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■コロナワクチン未接種の患者、心臓移植を拒まれる アメリカ・ボストンの病院 [健康ダイジェスト]

 アメリカのマサチューセッツ州ボストンの病院が、新型コロナウイルスワクチンを接種していない男性患者(31)に対し、心臓移植手術を行わない方針であることが明らかになりました。現地テレビ各局が26日、報じました。
 ブリガム・アンド・ウィメンズ病院の広報担当者は、同病院では臓器移植を受ける上で、コロナワクチン接種は「必須条件」だと認めました。
 同病院の移植希望者リストに登録しているこの男性患者は、コロナワクチン接種を拒否しています。
 父親のデービッド・ファーガソンさんはテレビ局に対し、「(ワクチンは)いわば息子の信条に反している。信用していないのだ」とし、「これは病院が適用している方針で、息子は接種を拒否しているため、心臓移植リストから除外された」と話しています。
 病院の声明によると、同病院は「コロナワクチンを含め、疾病対策センター(CDC)が推奨する複数のワクチンの接種を求めている」としています。
 ニューヨーク大学で医療倫理を専門とするアーサー・カプラン氏は、「どんな移植手術の後でも、必ず免疫を抑制する。新型ウイルス感染症で死亡する恐れがある」と述べ、「臓器は希少であり、ワクチン接種済みで術後生存率がより高い人々が他にいるなら、生存率の低い人には提供しないだろう」と指摘しました。
 同病院も、同様の理由でワクチン未接種者は移植リストから除外されると説明しています。
 ファーガソンさんは、同病院に入院中の息子の選択を尊重し、転院を計画しています。ただ、容体を考慮すれば「時間との闘いだ」と語りました。
 アメリカでは臓器移植を行っているそれぞれの病院に選考委員会があり、新たな臓器をどの患者に移植するか判断しています。臓器は希少なため、選考委員会は移植手術に最も耐えられそうな患者を選ぶことが多く、定期的に薬を飲んでいるか、アルコールをどのくらい摂取しているか、煙草を吸うか、これまでのワクチン接種記録はあるかといった基準に従って評価することもあります。
 アメリカでは、オハイオ州やコロラド州にある病院でも、新型コロナウイルス感染症のワクチンを拒否した患者への臓器移植は認められませんでした。アメリカ移植学会では、臓器移植を受けるレシピエント(臓器移植希望者)とその家族に対し、ワクチン接種を強く推奨しています。
 アメリカ保健資源事業局(HRSA)によると、アメリカでは10万6000人以上が臓器移植を待っており、1日平均17人が移植を待つ間に死亡しています。
 臓器移植を受けた患者は免疫系が抑制されているため、平均的なアメリカ人に比べて新型コロナウイルス感染症で死亡するリスクがずっと高くなります。腎臓移植を受けたレシピエントが感染した場合、その死亡率は13~39%であることが研究でわかりました。
 また、2020年の複数の研究の分析によると、臓器移植を受けたレシピエントが感染した場合の死亡率は平均20%でした。アメリカ全体の死亡率は約1・2%でした。
 アメリカでは、ワクチン接種を巡る政治的な分断などが要因となり、接種完了者は人口の62%にとどまっています。

 2022年1月28日(金) 




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