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■屋内での低体温症に注意を 発症者は屋外の3倍 [健康ダイジェスト]

 冬の季節に重い低体温症で病院に運ばれる人は、屋外より屋内での発症が3倍も多いことが、日本救急医学会の調査でわかりました。
 低体温症の全国的な実態調査は、初めて。2009年夏には、北海道大雪山系で高齢者の登山ツアー客が天候の悪化に見舞われ、10人の犠牲者を出した事故がありました。そして、 2012年秋には、中国の万里の長城を歩くツアーでも、2人の日本人高齢者が犠牲となる事故がありました。その死因は低体温症とみられますが、日本における低体温症の実態は、ほとんど解明されていませんでした。
 低体温症は、通常約37度に保たれている体の中心の体温が35度以下になった状態。体温が下がって血液の循環が鈍り、脳に回らなくなって意識を失い、死亡することもあります。
 日本救急医学会は2010年12月からの3カ月間、全国68の医療施設に救急搬送された418人の症状を調べました。
 このうち屋内で発症したのは303人で、屋外は100人、場所不明は15人。平均年齢は、屋内73・2歳、屋外62歳でした。入院、後遺症、死亡した割合のすべてが、屋内のほうが屋外よりも多くなりました。年齢別では、60歳以上が77パーセントを占め、男女別では、男性235人、女性182人、不明1人。
 60歳までの世代では泥酔や事故など外因による発症が主でしたが、60歳以上になると脳卒中の後遺症や糖尿病など持病が原因となったケースが多く認められました。脳卒中の後遺症や重度の糖尿病は、末梢神経の働きが弱るため温度感覚が鈍くなりやすく、判断力が低下して屋内を適温にできず症状が悪化するといいます。認知症で暖房器具の操作ができず、屋内で低体温症になった発症者もいました。
 調査を担当した日本医科大高度救命救急センターの横田裕行教授は、「家族や周囲の人が早めに気を配ることが大切」と話しています。
 日本救急医学会では、屋内での低体温症を防ぐためには、十分な栄養を取ること、低血糖や低栄養になりやすい持病を知ること、家族や周囲の人が室温や服装に気を配ることが大切としています。

 2013年10月1日(火)




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