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■受精卵の透明帯を除去する不妊治療法で2組が妊娠に成功 鳥取県米子市のクリニック [健康ダイジェスト]

 卵子の老化などで体外受精を繰り返しても不妊治療が成功しない場合、受精卵の周りを覆う「透明帯」と呼ばれるタンパク質の層を除去する治療法が有効で、すでに夫婦2組が妊娠に成功したことを鳥取県内の不妊治療専門のクリニックが明らかにしました。
 新たな治療方法を明らかにしたのは、鳥取県米子市の「ミオ・ファティリティ・クリニック」です。
 クリニックでは、卵子の老化などで体外受精を繰り返しても受精卵が正常に成長しない場合、透明帯と呼ばれる受精卵の周りを覆うタンパク質の層が細胞の分裂を邪魔していると考え、複数の夫婦から同意を得た上で検証を行い、受精直後の69の受精卵から透明帯を取り除いたところ、36の受精卵が正常に成長したということです。
 これを治療に用いた結果、10回以上体外受精を行っても受精卵が育たなかった30歳代後半の夫婦2組が妊娠に成功したほか、別の40歳代の夫婦2組の受精卵も正常に育ち、近く、子宮への移植が行われるということです。
 クリニックの見尾保幸院長は「卵子の老化などで不妊治療を続けても、うまくいかず苦しんできた夫婦を救うことにつなげたい」と話しています。
 不妊治療に詳しい日本産科婦人科学会の元理事長で、慶応義塾大学の吉村泰典名誉教授は、「これまで透明帯は、受精卵が分裂していく際に、細胞を守るために必要と考えられてきた。これをすべてを除去する方法は非常に目新しく、受精卵が成長しない原因を詳細に観察してきた研究の成果だといえる。また受精卵の細胞自体を刺激していないため、悪影響はないと考えられる。卵子の老化などで体外受精を繰り返しても受精卵が育たない患者にとって一助になる可能性が高い」と話しています。

 2020年5月16日(土)

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