SSブログ

■臍帯血で脳性まひ児を治療 高知大、国内初の臨床研究へ [健康ダイジェスト]

 早産で脳性まひになった子供に、出産時にへその緒から採った自らの臍帯血(さいたいけつ)を点滴して運動機能の改善を目指す臨床研究を、高知大学が来春にも始めます。
 臍帯血は主に白血病の治療に使われていて、脳性まひの治療に試みるのは国内で初めて。今後、人工多能性幹細胞(iPS細胞)などと同様に幹細胞の供給源としても注目を集めそうです。
 先天性の脳性まひは約1000人に2人から3人の割合で発症すると推定されています。出生の前後に母体内で脳が何らかのダメージを受け、体の動きや話し方に障害が出るといわれます。直ちに生命に危険が及ぶわけではありませんが、根本的な治療法はなく、対処はリハビリテーションなどが中心になっています。
 研究は、早産の危険が差し迫っているケースが対象。妊娠33週前後で、帝王切開で産む際に赤ちゃんの臍帯血を採って冷凍・保存します。半年から1年後に脳性まひと診断された段階で、臍帯血から幹細胞を取り出して赤ちゃんの腕から点滴で移植する計画で、向こう5年間で10人に実施するとしています。
 高知大学の相良祐輔学長などの研究グループの計画は今月、厚生労働省が承認しました。
 難病の子供に臍帯血を輸血する治療は、2006年にアメリカのデューク大学で始まり、脳性まひでは8人のうち6人に効果があったとされ、歩行が不自由になった子供が歩けるようになった例が報告されています。ただし、科学的に十分な証明はされていません。
 アメリカでは現在、アリゾナ大学、ジョージア医科大学、カリフォルニア大学でも臨床研究が開始されています。
 臍帯血には血管や神経のもとになる肝細胞が含まれ、脳の損傷した場所で新しい血管や神経をつくるとされます。高知大学の研究グループが行ったマウスの実験では、移植する細胞が神経になることや、運動機能がほかのマウスと同じ程度まで回復することを確認したということです。
 相良学長は、「脳性まひになると、本人はもちろん、世話をする家族も大変なのが現状だ。研究を進め何とか治療できるようにしたい」と話しています。

 2011年11月27日(日)




nice!(8)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:健康

nice! 8

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0