■用語 尋常性疣贅 [用語(さ行)]
ウイルスの感染によって、皮膚にいぼができる疾患
尋常性疣贅(ゆうぜい)とは、ヒト乳頭腫(にゅうとうしゅ)ウイルス(ヒトパピローマウイルス)が皮膚に感染して、いぼができる疾患。いぼの別名が疣贅で、普通、いぼといわれるものの多くは、この尋常性疣贅です。
外傷を受けやすい露出部、特に手足の甲や指、膝頭(ひざがしら)などによくできますが、爪(つめ)の周囲にもできます。頭部、顔面、頸部(けいぶ)、足底にできることもあります。
ささくれなど傷のある皮膚に感染し、数カ月後には光沢のある肌色の直径1ミリ大の半球状に隆起した発疹(ほっしん)ができ、次第に大きくなって、表面が角化して粗く灰白色になります。直径2~10ミリ大になり、融合して2~3センチ大になることもあります。
頭部、顔面、頸部に生じる場合は、先端がとがった細長い指状、糸状の突起になることがあります。
足の裏に生じる場合は、特に足底(そくてい)疣贅と呼ばれ、通常、米粒大から小豆大の大きさで、足の裏の皮膚面からやや盛り上がり、表面が粗くて白っぽい色をした硬い部分ができます。しばしば多発して集まり、敷石状になります。これをモザイク疣贅と呼ぶこともあります。
足底は体重が掛かって、いぼがめり込んでしまうため、歩く時に不快を感じたり、小石を踏んでいるように痛むことがあります。
足底疣贅は学童期の小児に多く発症し、素足になる学校のプールサイドや脱衣所の床などで接触感染するとみられます。しばしば魚(うお)の目(鶏眼)や、たこ(べんち)と間違われますが、魚の目、たこは靴などによる長期間の摩擦や圧迫が原因で、足底疣贅はウイルス感染症という違いがあります。
ちなみに、子供には魚の目、たこは、まずできません。魚の目、たこは、加重による皮膚の角化で、一種の老化現象として大人にできるものです。
尋常性疣贅を放置しておくと、ほかの部位に移ります。針でほじくったり、市販の薬で取ろうとしたりすると、いぼがほかの部位により広がることになります。素人判断は禁物で、まず皮膚科、皮膚泌尿器科の医師を受診し、適切な治療を受けるべきです。
尋常性疣贅の検査と診断と治療
皮膚科、皮膚泌尿器科の医師による診断では、いぼの表面を薄く切り取ると点状に出血することで、魚の目、たこと鑑別します。古いいぼでは角質が厚くなって、区別が難しくなります。確実に診断する方法は、いぼを切除して組織学的に診断するか、ウイルス抗原または核酸を検出します。
皮膚科、皮膚泌尿器科の医師による治療では、いぼを凍結して取る凍結療法や、電気焼灼(しょうしゃく)が一般的に行われます。
凍結療法は、液体窒素を綿棒に含ませて、いぼの凍結、融解を繰り返す方法です。いぼの部分を超低温で瞬間的に凍結させ、部分的にやけどの状態を起こすことで、皮膚内部のいぼの芯(しん)を表面に押し上げ、徐々にいぼを縮小させます。
処置そのものにかなりの痛みを伴うほか、場合によっては水膨れが発生し、処置後も患部に激痛が伴うこともあります。 また、場合によっては水膨れ内部に出血が発生し、黒く変色することもありますが、この状態になると激痛こそあるものの、治りは早くなります。
通常、凍結療法は4~7日が効果のピークであるために、1~2週間に1回の通院で治療しなければならず、効果に個人差こそありますが、およそ数週から2カ月以上と長い日数が必要とされます。治癒率の低いことも欠点で、特に角質の厚い爪の周囲や足底ではなかなか治りません。
なお、家庭用のいぼ治療薬として知られるイボコロリは、角質を溶かすだけなのでかえって広げてしまうことがあります。凍結療法と組み合わせると、よい結果が得られます。
電気焼灼は、レーザーメスや電気メスでいぼを焼く方法です。液体窒素による凍結療法と違って一度で治るものの、麻酔が必須で、傷跡を残すことがあります。凍結療法などと異なり、保険適応外でもあります。
一部の医療機関では、凍結療法で治りにくいケースや痛みに耐えられないケースで、DNCB(2.4-ジニトロクロロベンゼン)という薬を塗布していぼを取る治療法を行っています。DNCBは本来、かぶれの状態を見る検査薬で、これを治療に応用し、いぼをかぶれた状態にして取ります。
多少かゆみを伴ったり、じくじくした状態になったりすることがありますが、痛みはありません。塗布を2カ月続けると、約70パーセントが治癒するとされます。
ほかにも、抗生物質のブレオマイシンの局所注射、ウイルス消毒薬の使用、はと麦の種を成分とする漢方薬ヨクイニンの内服、免疫療法などいろいろの治療法があります。
