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■風疹患者、わずか半年で1万人超える 9割近くは大人 [健康ダイジェスト]

 妊娠中の女性が感染すると新生児に障害が出る恐れのある風疹の患者は、今月9日までの1週間に全国で新たに517人増え、今年はわずか半年で1万人を超えたことがわかりました。
 患者の9割近くは大人で、専門家は「会社の同僚から感染したケースも多い。職場でも感染予防に取り組んでほしい」と話しています。
 熱や発疹などの出る風疹は患者のせきやくしゃみを通じて広がり、妊娠中の女性が感染すると新生児の目や耳、それに心臓などに障害が出る恐れがあります。
 国立感染症研究所によりますと、今年に入ってから患者数は累計で1万102人で、2008年に今の方法で集計を始めて以降、最も大きな流行となった昨年1年間の患者数の累計2392人の4倍以上に相当します。近年では、2004年に推計約4万人の大流行がありました。
 今年の流行は関西と首都圏を中心に広がっていて、今月9日までの1週間の患者は大阪府が最も多く129人、次いで東京都が82人、神奈川県が59人などとなっています。
 1万人の患者の9割近くは大人で、男性では20歳代から40歳代、女性では20歳代が多く、職場で感染したというケースも多いということです。
 風疹の感染が拡大している背景には、予防接種を受けていない大人の間でウイルスが広がり続けていることがあります。
 東京都内で大人の風疹患者を数多く診てきた国立国際医療研究センター病院の國松淳和医師は、「患者は働き盛りの男性が多く、まだウイルスを出している状態なのに自分で治ったと判断して職場に戻ってしまう人も多い」と話しています。
 國松医師が診察した患者でも、発疹が出たまま電車に乗って会社に行ったり、接客業の男性が感染に気付かないまま店で働き客や同僚に感染を広げたケースなどがあったということです。
 また、國松医師は「大人は顔に発疹がでても比較的早く目立たなくなることが多く、周りから気付かれにくいことも感染を広げる一因になっている」と話しています。
 全国で最も多く新たな患者が報告された大阪府の公衆衛生研究所などが、昨年、府内で風疹になった400人余りの患者全員を対象に調べたところ、感染経路がわかった79人のうち、最も多かったのは職場の同僚からで42パーセント、次いで家族が22パーセント、友人や知り合いが15パーセント、学校や保育園が4パーセントなどとなっていました。
 國松医師は、「風疹に感染して元気になったと思っても、ウイルスがまだ体から出ている可能性がある。働いている人も、ぜひ医師の指示通り自宅で休養してほしいし、それを可能にするのは職場の理解だと思う。上司も完全に治るまで出勤しないようにできる職場環境作りをしてほしい」と話しています。
 風疹のピークは例年初夏。新規患者の発生数が減少傾向に転じているかは不明ですが、今月9日以前は毎週800人を超える新規患者が続いており、厚生労働省も引き続き注意を呼び掛けています。

 2013年6月18日(火)




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