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■自殺者14年連続3万人を超す 前年比では減少 [健康ダイジェスト]

 警察庁は10日、昨年1年間の全国の自殺者は3万513人だったとする速報値を発表しました。3万人を超えたのは1998年から14年連続ですが、2010年の3万1690人を1177人(3・7パーセント)下回りました。
 自殺者の減少は2年連続で、3万1000人を下回ったのは1998年以来初めて。男性は2万867人で2010年より1416人少なく、女性は9646人で239人増えました。全体の68パーセントが男性でした。
 都道府県別では東京都が最多で3100人。大阪府1899人、神奈川県1824人、埼玉県1645人、愛知県1630人と続きます。一方、最も少なかったのは徳島県で150人、次いで鳥取県が165人、福井県が171人となっています。東日本大震災で大きな被害があった岩手県は400人、宮城県は483人、福島県は525人で、3県とも前年より減りました。ただし、都道府県別は自殺者の住所でなく、遺体が発見された場所で計上しています。
 岩手県、宮城県、福島県を含む34道府県で前年より減った一方、愛知県、愛媛県、福岡県、宮崎県、沖縄県など12都県で増加しました。減少幅が大きかったのは大阪府の171人減や北海道の95人減(1438人)など。増加した中では、愛知の59人増、福岡の51人増(1310人)、愛媛県の28人増(369人)が目立ちました。
 例年と異なる傾向もみられました。2010年までの3年間は3月に自殺者が多く、10月や11月に2回目のピークがありました。この時期に企業の経営状況や解雇が明らかになることと関連があるのではないかとみられていましたが、昨年は5月が最も多く、その後、12月まで減少を続けました。5月は3367人、6月は3029人で、それ以外の月は2000人台となり、12月の2088人が最少でした。
 自殺の実態を調査している内閣府によると、遺族の話や自殺場所などから東日本大震災が直接の原因とわかった自殺者の数は、分析を始めた6月から11月までに全国で49人といいます。
 遺体の発見場所は宮城県の21人が最も多く、岩手県15人、福島県7人と被災3県に集中。年齢別では60歳代16人、50歳代10人、70歳代7人と中高年が目立ちました。原因・動機別(複数選択あり)では、経済・生活問題14件、健康問題13件、家庭問題11件の順で、不詳が14件。
 内閣府自殺対策推進室は、「震災の影響はじわじわと広がる可能性があり、状況を注視して対策に取り組みたい」と話しています。警察庁は年度内に、確定値を公表します。
 自殺対策に取り組むNPO法人「ライフリンク」の代表・清水康之さんは、「自殺者が減ったとはいえ、高止まりの状態が続いていることは問題で、社会全体で危機感を共有すべきだ。積極的に相談会などを行っている自治体では自殺者が減っているという事実があり、今後は、自治体と民間団体が連携して、相談会を始めとする対策を強化していく必要がある」と話しています。

 2012年1月11日(水)




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