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■従来型のコロナウイルス感染症は冬に流行、「新型」も同様の可能性 山形県衛生研究所が実証 [健康ダイジェスト]

 山形市の山形県衛生研究所は今年7月、人に感染する7種類のコロナウイルスのうち、風邪の症状で小児に流行する従来のコロナウイルス4種類は、冬に突出して流行するという論文をまとめました。10年間にわたる研究で、季節性があることを実証しました。
 新型コロナウイルスも同様の傾向を示す可能性があり、医療関係者は秋以降、季節性のインフルエンザウイルスとの同時流行に備える必要があると指摘しています。
 人に感染するコロナウイルス7種類のうち、新型コロナウイルスと、2003年に中国で大流行したSARS(重症急性呼吸器症候群)、2015年に韓国で38人の死者を出すなどしたMERS(中東呼吸器症候群)を引き起こす2種類の計3種類は、重症化を引き起こすウイルスとして知られます。
 一方、残る4種類(HCoVーNL63、HCoVーOC43、HCoVーHKU1、HCoVー229E)は、重症化の危険性が低く、これまでは感染しても「ただの風邪」ですまされていたケースが多くなっています。医療現場では、経験的に冬場の流行が多いことが認識されていたものの、実証する研究はほとんどありませんでした。
 山形県衛生研究所は2010年1月、山辺町(やまのべまち)の山辺こどもクリニックと山形大学大学院医学研究科感染症学講座と協力して流行時期を調べる研究を開始。風邪などの症状でクリニックを受診した15歳以下の患者から検体を採取し、PCR検査でウイルスを分析した上で、4種類のコロナウイルスがどの時期に多く検出されたかを調べました。
 研究は2019年12月まで行われ、9122検体のうち722検体(7・9%)から4種類のコロナウイルスを検出しました。月別では、2月が171件と最も多く、1月が156件、3月が113件、12月が78件と続きました。その他の4~11月は6~63件で、冬季に突出して流行していたことが実証されました。
 同研究所の水田克巳所長は、「4種類は季節性コロナウイルスといえる。構造が同様の新型コロナウイルスも冬季に流行する可能性はある」と指摘しています。
 同講座の本郷誠治教授(ウイルス学)によると、冬場は空気が乾燥し、くしゃみやせきなどの飛まつを介して感染するウイルスは、飛まつの水分が少なくなり軽くなるため、遠くまで拡散します。ウイルスを体から排出する鼻や喉の動きも、寒さや乾燥でにぶくなるため、一般的に冬に流行しやすくなるといいます。
 新型コロナウイルスも飛まつ感染するため、本郷教授は「手洗いやうがいなどの基本的な予防策を引き続き取ることが重要だ」と注意を促しています。
 政府はインフルエンザとの同時流行に備え、二つのウイルスの検査を可能とする検査体制の整備を目指す方針です。
 水田所長は、「現在は感染が落ち着いている県内でも例外ではなく、検査体制を準備する必要がある」と話しています。
 
 2020年9月13日(日)

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