■RSウイルス感染症の小児科患者が急増 昨年の約600倍に [健康ダイジェスト]
主に子供が感染し重症化する恐れもある、RSウイルス感染症の患者が、今年は急増しています。
新型コロナウイルスの対策に伴って、昨年は感染が広がらなかった結果、多くの子供が免疫を持っていないことが影響しているとみられています。
RSウイルス感染症は、主に幼い子供が感染し、発熱やせきなど、風邪に似た症状の出る病気で、特に6カ月以下の赤ちゃんや心疾患のある赤ちゃんなどが感染すると、肺炎や気管支炎を起こして重症化する恐れがあります。
国立感染症研究所によりますと、全国約3000の小児科の医療機関で、5月30日までの1週間に、RSウイルス感染症と診断された患者は、7818人報告されています。
現在と同じ方法で調査するようになった3年前以降の同じ期間の患者数で見ると、3年前が949人、一昨年が1028人、昨年が13人でした。
今年の患者数は、3年前や一昨年に比べると約8倍、昨年との比較では約600倍に当たります。
5月30日までの1週間の小児科1医療機関当たりの患者数は2・49人で、前々週の約2・5倍。前週は1・82人、前々週1人と、5月の急増ぶりが目立ちます。
地域別では、5月24~30日で最も多いのは山口県で11・04人、続いて奈良県10・65人、石川8・1人でした。このほか、大分県5・17人、山形県5・1人など各地に広がっています。
RSウイルスは、2歳までにほとんどの子供が感染するとされ、ここ数年、夏以降に感染が広がっていましたが、昨年は、年間を通して流行しませんでした。
新型コロナウイルス対策でマスクをする人が多くなったことや、保育園が休園したことなどが影響しているとみられています。
専門家は、通常であれば免疫を獲得していた年齢の子供たちの多くが免疫を持っていないため、今年は感染が急拡大しているのではないかとみています。
公衆衛生学が専門で、新潟大学大学院の菖蒲川由郷(しょうぶがわ・ゆうごう)特任教授は、「新型コロナの影響によって、予期せぬ時期にRSウイルスの感染が広がっていて、小児科や新生児医療の現場では、急な対応を迫られている。コロナで医療体制が窮迫している中で、RSウイルス感染症の重症患者が増えた場合の対応も懸念される」と指摘しています。
その上で、重症化する前の早めの受診を呼び掛けていて、「お子さんが息苦しそうにしていたり、食欲がないような時には、早めに医療機関に相談してほしい」と話しています。
慈恵医科大学の浦島充佳教授(予防医学)は、「家族に風邪の症状があれば、乳幼児に近付けず、手洗いや換気を含めた感染対策を徹底してほしい」と話しています。
2021年6月14日(月)
新型コロナウイルスの対策に伴って、昨年は感染が広がらなかった結果、多くの子供が免疫を持っていないことが影響しているとみられています。
RSウイルス感染症は、主に幼い子供が感染し、発熱やせきなど、風邪に似た症状の出る病気で、特に6カ月以下の赤ちゃんや心疾患のある赤ちゃんなどが感染すると、肺炎や気管支炎を起こして重症化する恐れがあります。
国立感染症研究所によりますと、全国約3000の小児科の医療機関で、5月30日までの1週間に、RSウイルス感染症と診断された患者は、7818人報告されています。
現在と同じ方法で調査するようになった3年前以降の同じ期間の患者数で見ると、3年前が949人、一昨年が1028人、昨年が13人でした。
今年の患者数は、3年前や一昨年に比べると約8倍、昨年との比較では約600倍に当たります。
5月30日までの1週間の小児科1医療機関当たりの患者数は2・49人で、前々週の約2・5倍。前週は1・82人、前々週1人と、5月の急増ぶりが目立ちます。
地域別では、5月24~30日で最も多いのは山口県で11・04人、続いて奈良県10・65人、石川8・1人でした。このほか、大分県5・17人、山形県5・1人など各地に広がっています。
RSウイルスは、2歳までにほとんどの子供が感染するとされ、ここ数年、夏以降に感染が広がっていましたが、昨年は、年間を通して流行しませんでした。
新型コロナウイルス対策でマスクをする人が多くなったことや、保育園が休園したことなどが影響しているとみられています。
専門家は、通常であれば免疫を獲得していた年齢の子供たちの多くが免疫を持っていないため、今年は感染が急拡大しているのではないかとみています。
公衆衛生学が専門で、新潟大学大学院の菖蒲川由郷(しょうぶがわ・ゆうごう)特任教授は、「新型コロナの影響によって、予期せぬ時期にRSウイルスの感染が広がっていて、小児科や新生児医療の現場では、急な対応を迫られている。コロナで医療体制が窮迫している中で、RSウイルス感染症の重症患者が増えた場合の対応も懸念される」と指摘しています。
その上で、重症化する前の早めの受診を呼び掛けていて、「お子さんが息苦しそうにしていたり、食欲がないような時には、早めに医療機関に相談してほしい」と話しています。
慈恵医科大学の浦島充佳教授(予防医学)は、「家族に風邪の症状があれば、乳幼児に近付けず、手洗いや換気を含めた感染対策を徹底してほしい」と話しています。
2021年6月14日(月)
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by Matthewbes (2021-06-14 21:00)