に目を覚ます中途覚醒では、長時間型の睡眠薬が処方されることが多く、作用時間が長いため昼間の不安抑制効果も期待できます。
主な睡眠薬としては、ソメリン(成分名・ハロキサゾラム、ベンゾジアゼピン系)、インスミンやダルメートなど(成分名・フルラゼパム、ベンゾジアゼピン系)、ドラール(成分名・ベンゾジアゼピン系)があります。
中途覚醒(かくせい)とは、いったん寝付いても朝まで睡眠が持続できないで、何度も目が覚めるタイプの不眠症。不眠症の中で、最も多くの人がかかりやすいタイプです。
この中途覚醒は、睡眠の途中に2回以上目が覚めるものをいいます。途中で目が覚めても、すぐにまた眠れる人もいれば、なかなか次の眠りに入れない人もいます。高齢者の場合は、この中途覚醒が不眠症の大きな症状となります。
寝付きが悪いわけではないのに夜中に目が覚めてしまう、目が覚めた後もう一度眠るまでに時間がかかるといった状態になるのが、典型的な症状です。全体的に浅い眠りになっていることが多く、何度も繰り返し起きてしまったり、眠っても疲れが取れない、睡眠時間の割に日中眠くなったり集中力が低下するという症状も現れます。
実際、眠っている途中に一度起きてしまうと、入眠から浅い眠りのレム睡眠へ、さらに深い眠りのレム睡眠へと続く眠りのリズムを初めからやり直さなければならないために、脳も体もしっかり休息することができません。
睡眠と覚醒のリズムを生み出す脳の仕組みそのものの不調が原因で起きるほか、実にさまざまな原因で起きます。例えば、さまざまな精神的な病気の部分症状として起きるほか、さまざまな病気に起因する体のあちこちの痛み、ぜんそくなどによる呼吸困難やせき、消化器系の病気による腹痛、前立腺(ぜんりつせん)肥大症によって高頻度に起こる夜間の頻尿などが挙げられます。
また、睡眠薬代わりに寝酒をする人は少なくありませんが、少量のアルコールは寝付きをよくするものの、大量のアルコールを長期に渡って飲み続けていると、深い眠りであるレム睡眠を減らしてしまうために、浅い眠りであるレノンム睡眠ばかりになってしまい、しばしば中途覚醒を起こします。
中途覚醒の原因として近年、注目を浴びているものに睡眠時無呼吸症候群もあります。この病気は、睡眠中に10秒以上に渡って呼吸が止まり、1時間に5回以上みられる場合に診断されます。
すなわち、深い睡眠に入ろうとすると呼吸が止まり、息苦しくなって目が覚めてしまうために、一晩中深い睡眠に入れなくなります。全体として一晩に6~7時間眠ったとしても、常にウトウトしたような浅い睡眠でしかないために、昼間に眠気を催して居眠りばかりして、上司に叱責(しっせき)されるという事態に陥ってしまいます。
睡眠時無呼吸症候群では、本人が息苦しさを翌日に覚えていないために、自覚的には昼間の眠気だけしかないことが少なくありません。もっとたくさん寝ようと早くからベッドに入る努力をしても、睡眠の質が不良なためにいくら長時間寝ても昼間の眠気や、集中力の低下、活力の喪失は改善されません。
意外と知られていないが決して少なくない中途覚醒の原因として、周期性四肢運動障害という病気もあります。この病気は睡眠時無呼吸症候群と同様に、深い眠りに入ろうとすると、周期的に反復する瞬間的な手足、特に下肢の運動が現れます。
つまり、まどろみから深い睡眠に移行しようとすると、足がピクンと動いてしまうのです。通常、20~30秒周期で足の動きを繰り返し、悪化すると回数が増え、多い人では1時間に100回以上起こる場合もあります。足が動いても、多くの場合本人は気付きませんが、足がピクンと動くと、脳は目覚めてしまうので眠りが妨げられます。このために深い睡眠に入れずに、昼間に眠気を催します。
中途覚醒の裏側には他の病気が隠れていることが非常に多いので、常日ごろから体の状態をチェックしておくとよいでしょう。また、どんな病気が絡んでいるにせよ、精神的ストレスがたまっている状態だと、中途覚醒が起きやすいことがわかっています。
精神的ストレスがかかった状態で眠ると、眠っているつもりでも脳はリラックスして休むことができません。浅い睡眠状態で眠ることになるため、途中で何度も目が覚めたり、ささいな刺激で覚醒することになります。
精神的ストレスからくるイライラや緊張を鎮めるためには、リラックスできる音楽や読書、入浴や食事など生活面での工夫をしてみることも必要です。眠りやすい環境を作ることも心掛け、騒音や温度調整、明るさの調整をするのもよいでしょう。
昼間の眠気や、集中力の低下、活力の喪失など日中の生活に支障が出るような場合には、午前中など早い時間に10~20分の仮眠を取ることも効果的です。仮眠を取る場合には、夜眠れなくなるほど長時間寝てしまうと意味がありません。夕方など遅めの時間に仮眠を取るのも、夜の睡眠に支障が出ることがあるので、遅くても昼の休憩くらいまでの間に仮眠するようにしましょう。
生活面での工夫をしても中途覚醒が続くようであれば、医師に相談することが必要です。
医師による不眠症治療では、精神的な療法を行ったり、薬による治療を行うことになります。一般的には睡眠薬による治療ですが、人それぞれ原因やタイプも違ってきますから、睡眠薬の服用については医師に相談しながら治療を進めていくことが大切です。
最近の睡眠薬は安全性が高くなったものの、病気を併せ持つ人が他の薬と併用する場合は副作用などの恐れもあるため、使用には医師の診断が必要で、症状に合った薬を処方によって服用します。
すべての薬にあるように、睡眠薬にも副作用はあります。最大の特徴は、薬が効いている間に布団から起きてしまうと、効果がすべて眠気、ふらつき、頭重感などの副作用に変わってしまうこと。従って、服用したらすぐ布団に入ること、増強作用のあるアルコールと一緒に服用しないこと、用量用法は医師の指示を守ること、突然、服用を中止すると症状が悪化する場合もあるので、医師と相談しながら漸減することなどが必要となります。
睡眠薬は、作用時間により超短時間型、短時間型、中間型、長時間型に分類されます。頻繁に目を覚ます中途覚醒では、長時間型の睡眠薬が処方されることが多く、作用時間が長いため昼間の不安抑制効果も期待できます。
主な睡眠薬としては、ソメリン(成分名・ハロキサゾラム、ベンゾジアゼピン系)、インスミンやダルメートなど(成分名・フルラゼパム、ベンゾジアゼピン系)、ドラール(成分名・ベンゾジアゼピン系)があります。
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