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■京大、米でiPS細胞の新特許 使用、販売にも権利 [健康ダイジェスト]

 体のあらゆる組織や臓器になるとされる人工多能性幹細胞(iPS細胞)にかかわる京都大の米国での3件目の特許が、3月に成立していたことが判明しました。今回はiPS細胞からできた心臓や神経といった細胞で薬を開発することなどにも、権利が及びます。
 米国ではこれまで、皮膚などの細胞から山中伸弥教授らの方法でiPS細胞を作製する特許が認められていました。今回は、そのiPS細胞を分化、誘導して心臓や神経の細胞に変化させる方法が対象。京大の権利は、できた細胞を研究機関や企業などが買って研究に使う場合にも及びます。
 iPS細胞から作製した細胞を使って治療薬の候補を探したり、副作用がないか調べたりする研究が世界の製薬企業で盛んなほか、アルツハイマー病やパーキンソン病などの患者から作製したiPS細胞を使って、病気のメカニズムや原因を明らかにする研究も盛んになっています。こうした幅広い活動にも、京大の許可が必要になります。
 京大iPS細胞研究所の高須直子知財契約管理室長は、「新薬開発の盛んな米国で特許を取得した意味は大きいと考える。現在、欧州でも審査中で、より広い範囲での特許の取得も目指している」としています。同様の特許は、日本では取得済みといいます。 
 ただし、iPS細胞を作製した機関と、それをほかの細胞に変えた機関が違う場合、その細胞を使う研究に権利は及びません。また、京大とは異なる方法で作製したiPS細胞からの研究も、対象外になります。
 今回の特許で、iPS細胞の作り方はウイルスを使う方法に限られます。再生医療で患者に移植するためにはより安全な方法が求められており、今後はより安全な作り方での特許取得も目指します。

 2012年5月13日(日)




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