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■母乳バンクの2カ所目、東京都内に開設へ 早産児に最善の栄養を提供 [健康ダイジェスト]

 産後、母親側の理由で母乳が与えられない赤ちゃんに、別の母親が寄付した母乳(ドナーミルク)を提供する「母乳バンク」の2カ所目が、今年春に東京都内に開設されます。早産児や小さく生まれた赤ちゃんのために、国内では2014年、昭和大学江東豊洲病院(東京都江東区)内に母乳バンクが初めて設置されました。
 母乳は、赤ちゃんの成長に必要な栄養素がすべて含まれているとされます。とりわけ、妊娠37週未満の早産児や、体重1500グラム未満の赤ちゃん(極低出生体重児)には大切。肺や腸など臓器の発達が未熟なため、感染症になりやすく、人工乳では、 壊死(えし)性腸炎などのリスクが高まります。
 ただ、十分な母乳が出ない場合や、母親が抗がん剤治療中で母乳への影響が心配されるケースがあります。日本小児科学会などでつくる委員会は2019年7月、早産児や極低出生体重児には母乳が最善の栄養であるとの見解を示しました。自分の母乳を与えられない時には、母乳バンクのドナーミルクの使用を提言しました。
 母乳バンクは1900年代初め、ヨーロッパで誕生し、現在、50カ国以上で600カ所を超えるとされます。国内では昭和大小児科教授の水野克己さんらが、2014年に同大江東豊洲病院内に開設したのが始まり。2017年には一般社団法人・日本母乳バンク協会も設立し、他施設への無償提供を始めました。ドナーミルクは、これまでに7都県の計11病院に届きました。
 ドナーミルクには高い安全性が求められ、日本の母乳バンクも海外の母乳バンクの運用指針を参考に基準を定めています。ドナー登録者には血液検査を行い、ウイルスや細菌に感染していないかどうかを確認。提供された母乳の細菌検査も実施した後、62・5度で30分間、低温殺菌処理して冷凍保管、希望する医療機関に提供します。
 ドナー希望者は200人を超えたものの、昭和大江東豊洲病院内の母乳の保管スペースが足りず、受け入れが難しい状況が続いていました。育児用品メーカー「ピジョン」(東京都中央区)が昨年11月、日本母乳バンク協会への支援を表明し、同本社内のスペースを母乳バンクのために提供することが決まりました。年間200人以上の赤ちゃんに対応できる設備やスタッフを整える計画です。
 同協会代表理事も務める水野さんは、「必要とする赤ちゃんや母親のために、母乳バンクの拠点をさらに広げたい」と話しています。

 2020年1月6日(月)

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