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■海に流出のセシウムなど、計30兆ベクレル 東京電力が試算 [健康ダイジェスト]

 東京電力福島第一原発で放射能汚染水が海に流れている問題で、東京電力は21日、事故直後に流出防止工事をした2011年5月以降も、2、3号機のケーブルなどの配管用トンネルであるトレンチにたまった高濃度汚染水が海に流出した可能性があり、放射性物質の一つであるストロンチウム90とセシウム137で最大計30兆ベクレルに達するとの試算を発表しました。
 東電が規定している放射性液体廃棄物の平常時放出管理目標値と比べ、2つの放射性物質で約60倍になります。東電によると国の基準である濃度限度は下回っているといいますが、ストロンチウムやセシウムは毒性が高く、漁業関係者の反発がさらに強まるとみられます。
 東電はこれまでに測定された原発の専用港湾内の放射性物質の濃度を基に、ストロンチウム90が1日に30億~100億ベクレル、セシウム137が40億~200億ベクレル海へ流れ出ていると試算。事故直後の2011年5月から海へ流れ出ていると想定すると、ストロンチウム90で10兆ベクレル、セシウム137で20兆ベクレル、合わせて最大で30兆ベクレルと見積もりました。
 放射性物質が流出するルートとして、大量の汚染水がたまっている2、3号機のタービン建屋とつながるトレンチのほか、汚染された地下水の流出も否定しませんでした。
 一方、漏れ出た期間を2012年12月以降と最も短くした場合の試算でも、ストロンチウム90とセシウム137の総量は計1兆7000億ベクレルで、平常時放出管理目標値の10倍超となりました。2012年12月を起算点とした理由について、東電は同月に実施した地下水観測用井戸の調査で、放射性物質が検出されなかったためと説明しました。
 今回の試算はストロンチウム90やセシウム137が対象。限られたデータに基づく試算にすぎず、東電は「今後も評価精度の向上に努める」としています。
 高濃度汚染水の海洋汚染を巡っては、事故直後の2011年4月、ヨウ素131が2800兆ベクレル、セシウム134と137で計1900兆ベクレルが漏れ出たと試算されていますが、今回の結果には含まれていません。
 ストロンチウム90は、原子力発電所における原子炉の核燃料として使われるウランやプルトニウムの核分裂によってできる放射性物質の一つで、骨に沈着して白血病の原因になりやすく、半分の量に減るのに28年かかります。影響が長く続くため、農作物や飲料水を通じて体内に取り込まれる可能性もあり、骨の成分として蓄積しやすく、体外に排出されにくい性質を持っています。
 セシウム137も放射性物質の一つで、血液に入るといろいろな臓器に吸収され、白血病などを引き起こします。すでに被曝した場合には、セシウムを体外に排出させる薬剤を服用します。体に入らなくても、地面に降った後も長く放射線を出し続けたり、農作物や飲料水を通じて体内に取り込まれたりするので危険であり、半分の量に減るのに約30年かかります。

 2013年8月23日(金)




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