■新型コロナウイルス、イタリアの感染者6000人近くに ミラノやベネチアなど北部で移動を制限

　イタリアでは新型コロナウイルスの感染者が6000人近くに上り、感染の拡大に歯止めがかかっていません。イタリア政府は、北部の中心都市ミラノのあるロンバルディア州全体と、世界的な観光名所のベネチアなどのある周辺の地域について、これらの地域から別の地域への移動を制限する異例の措置に踏み切りました。
　イタリアでは北部のロンバルディア州を中心に新型コロナウイルスの感染が広がっており、７日には感染者が1200人以上増え5883人となりました。
　また死亡した人は36人増えて233人となり、中国に次いで多くなっています。
　感染拡大に歯止めがかからない事態を受けて、イタリアのジュセッペ・コンテ首相は８日未明、異例の記者会見を行い、感染の中心となっているロンバルディア州全体とその周辺のベネト州やエミリアロマーニャ州などの一部の地域について、これらの地域からほかの地域への移動を制限すると発表しました。
　対象の地域には、135万人を抱える北部の中心都市ミラノや、世界的な観光名所のベネチアなども含まれています。
　一方で緊急の際や健康上の理由などでの移動は認めるとしており、コンテ首相は「移動を完全に禁止する措置ではない」と強調しました。
　移動の制限は８日から４月３日まで続き、これらの地域では映画館や劇場、スポーツジムなどは閉鎖されるほか、スポーツのイベントは観客なしで行われるということです。
　また37度５分以上の熱がある場合は外出をせずに人との接触を避けるよう呼び掛けるなど、感染の拡大を防ぐ対策を一人一人がとるよう求めています。

　２０２０年３月８日（日）

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