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■受動喫煙でも、大動脈疾患で死ぬリスク2・35倍に 筑波大が4万8000人を追跡調査 [健康ダイジェスト]

 タバコの煙や他人が吐き出した煙を吸い込む受動喫煙の頻度が高い人は、ほとんどない人に比べ、大動脈解離など大動脈の疾患によって死亡するリスクが2・35倍になるとの調査結果を、筑波大学などの研究チームがアメリカの専門誌オンライン版に公開しました。
 受動喫煙と大動脈の疾患との関係を研究したのは、世界で初めてといいます。受動喫煙が肺がんや心筋梗塞、脳卒中などのリスクを高めることはすでに指摘されていますが、大動脈の疾患との関係性については、これまで解明されてこなかったといいます。
 研究チームは1988~1990年当時に、40~79歳だった全国45地区の4万8677人に喫煙や受動喫煙の頻度、生活習慣や健康状態について聞き、その後、94%の人を平均16年にわたって追跡調査を行いました。調査対象者のうち、大動脈の内側が突然裂ける大動脈解離で66人、大動脈がこぶのように膨らんで破裂すると大量出血する大動脈瘤(りゅう)が原因で75人、計141人が死亡しました。
 非喫煙者を受動喫煙の頻度に応じて3つのグループに分けて調べると、大動脈の疾患による死亡リスクは、家庭で毎日2時間以上か、職場や飲食店などでほぼ毎日受動喫煙している頻度が高いグループが、受動喫煙のほとんどない低頻度のグループの2・35倍でした。高頻度よりも少ないが受動喫煙の環境にいる中頻度のグループと、低頻度のグループとではほとんど変わりませんでした。
 また、受動喫煙の程度を家庭内と家庭外に分けて調べると、家庭内での受動喫煙の影響よりも、家庭外での受動喫煙の影響が大きいとみられることもわかりました。家庭外での受動喫煙は、主に職場や飲食店での受動喫煙であることから、家庭内よりも多くの喫煙者の煙にさらされると考えられ、影響の違いにつながった可能性が示唆されるといいます。
 厚生労働省の調査によると、非喫煙者の約3〜4割が職場や飲食店で受動喫煙に遭遇していることが明らかになっています。厚労省は2019年9月のラグビーワールドカップの開催に向けて、広さ30平方メートル以下のバーやスナックを除く飲食店や公共施設については原則禁煙として、受動喫煙対策を強化する健康増進法改正案を公表していますが、自民党の一部の議員の猛反発にあって、先の通常国会への提出自体が見送られた経緯があります。
 調査を担当したした山岸良匡(かずまさ)・筑波大准教授(社会健康医学)は、「日本は諸外国と比べて、明らかに受動喫煙対策が遅れをとっている。今回の研究を機に、受動喫煙の有害性が国民の間に広まることを期待している」と話しています。

 2017年9月26日(火)

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