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■iPS細胞から作製「腱細胞」、アキレス腱断裂のラットに移植で回復 京都大iPS細胞研究所 [健康ダイジェスト]

 人のiPS細胞(人工多能性幹細胞)から作製した「腱(けん)細胞」をアキレス腱が切断されたラットに移植したところ機能が回復したと、京都大iPS細胞研究所のチームが8月30日に発表しました。腱断裂に対する再生医療や腱細胞に関連する遺伝子疾患の研究へ応用が期待できます。成果はイギリスの科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」に、このほど掲載されました。
 骨と筋肉をつなぐ腱は筋肉が伸び縮みする力を骨に伝える役割を果たしますが、血流が少ないため損傷しても治癒が難しく、患者自身の腱を使った再建術では再び受傷する率が高く、腱細胞の移植は十分な量の確保が困難など、従来の手法には課題があります。
 同研究所の池谷真准教授と中島大輝・元研究員らはすでに人のiPS細胞から腱細胞を作製することに成功していましたが、今回はより移植に適した条件で高効率に腱細胞を作製。左後ろ脚のアキレス腱を断裂したラットに、約300万個の腱細胞を移植したところ、移植しなかった場合と比べ歩行機能と腱の強度が早期に回復しました。移植から4週間後もiPS細胞由来の腱細胞は移植部位に残り、成長因子を分泌して回復を促していたといいます。
 池谷准教授は、「将来的には患者の治療に応用できるだけでなく、病気の研究にもつながると考えており、アキレス腱以外の腱障害への応用を検討していきたい」と話しています。

 2021年9月2日(木)




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