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■イスラエル、免疫力低い成人に3回目のワクチン接種 富裕国の3回目接種は良識ない「強欲」、WHOが非難 [健康ダイジェスト]

 イスラエル保健省は12日、アメリカのファイザー製の新型コロナウイルスワクチンについて、免疫力の低い成人を対象に3回目の接種を始めると表明しました。同社製ワクチンは2回接種が基本で、ブースターと呼ぶ3回目の追加接種に乗り出すのは世界初とイスラエルメディアが伝えました。
 当面の接種対象となるのは、心臓、肺、腎臓の移植を受けた人や一部のがん患者ら。保健省は書面で、「免疫抑制状態にある患者は、ワクチンを2回接種しても十分な抗体反応が得られないことを示す証拠が蓄積されている」と説明。新規感染者の増加を受けて、3回目の接種を決めたといいます。
 一般の成人向けに3回目の接種を実施するかはまだ検討中としました。ファイザーは、ブースター接種の許可をアメリカ食品医薬品局(FDA)に申請する方針を明らかにしています。
 イスラエルは世界屈指の速さでワクチン接種を進め、すでに人口の6割が2回の接種をすませました。6月には新規感染者が1ケタにとどまる日もあったものの、変異ウイルスのインド型(デルタ型)の感染急増で7月に入り500人を超える日が相次ぎました。
 保健省は5日、ファイザー製ワクチンが発症を予防する効果が94%から64%に下がったとの研究結果を公表。政府は一時、新型コロナ関連の行動規制をほぼ全面解除しましたが、6月下旬に屋内でのマスク着用を再び義務付けるなど警戒を強めています。
 一方、世界保健機関(WHO)は12日、医療従事者や高齢者への新型コロナウイルスワクチン接種が進んでいない国がある中で、富裕国が3回目接種を検討していることは良識のない「強欲」だと強く非難しました。
 WHOは語調を強めながら、パンデミック(世界的な大流行)の中で故意に世界の最弱者を置き去りにすることを選ぶならば、世界は恥じながら過去を振り返ることになると指摘しました。
 また、ワクチン製造会社に対しても、貧困国で一度も接種を受けていない医療従事者や高齢者用の1、2回目ワクチンよりも、3回目の追加接種用ワクチンの取引を優先していると非難。
 WHOのテドロス・アダノム事務局長は記者会見で、最も聞かれる質問はパンデミックの終息時期についてだと述べ、「今は手段があるのだから、すぐに終息可能だ」と話す一方、決断力のある国際的なリーダーシップが欠如しているために実現していないと指摘しました。
 テドロス事務局長は、ワクチン・ナショナリズムが「この苦闘を長引かせている」と述べ、これを説明できるのは「強欲」の一言だけだと語りました。
 また、自国以外で新型ウイルスが猛威を振るう中で3回目接種を実施することは非生産的であり、「何一つ道理にかなっていない。良識に欠ける」と強調しました。

 2021年7月13日(火)




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