■イタリア、新型コロナウイルスの感染者9000人超 移動制限を全土に拡大

　新型コロナウイルスは10日、イタリアでの感染者が9000人を超えて韓国やイランをすでに上回り、イタリア政府は人の移動を制限する措置を全土に広げると発表しました。世界保健機関（ＷＨＯ）は、世界的な大流行を意味する「パンデミック」の脅威がより現実味を帯びてきたという認識を示す一方、制御は可能だとして各国にさらなる対策を求めました。
　新型コロナウイルスはイタリアでの感染者が9100人余りに増え、韓国やイランの7000人余りをすでに上回り、感染の拡大が続いています。またイタリアで亡くなった感染者は、韓国やイランを上回る463人となっています。
　イタリア政府は、北部に限定してきた人の移動を制限する措置を10日から全土に広げると発表しました。４月３日までの間、緊急の際や健康上の理由、仕事や必要な場合を除いて外出を控え、自宅で過ごすよう求めるとともに、屋外で人が集まることを禁止するとしています。
　こうした中、ＷＨＯのテドロス・アダノム・ゲブレイェスス事務局長は９日の記者会見で、新型コロナウイルスの感染が100以上の国と地域に広がっていると指摘し、「パンデミックの脅威は非常に現実的になってきた」と述べて、世界的な大流行を意味する「パンデミック」の脅威がより現実味を帯びてきたという認識を示しました。
　一方で、テドロス事務局長は「我々の決断によってウイルスの広がりを遅らせ、感染を抑えることができる」と述べ、制御は可能だとして各国にさらなる対策を求めました。
　その上で感染が確認されたこれら100以上の国と地域のうち79では感染者の数が100人以下にとどまっていると指摘し、「パンデミック」の判断にはなお状況の見極めが必要だという認識を示しています。

　２０２０年３月１０日（火）

タグ：健康ダイジェスト 健康創造塾 ニュース