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■腰痛にストレスが関与 再発、慢性化の要因に [健康ダイジェスト]

 大多数の人が経験する腰痛は、再発や慢性化も多く、厄介な症状です。従来は背骨に問題があるとして、腰にできるだけ負担を掛けずに安静を保つことが大事だとされてきましたが、最近は、痛みに対する不安や仕事上のストレスといった心理的な影響が注目され、ストレスを解消しながら、できるだけ日常活動を維持するほうがよいとの考えに変わってきたといいます。
 「欧米では、腰痛の再発や慢性化には心理的、社会的な要因が非常に重要だとされている」と、関東労災病院(川崎市)で勤労者筋・骨格系疾患研究センター長を務める松平浩医師。
 腰痛といえば、骨の間の椎間板が飛び出して神経を刺激する椎間板ヘルニアなどを思い浮かべますが、松平医師によると、エックス線や磁気共鳴画像装置(MRI)による画像検査で異常があっても腰痛のない人や、逆に異常がないのに痛みが強い人もいて、画像所見で痛みの原因を説明できるとは限りません。
 腰痛で病院を受診する人のうち、診察や画像検査で原因が特定できるのは15パーセント。残り85パーセントは原因が特定しきれない「非特異的腰痛」に分類され、いわゆる「ぎっくり腰」もこれに含まれます。
 このタイプの腰痛の多くは、放っておいても痛みは消えます。しかし、心理的な問題から腰を動かさずにいると筋肉が硬直、気がめいってうつ傾向が強まり、さらに体を動かさなくなるという痛みの悪循環に陥ることがあります。
 医師から「椎間板が減っている」「骨が変形している」などといわれたために、腰痛に対する不安や恐れが募るケースもあります。松平医師の研究によると、ぎっくり腰で受診した患者のうち、治るまで安静にするよう指導された68人と、できるだけ普段の生活を続けるよう指導された32人を比較すると、翌年にぎっくり腰を再発するリスクは安静を指導された患者のほうが3・65倍も高くなりました。
 ストレスから起こる腰痛は、腰部の骨などには異常がないことがほとんどです。症状としては、出勤前などの午前中に痛みが起こり、夕方ごろに痛みがなくなるなど、時間帯による変化があります。
 さらに、痛みの出る部位が変わったり、日によって痛みの程度が違ったりします。また、腰痛とともに、疲労感、不安感、睡眠不足、頭痛や胃腸障害などの症状を伴うこともあります。
 悪い姿勢、運動不足や運動のしすぎ、肥満、加齢など、非特異的腰痛の他の要因がなければ、ストレスと疲労が疑われます。
 日常生活でのストレスをゼロにするのは難しいことですが、日々のストレスを軽減し、翌日の疲れをためないようにコントロールすることはできます。ストレス解消は、腰痛の改善と予防に加え、生活習慣病など、さまざまな病気を予防するためにも大切なことです。

 2011年9月5日(月)




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