■アメリカの新型コロナウイルス死者、同時多発テロ超す3000人 世界で死者４万人突破

　アメリカで新型コロナウイルスの感染拡大が続き、死者数は3000人超と、2001年９月11日の同時多発テロによる2996人を上回りました。特に感染者の多いニューヨーク州で患者を受け入れる病院の負荷が増大しており、同州は治療用ベッドの確保に奔走しています。
　新型コロナウイルスの感染者は世界全体の累計で84万人を超え、死者は４万人を上回ります。感染者が見付かった世界177カ国・地域のうち、アメリカが18万人超と世界最多で、イタリア、スペインが続きます。
　アメリカの感染者数の過半を占めるニューヨーク州では、医療機関の負荷が高まっています。公立病院の医師はメディアの取材に対し、「多くの患者が死にかけているが、まだ感染のピークには達していない。とても恐ろしい状況だ」と語りました。小児科や整形外科など専門外の医師も総動員して、新型コロナウイルス患者の治療に当たっているといいます。
　重症患者を適切に治療できない「医療崩壊」への危機感は、日を追うごとに強まっています。ニューヨーク州のクオモ知事は記者会見で、「公立病院と私立病院の間でも患者の搬送など連携を取る」と述べました。これまで希薄だった病院間の連携を強化し、地域ごとに異なる感染ピークに柔軟に対応する考え。
　病院の外にベッドを設ける動きも、広がっています。ニューヨーク市のデブラシオ市長は３月31日、全米オープンテニスの会場として有名なスタジアムに臨時の病院を設置すると表明し、「早急に設置し、人命救助の場所にする」としています。新型コロナウイルス患者の受け入れでベッドが足りない市内の公立病院から、この仮設病院に一部患者を移します。
　ニューヨーク州は各病院にベッドを最低５割増やすよう要請したほか、展示場などにそれぞれ数千床を備えた臨時の病院を４月上旬にも開きます。
　約1000床を備えたアメリカ海軍の病院船「コンフォート」も、マンハッタンに到着しました。船にけがで入院する人を移し、病院のベッドを空けます。閉鎖したホテルを臨時の病院に転用することも計画しており、クオモ知事は人工呼吸器などの医療用品も不足するとして、連邦政府に支援を要請しました。

　２０２０年４月１日（水）

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