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■アメリカ食品医薬品局、抗体医薬の緊急使用を許可 軽・中等症に効果 [健康ダイジェスト]

 アメリカの食品医薬品局(FDA)は、製薬会社イーライリリーが新型コロナウイルスの治療薬として開発中の「抗体医薬」について、軽症から中等症の患者に一定の効果がみられるとして、緊急の使用許可を出したと発表しました。
 FDAは9日、アメリカの製薬会社イーライリリーが新型コロナウイルスの治療薬として開発中の抗体医薬「バムラニビマブ」について、緊急の使用許可を出したと発表しました。
 使用できるのは12歳以上、体重40キロ以上で、重症化や入院に至るリスクの高い新型コロナウイルスの患者で、700ミリグラムの投与が可能になります。
 抗体医薬は、体内の異物を排除する「抗体」と呼ばれる物質を人工的に作り出し、薬として患者に投与するもので、FDAによりますと、バムラニビマブの臨床試験の暫定的な結果では、投与された患者の入院や救急治療を受けた割合が、投与されなかった患者より低いといった効果がみられたということです。
 こうしたことからFDAは、バムラニビマブには軽症から中程度の症状の患者に対してリスクを上回る効果があるとしています。
 一方、人工呼吸器が必要な患者などに対しては症状が悪化する可能性があるとして、投与は許可されていません。
 FDAは新型コロナウイルスの治療薬として「レムデシビル」を正式承認し、回復者の血液成分「血漿」の緊急使用を許可していますが、いずれも入院患者が対象。入院していない感染者の重症化を防ぐ薬の緊急使用許可は初めて。

 2020年11月10日(火)

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