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■母から娘への子宮移植手術に成功 スウェーデンで世界初 [健康ダイジェスト]

 スウェーデンのイエーテボリ大学は18日、世界初となる母から娘への子宮移植手術を16日までに2件行ったと発表しました。
 イエーテボリ大学とシャルグレンスカ大学病院の声明によると、手術を受けた2人はいずれも30歳代。1人は子宮頸がんのため数年前に子宮を摘出し、もう1人は生まれ付き子宮がありませんでした。
 手術は外科医10人以上がチームを組んで行い、合併症を起こすなど特段の問題もなく、終わったといいます。理論上は、移植された閉経後の子宮でも妊娠可能だといいます。
 術後の2人の体調は、疲労はみられるものの良好で、子宮を提供したそれぞれの母親もすでに歩けるほど回復しており、数日内には退院できる見通しだといいます。
 子宮移植手術前には、それぞれのパートナーの精子を使って体外受精した2人の受精卵が冷凍保存されており、これから1年間経過観察した後、子宮内に戻す予定だといいます。従って、「妊娠・出産を可能にすることを目的とした子宮移植手術が本当の意味で成功したといえるのは、2014年に2人が赤ちゃんを無事出産してからだ」と、チームのマッツ・ブレンストレム教授(産婦人科)は語っています。
 同教授は2人が妊娠に成功する確率には言及しなかったものの、「通常の体外受精による不妊治療で受精卵移植後に出産する割合は25~30パーセントだ」と述べました。
 また同教授は、移植臓器の拒絶反応を抑える免疫抑制剤の服用を続けずに済むように、移植された子宮は「最高で2人」を出産した後に摘出する方針だと明らかにしました。チームのミカエル・オラウソン医師は、「子宮移植による拒絶反応の発生確率は他の臓器移植と同じ約20パーセント」としています。
 移植を受けた女性2人は、自身とそのパートナーの生殖能力に問題がないといった候補者としての条件を確認するために、長い審査過程を経て選ばれました。2人の名前は、明らかにされていません。スウェーデンではさらに、8人の女性への子宮移植が今年秋から来年春にかけて予定されています。
 ブレンストレム教授は、「この移植法は生まれ付き子宮がなかったり、子宮に損傷を受けた若い女性の妊娠を助けるためのものであって、妊娠・出産可能な年齢を超えた女性を助けるためではない」と強調しています。
 1999年に始まったこのプロジェクトで、科学者や医師、その他専門家の約20人からなるチームはこれまで、マウスや霊長類などを対象に子宮移植手術を行い、移植後の妊娠・出産に成功してきました。
 子宮移植手術は新しい分野で、2011年にトルコの医師チームが世界で初めて成功しました。しかし、子宮移植は生きたドナー(臓器提供者)を必要とすることなどから、問題視されることも多いのが現状。
 スウェーデン中央倫理審査委員会は当初、同プロジェクトの実施を認めていませんでしたが、今年5月になってプロジェクト監視のための特別委員会の設置を条件に、移植手術実施の許可を出しました。

 2012年9月19日(水)




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