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■脳の仕組みを解明し、恐怖記憶の分離に成功 富山大学など [健康ダイジェスト]

 脳の中には、異なる時間や場所での記憶を互いに結び付ける細胞の働きがあり、この働きを抑えると、記憶のつながりをなくすことができるとする研究成果を富山大学などの研究チームが発表しました。
 日常のささいな記憶が引き金になって、体験した衝撃的な出来事を突然思い出す心的外傷後ストレス障害(PTSD)など、記憶にかかわる病気の新たな治療法の開発につながる可能性があるとしています。
 富山大学の井ノ口馨教授などの研究チームは、マウスにブザー音を鳴らしながら電気刺激を与え、恐怖の記憶を植え付けた後、続いてブザー音を鳴らしながら、甘い水を与える実験を繰り返し、マウスが甘い水を飲むだけでブザー音の記憶を介して、電気刺激の恐怖を思い出し、身をすくめる行動を取るようにしました。
 そして、一連の実験中に、脳の中でどのように記憶が作られたのか観察したところ、電気刺激の恐怖の記憶と甘い水の記憶はそれぞれ、好き嫌いの判断にかかわる脳の扁桃体(へんとうたい)と呼ばれる部分で異なる神経細胞の集団に蓄えられましたが、2つの細胞の集団が一部で重なり合うと、両方の記憶がつながることがわかったということです。
 また、マウスの脳に光ファイバーの光を当てて、重なった部分の細胞の働きを抑え込むと、マウスは甘い水を飲んでも、電気刺激の恐怖を思い出さなくなり、2つの記憶が分離されることもわかったということです。
 井ノ口教授は、「人がどのように記憶を関連付けて、知識や概念を手に入れるのか、メカニズムに迫る成果だ。心的外傷後ストレス障害(PTSD)のような病気の新たな治療につながる可能性がある」と話しています。

 2017年1月29日(日)

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