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■ホットヨガ利用者の約2割が体調不良を経験 国民生活センターが調査 [健康ダイジェスト]

 ダイエットや健康維持を目的とする女性らに人気で、室内の高温多湿の中でヨガをするホットヨガで体調が悪くなったという相談が、国民生活センターに寄せられています。センターの調査では、参加経験がある人の18・2%が体調不良を経験しており、注意を促しています。
 国民生活センターには、「レッスン中に湿度が高くて体調が悪くなり、帰宅後は頭痛がひどい」(30歳代女性)、「暑い中で頭を下げるポーズが続いたため、倒れそうなほど気分が悪くなった。終了後にトイレで吐いた」(50歳代女性)など、ホットヨガに関する体調不良やけがの相談が、今年3月までの5年間に165件寄せられました。
 ホットヨガを実施している21事業者がウェブサイトに表示している室温や温度をセンターが調べると、38度、65%が最多だったといい、日本生気象学会の「日常生活における熱中症予防指針」では、歩行や机上の事務作業でも熱中症になる恐れがある環境でした。センターの担当者は、「40度近い中で立ちっぱなしになったり逆立ちをしたりするため、負荷のかかる運動が多い」と話しています。
 センターは3月、フィットネスクラブやスポーツジムを利用したことがある人にアンケートを実施し、20~70歳代の男女9599人が回答。マシンを使った筋力トレーニングや水泳など17種類の運動プログラムごとに、体調が悪くなった経験がある人を調べると、ホットヨガを利用していた1603人のうち292人(18・2%)が経験していて、最も多くなりました。
 292人のうち200人(男性39人、女性161人・平均年齢38・2歳)に、体調が悪くなった時の状況などを質問すると、症状は、めまい・立ちくらみ(116人)が最多で、のぼせ・ほてり(81人)、吐き気・嘔吐(おうと)(51人)と続き、「聞こえが悪くなった」など耳の不快感を訴える人や、じんましんや肌荒れなどの症状が出た人もいました。
 体調が悪くなった時は、約9割の人が「レッスン中」、「レッスンが終了してすぐ」でした。また、「レッスンを終えて数時間後」や「レッスンを行った日の翌日以降」との回答もありました。
 ホットヨガで体調が悪くなったと答えた人の約2割は、中断せずレッスンを受け続けていました。東京新宿メディカルセンターの石井正則医師は、「レッスン中も意識して水分やミネラルを取ることが大切。体調に異変が出たら無理せず速やかに運動を休止して」と呼び掛けています。
 国民生活センターは、事前にレッスンの内容や時間を確認し、持病や既往歴がある場合には医師に相談するように勧めています。また、事業者に対しては参加者の体調に常に配慮し、こまめな水分補給を促すなどの対策を求めています。
 全日本ヨガ協会はヨガ講師の養成コースの中で、ホットヨガの指導を想定し、熱中症の危険性や対処方法を教えています。協会の認定講師・福島麻衣さん(38歳)は「ホットヨガは体への刺激が強い環境下での運動。講師自身が正しい知識を身に付けることは欠かせない」と話しています。
 近年のホットヨガ人気を背景にスタジオの数が増え、常温で行うヨガスタジオに比べて資格を取得した直後でも講師の就職先は見付かりやすいといいます。ただ、業界で統一したルールはなく、指導方法や環境を新人講師に任せる事業者もあるといい、福島さんは「トラブルを減らすためには、各事業者が指導規定をきちんと示すことも重要だ」と話しています。

 2020年10月3日(土)

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