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■長期にわたる低炭水化物食、死亡率高まる可能性 厚労省の研究班 [健康ダイジェスト]

 ご飯やパンなどの炭水化物の摂取が長期にわたって少ない人は、多い人よりも死亡率が高まる可能性があるとする調査結果を、厚生労働省の研究班がまとめ、米科学誌プロスワンに26日発表しました。
 炭水化物の摂取を極力控えるダイエット法に一石を投じる成果として、注目されます。
 国立国際医療研究センターの能登洋・糖尿病代謝内分泌科医長らが、米国と欧州で30歳代〜70歳代の男女20万人以上を5〜26年にわたって追跡した住民健康調査などの9データを解析。
 追跡期間中、計約1万6000人が死亡していましたが、総摂取カロリーに炭水化物が占める割合が40パーセント以下と低い人の死亡率は、炭水化物の摂取割合が60パーセント以上と高い人の1・3倍で、統計上の明確な差が出ました。死亡率が高まる理由は、よくわかっていません。
 炭水化物を抑えた食事は「低炭水化物ダイエット」「糖質制限ダイエット」などとも呼ばれ、短期的には血糖値が下がり、コレステロールの値が改善するなど、心疾患のリスクを下げるとの報告があります。ところが、今回の解析では、長期間の低炭水化物食が心疾患のリスクを下げる傾向はみられませんでした。
 能登医長は、「なぜ死亡率が高まるのか、原因の究明が課題だが、低炭水化物食は短期的には減量などに効果があっても、長年続けることには慎重になったほうがよい。日本人も含めたさらなる検証の必要性がある」と話しています。
 低炭水化物ダイエットは、元々は糖尿病治療として始まりました。減量の効果は科学的にはほぼ実証され、血糖値の改善も効果が示され、米国や英国の糖尿病学会は治療の選択肢の一つとして認めています。
 しかし、メカニズムや安全面で不明な点も多く、「長期間続けても大丈夫という科学的な証拠はない」「肉食中心だと、心筋梗塞や脳卒中のリスクが高まる可能性がある」との指摘もあり、日本糖尿病学会ではどう扱うか慎重に議論をしています。

 2013年1月28日(月)




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