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■夜尿症の治療指針、来年6月に見直しへ 学会が12年ぶりに [健康ダイジェスト]

 小学校に入学する年齢になっても、お漏らしが続く夜尿症について、専門の医師で作る日本夜尿症学会は、現在の治療指針には最新の薬についての情報などが盛り込まれておらず、誤った処方をされる不安があるとして、来年6月、12年ぶりに指針を見直すことを決めました。
 夜尿症は、小学校に入学する年齢になっても週に数回以上、お漏らしが続く病気で、患者は全国でおよそ80万人いると推計されています。
 日本夜尿症学会では、薬で治療する場合は、飲み薬の抗利尿ホルモン剤をまず処方することを3年前から推奨しています。
 しかし、11年前にまとめられた現状の治療指針では、かつて主流だった重い副作用がある抗うつ薬の処方が推奨されており、誤った処方をされる不安があるということです。
 昨年の医師国家試験にも現状の指針に基づいて、抗うつ薬を使うべきだと回答させる問題が出題され、学会に問い合わせが寄せられたことなどから、来年6月に12年ぶりに指針を見直す方針を決めました。
 日本夜尿症学会の金子一成理事長は、「国際的に見ても時代遅れの指針になっていて、抗うつ剤への抵抗感から受診をためらうケースもあったと思う。最新の情報をしっかりと盛り込み、早く治したいと悩んでいる子供や家族にもわかりやすい指針を作りたい」と話しています。
 夜尿症は、肉体的にも知能的にも正常なのに、5〜6歳を過ぎても継続的に夜間のお漏らしがある状態。排泄障害の1つで、遺尿症とも呼ばれます。
 睡眠中に無意識に排尿してしまうのは、膀胱に尿がいっぱいになったのが自覚できなかったり、膀胱に尿が十分にたまっていないのに我慢できないために起こります。
 乳児のお漏らしは当たり前のことで、成長するに連れて夜尿の回数は減っていき、ほとんど5〜6歳までにはなくなります。しかし、その年齢にはかなり個人差があり、5歳を過ぎて夜尿があっても、必ずしも病的というわけではありません。経過をみて、次第に回数が減ってくるようであれば、夜尿症として大騒ぎすることはありません。
 一説では、5〜6歳児では約20パーセント、小学校低学年では約10パーセント、小学校高学年では約5パーセントに夜尿症がみられるとされています。男女別では、児童・学童では男子のほうが多く、成人では女性のほうに多いとされ、遺伝する傾向も指摘されています。
 原因としては、いくつかのことが考えられています。一つには、排尿のメカニズムに関係する自律神経の緊張状態が考えられます。自律神経の一つである副交感神経が過敏で、排尿を促す信号をすぐに出してしまう状態です。二つ目は、普通は尿は夜間に作られる量が減るはずですが、ホルモンの調節が未熟で脳下垂体から出る抗利尿ホルモンが少ないため、夜中にもたくさんの尿ができるのも一つの原因と考えられています。
 さらに、先天的に膀胱の容量が小さいことも、夜尿症の原因になります。これらの原因が発症者個人について、必ずしも明確にわかるわけではありません。以上の原因のほかに、夜尿が尿路感染症や尿崩症の症状としてみられる場合があります。

 2015年8月1日(土)

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