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■基準値の2倍超で外出を自粛 PM2・5で環境省が対策指針を決定 [健康ダイジェスト]

 環境省の専門家による検討会は27日、微小粒子状物質「PM2・5」の大気中濃度が環境基準値の2倍を超えると予測される日に、都道府県が住民に外出の自粛などを呼び掛けることを柱とした指針を決定しました。
 中国では、車の排気ガスなどに含まれる極めて小さな粒子であるPM2・5の濃度が高くなり、深刻な大気汚染が続いていて、日本への越境汚染も懸念されています。
 環境省は、これまで健康を維持するのに望ましいとされる基準値として、大気中のPM2・5の濃度が1日の平均で1立方メートル当たり35マイクログラム以下という数値を設けていましたが、基準値を超えた場合、どのような注意が必要なのか示していなかったため、専門家による検討会を設置し、議論を続けていました。
 27日に開かれた検討会では、1日の平均濃度がこれまでの基準値の2倍に当たる1立方メートル当たり70マイクログラムを超えると予測された場合は、健康に影響を及ぼす可能性が高くなるとして、都道府県などが外出や屋外での長時間の激しい運動、それに部屋の換気を控えるよう注意を呼び掛けるとした指針を決定しました。
 心臓や肺に持病のある高齢者や子供、ぜんそくなどの疾患がある人については、この数値を下回っても健康への影響が出る可能性があり、特に注意を促しています。
 環境省は、新しい指針の数値について、アメリカで健康に影響を与える可能性があるとされる目安の値や、これまでの国内での研究結果などを参考に設定したとしていて、過去3年間で、全国で複数回、観測されているということです。
 また、検討会は、早朝の1時間の平均濃度が1立方メートル当たり85マイクログラムを超えると、統計的に1日の平均濃度が新しい指針の数値を超える可能性が高くなるとして、注意を呼び掛ける際の目安にしてほしいとしています。
 PM2・5については、来月から5月にかけて、黄砂とともに中国から国内に飛んでくる量が増える可能性もあり、環境省は早ければ今週中にも、新しい指針を全国の自治体に周知することにしています。
 指針では、PM2・5による健康への影響を防ぐための身近な対策として、マスクや空気清浄機についても紹介。マスクについては、高性能の防じんマスクであれば、PM2・5の吸入を減らす効果があるとしています。使用する場合には、顔に密着するように着けなければ十分な効果が期待できないとし、着用すると少し息苦しいため長時間の使用には向かないとしています。
 空気清浄機については、一部の製品はPM2・5を除去する上で有効性が確認されているとしていますが、効果はフィルターの有無や性能など機種によって異なるとしていて、使用する場合はメーカーに効果を確認する必要があるとしています。
 新たな対策指針作りにかかわった委員の1人で、呼吸器やアレルギーに詳しい国立病院機構福岡病院の小田嶋博副院長は、「70マイクログラムを超えなければ、一般の人にとっては健康への影響を心配する必要のない濃度だと思う。呼吸器が弱い人やぜんそくがある場合には、高い濃度になるとせき込んだりすることがあるかもしれないので、薬を飲んだり、うがいをしたりの対策を取ったほうがいいだろう」と話しています。

 2013年2月27日(水)




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