■新型コロナウイルス、イタリアで感染者1000人を超える アメリカとオーストラリアで初の死者

　イタリア政府は２月29日、新型コロナウイルスの感染者が1000人を超えたと発表しました。ヨーロッパで感染者が1000人を超えたのは初めてで、北部の３つの州については少なくとも学校を休校にする措置を３月８日まで続けるとしています。
　イタリアでは２月下旬以降、新型コロナウイルスの感染が相次いで明らかになり、イタリア政府は感染者が1128人になったほか、亡くなった人は80歳代の高齢者を中心に29人に上ると発表しました。また、感染者のうち半数近くは、症状がないか軽いため自宅で待機しているということです。
　感染の中心となっているのは北部の３つの州で、ミラノのあるロンバルディア州が615人、エミリアロマーニャ州が217人、水の都ベネチアのあるベネト州が191人と感染者全体の９割を占めています。
　イタリア政府はこの３つの州について、学校を休校にする措置を３月８日まで続けるとしているほか、ロンバルディア州とベネト州の11の自治体について、住民の出入りを禁止する事実上、街を封鎖する措置を続けるとしています。
　ヨーロッパではイタリア北部に滞在していた人から相次いで感染が確認されており、フランス政府が北部の２つの州については渡航の自粛を呼び掛けるなど警戒が強まっています。
　一方、アメリカの西部ワシントン州の衛生当局者は２月29日、新型コロナウイルスに感染した50歳代の男性が死亡したと明らかにしました。アメリカで新型コロナウイルスに感染した人の死亡が確認されたのは、初めてです。
　また、アメリカのトランプ政権は29日、新型コロナウイルスの感染が続いている韓国南y東部の大邱（テグ）とイタリア北部のロンバルディア州とベネト州について渡航情報を最高レベルの「渡航中止」に引き上げ、アメリカ国民に渡航しないよう呼び掛けました。
　韓国とイタリアからアメリカに入国する人については、それぞれの国で検査の強化を求めるとしています。
　さらに、過去14日間にイランに滞在したことがある人の入国を拒否することも明らかにしました。
　一方、オーストラリアの西オーストラリア州保健当局は１日、新型コロナウイルスの集団感染が発生したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」から退避し、日本から帰国した78歳のオーストラリア人男性が同日未明に、西部パースの病院で死亡したと明らかにしました。新型コロナウイルスによる同国の死者は、初めて。
　男性の79歳の妻もクルーズ船内で新型コロナウイルスに感染し、現在パースの病院に入院しています。
　夫妻は空路オーストラリアへ帰る機内で受けた検査で陽性反応が出たため、到着後すぐにパースの病院へ移されました。西オーストラリア州の医療当局者によると、夫妻の症状は当初穏やかだったものの、後から男性の容体が悪化したといいます。
　ダイヤモンド・プリンセスは２月、新型コロナウイルスの集団感染が発生したために横浜港で検疫下に置かれていました。乗客のうち約160人がオーストラリア人で、夫妻以外の乗客は帰国後、北部ダーウィンで隔離されました。
　オーストラリアでの新型コロナウイルスへの感染者は、イランへ渡航した40歳代男性の感染が確認されたことで、１日朝までに26人となっています。

　２０２０年３月１日（日）

タグ：健康ダイジェスト ニュース 健康創造塾