尋常性疣贅(ゆうぜい)とは、ヒト乳頭腫(にゅうとうしゅ)ウイルス(ヒトパピローマウイルス)が皮膚に感染して、いぼができる疾患。いぼの別名が疣贅で、普通、いぼといわれるものの多くは、この尋常性疣贅です。
外傷を受けやすい露出部、特に手足の甲や指、膝頭(ひざがしら)などによくできますが、爪(つめ)の周囲にもできます。頭部、顔面、頸部(けいぶ)、足底にできることもあります。
ささくれなど傷のある皮膚に感染し、数カ月後には光沢のある肌色の直径1ミリ大の半球状に隆起した発疹(ほっしん)ができ、次第に大きくなって、表面が角化して粗く灰白色になります。直径2~10ミリ大になり、融合して2~3センチ大になることもあります。
頭部、顔面、頸部に生じる場合は、先端がとがった細長い指状、糸状の突起になることがあります。
足の裏に生じる場合は、特に足底(そくてい)疣贅と呼ばれ、通常、米粒大から小豆大の大きさで、足の裏の皮膚面からやや盛り上がり、表面が粗くて白っぽい色をした硬い部分ができます。しばしば多発して集まり、敷石状になります。これをモザイク疣贅と呼ぶこともあります。
足底は体重が掛かって、いぼがめり込んでしまうため、歩く時に不快を感じたり、小石を踏んでいるように痛むことがあります。
足底疣贅は学童期の小児に多く発症し、素足になる学校のプールサイドや脱衣所の床などで接触感染するとみられます。しばしば魚(うお)の目(鶏眼)や、たこ(べんち)と間違われますが、魚の目、たこは靴などによる長期間の摩擦や圧迫が原因で、足底疣贅はウイルス感染症という違いがあります。
ちなみに、子供には魚の目、たこは、まずできません。魚の目、たこは、加重による皮膚の角化で、一種の老化現象として大人にできるものです。
尋常性疣贅を放置しておくと、ほかの部位に移ります。針でほじくったり、市販の薬で取ろうとしたりすると、いぼがほかの部位により広がることになります。素人判断は禁物で、まず皮膚科、皮膚泌尿器科の医師を受診し、適切な治療を受けるべきです。
尋常性疣贅の検査と診断と治療
皮膚科、皮膚泌尿器科の医師による診断では、いぼの表面を薄く切り取ると点状に出血することで、魚の目、たこと鑑別します。古いいぼでは角質が厚くなって、区別が難しくなります。確実に診断する方法は、いぼを切除して組織学的に診断するか、ウイルス抗原または核酸を検出します。
皮膚科、皮膚泌尿器科の医師による治療では、いぼを凍結して取る凍結療法や、電気焼灼(しょうしゃく)が一般的に行われます。
凍結療法は、液体窒素を綿棒に含ませて、いぼの凍結、融解を繰り返す方法です。いぼの部分を超低温で瞬間的に凍結させ、部分的にやけどの状態を起こすことで、皮膚内部のいぼの芯(しん)を表面に押し上げ、徐々にいぼを縮小させます。
処置そのものにかなりの痛みを伴うほか、場合によっては水膨れが発生し、処置後も患部に激痛が伴うこともあります。 また、場合によっては水膨れ内部に出血が発生し、黒く変色することもありますが、この状態になると激痛こそあるものの、治りは早くなります。
通常、凍結療法は4~7日が効果のピークであるために、1~2週間に1回の通院で治療しなければならず、効果に個人差こそありますが、およそ数週から2カ月以上と長い日数が必要とされます。治癒率の低いことも欠点で、特に角質の厚い爪の周囲や足底ではなかなか治りません。
なお、家庭用のいぼ治療薬として知られるイボコロリは、角質を溶かすだけなのでかえって広げてしまうことがあります。凍結療法と組み合わせると、よい結果が得られます。
電気焼灼は、レーザーメスや電気メスでいぼを焼く方法です。液体窒素による凍結療法と違って一度で治るものの、麻酔が必須で、傷跡を残すことがあります。凍結療法などと異なり、保険適応外でもあります。
一部の医療機関では、凍結療法で治りにくいケースや痛みに耐えられないケースで、DNCB(2.4-ジニトロクロロベンゼン)という薬を塗布していぼを取る治療法を行っています。DNCBは本来、かぶれの状態を見る検査薬で、これを治療に応用し、いぼをかぶれた状態にして取ります。
多少かゆみを伴ったり、じくじくした状態になったりすることがありますが、痛みはありません。塗布を2カ月続けると、約70パーセントが治癒するとされます。
ほかにも、抗生物質のブレオマイシンの局所注射、ウイルス消毒薬の使用、はと麦の種を成分とする漢方薬ヨクイニンの内服、免疫療法などいろいろの治療法があります。
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