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■体外受精は多胎の割合が2倍 日本産科婦人科学会が調査 [健康ダイジェスト]

 不妊治療として行われる体外受精では、1個の受精卵が双子や三つ子になる割合は自然に妊娠した時の2倍に上ることがわかりました。
 これは、日本産科婦人科学会が2007年から2009年までの3年間に全国の不妊治療施設で行われた体外受精のデータを分析し、わかったものです。体外受精は女性から卵子を取り出して精子と受精させる不妊治療で、学会は妊娠中や出産の際のリスクが高くなる双子以上の多胎を避けるため、子宮に戻す受精卵は原則1個としています。
 ところが、妊娠して胎児の心拍を確認したおよそ5万3000件のデータを分析した結果、戻した1個の受精卵が双子や三つ子の多胎になる割合は0・8パーセントと、自然に妊娠した時の一卵性多胎の2倍に上っていました。
 さらに、受精卵を戻す時期で多胎になる割合に違いが生じるか調べたところ、受精後3日程度では0・54パーセントでしたが、5日目まで培養し胚盤胞という段階になってから戻した場合は自然妊娠の3倍の1・2パーセントになっていました。
 受精卵を体外で育ててから子宮に戻すのは、妊娠成功率を上げるためです。胚盤胞まで育ててから戻すほうが着床率が高く、体外培養が増えてきています。多胎では、妊婦が妊娠高血圧症候群になったり、子供が低体重で生まれたりするリスク高くなります。
 学会は多胎を防ぐため、受精卵を子宮に戻すのは原則1個とし、35歳以上の場合や、2回以上続けて妊娠に失敗した場合に限り、2個も認めています。 
 学会の担当委員で国立成育医療研究センターの斉藤英和医師は、「胚盤胞まで育てたほうが妊娠の可能性が高くなるが、双子や三つ子になるリスクを考えると長く培養しないほうがいいと考えられる。多胎となる原因を調べ予防について研究する必要がある」と話しています。
 調査結果は、13日から神戸市で開かれる日本産科婦人科学会で発表されます。

 2012年4月13日(金)




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