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■用語 鼻ポリープ [用語(は)]

[パンチ]炎症が原因で、鼻腔粘膜が増殖してポリープができる疾患
 鼻ポリープとは、鼻の奥の副鼻腔(ふくびくう)などに起こった炎症が原因で、鼻腔粘膜が異常増殖してポリープができる疾患。鼻茸(たけ)とも呼ばれます。
 軽症のものを含めると、発症者数は推定100万人以上と考えられています。
 鼻風邪や、花粉症などのアレルギー性鼻炎にかかり、膿(うみ)のような黄色い鼻水が出て、鼻詰まりが長期間治り切らない急性副鼻腔炎から、さらに副鼻腔が繰り返し炎症を起こしてなかなか治らない慢性副鼻腔炎、一般的にいう蓄膿(ちくのう)症の時に、鼻腔粘膜が茸(きのこ)状に水膨れになった鼻ポリープがしばしばできます。
 鼻ポリープができると、まず左右の鼻腔に交代性の鼻詰まりが起こります。次第に両方の鼻腔に鼻詰まりが起こり、膿性の鼻水が長期にわたって出続けます。
 また、嗅覚(きゅうかく)が鈍感になるのも鼻ポリープの特徴で、においを感じる細胞が影響を受けることが多いため、しょうゆやコーヒーなどのにおいを感じにくくなります。
 鼻ポリープは一般的に両側の鼻腔に複数でき、大きいものだと直径5センチ以上にもなるため、鼻の穴から出てきたり、ひどくなると鼻で息が全くできなくなったり、鼻が変形したりします。頭痛、記憶力減退、耳管狭窄(きょうさく)などの症状が起こることもあります。
 風邪や鼻炎に長期間かかったり、アレルギー性鼻炎を放っておいたりした後に発症することが多く認められますが、すべての人が発症するわけでなく、体質や環境要因が加わって悪化することが一般的です。
 特に、アレルギー体質の人は花粉症や成人型気管支ぜんそくと関連して、副鼻腔炎を起こし、鼻ポリープを起こしやすいといわれています。
 長く症状が続いた場合は、早めに耳鼻咽喉(いんこう)科を受診することが勧められます。一般的に両側の鼻腔にできる鼻ポリープが片側のみにできている場合は、まれに悪性腫瘍(しゅよう)のこともあります。
[パンチ]鼻ポリープの検査と診断と治療
 耳鼻咽喉科の医師による診断では、鼻鏡を用いて鼻の入り口から鼻腔内を調べます。視診で多くの場合、容易に判断ができます。
 周囲の粘膜と区別できなかったり、慢性鼻炎や慢性副鼻腔炎を合併していたり、鼻中隔(びちゅうかく)湾曲症があって奥の鼻ポリープを見逃したりする恐れがある場合は、軟性ファイバースコープ、顔面X線(レントゲン)検査、CT(コンピュータ断層撮影)検査などを行って詳しく調べます。
 CT検査を行うと、鼻ポリープと症状が似ている上顎(じょうがく)がんと見分けることもできます。
 耳鼻咽喉科の医師による治療では、副腎(ふくじん)皮質ホルモン(ステロイド)剤を噴霧すると、約半数のケースで鼻ポリープが小さくなります。
 副腎皮質ホルモン剤の局所治療を1カ月続けても、鼻ポリープが小さくなる様子がみられない場合は、鼻ポリープを切除する手術を行います。
 手術では、局所麻酔をして鼻ポリープの茎部を含めて摘出して、副鼻腔を開放し、空気の通り道を作ります。慢性副鼻腔炎を合併している場合には、顕微鏡や内視鏡を用いた副鼻腔手術を同時に行います。
 鼻ポリープは深い関連性がある慢性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎、成人型気管支ぜんそくが治り切らない限り、再発する可能性があります。鼻ポリープの治療と平行して、慢性副鼻腔炎などの治療を行っていくことが、再発の防止になります。

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