SSブログ

■ひざの半月板再生に新治療法 東京医科歯科大が開発 [健康ダイジェスト]

 一度傷付くと再生が難しいひざの半月板を、自分のひざの滑膜という組織からとった幹細胞で再生させる治療法を、東京医科歯科大の関矢一郎教授(軟骨再生学)が開発し、来年4月にも臨床研究を始めます。
 半月板の損傷は、全国に2500万人という変形性膝(しつ)関節症につながります。歩きづらいひざの痛みに苦しむ患者には、朗報になりそう。
 ひざ関節の大腿骨と脛骨の間にある半月板は関節軟骨に挟まれた軟骨組織で、クッションの役目をします。自己修復能に乏しく、加齢などで擦り切れると手術で縫い合わせて補強したりしますが、手術できない場合も多くあります。症状が進めば、痛みをとるためにすねの骨を切って向きを変えたり、人工関節を入れたりします。
 新しい治療法では、患者のひざの状態を内視鏡で確認する際、半月板の近くにある滑膜の一部を採取。2週間培養して増やした幹細胞を、注射器で半月板の損傷部に移植して再生させます。骨や軟骨になる性質を持つ間葉系幹細胞の中で滑膜由来のものは採取が容易で、増殖・軟骨分化能が高く、半月板再生の細胞源として利用価値が高いといいます。
 東京医科歯科大で3年間で20人ほどの患者を対象に臨床研究を行った後、他の病院にも広げて臨床試験(治験)を行います。
 関矢教授は、同じ手法でひざの関節軟骨の再生治療をしています。2008年以降、滑膜の幹細胞を移植して半年以上たった18人のうち、14人で軟骨が再生しています。当面、半月板の再生治療は、手術とセットで行います。
 軟骨の再生医療に詳しい京都大学iPS細胞研究所の戸田淳也教授(整形外科)は、「滑膜は手術前に通常行う検査で採れるのが利点。半月板が動きに耐え得る強度を確保することが大事で、うまくいけば画期的な治療になる」と話しています。

 2011年12月13日(火)




nice!(8)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 8

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0