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■原因不明の赤ちゃんの病気、ゲノム解析で半数解明 慶応大など [健康ダイジェスト]

 重い病気なのに原因が特定できなかった赤ちゃん85人を対象に遺伝情報を詳しく解析したところ、半数近くで病気の原因を特定できたとの研究結果を、慶応大学などの医療チームがまとめました。
 この研究は、慶応大学医学部の武内俊樹専任講師(小児科)を中心とする全国の新生児科の医師や遺伝学の研究者らの医療チームが行いました。
 チームによりますと、2019年4月から2021年3月までに原因不明の病気で新生児集中治療室に入院するなどしている赤ちゃん85人を対象に、すべての遺伝情報を調べるゲノム解析を行ったところ、41人で生まれ付きの遺伝子の異常が原因であることを突き止めたということです。
 人の遺伝情報はA、T、G、Cの文字で示される30億塩基対のDNAで構成されており、わずか1文字ないし2文字が通常と書き換わったことで病気につながったケースが大半だったといいます。また、遺伝子の異常は、親から受け継ぐケースだけでなく、突然変異によって赤ちゃんの段階で生じたケースも少なくなかったといいます。
 多くが従来の検査では診断が難しい数万人から数十万人に1人という極めてまれな病気で、このうち20人は治療ができるようになったり、体の負担となる検査を行わずにすんだりしたということです。
 原因が特定できた1人で、生まれた時から呼吸が止まるなどの命にかかわる症状があった女の赤ちゃんは、ゲノム解析によって遺伝子の異常のため栄養がうまく作れない病気「ピルビン酸脱水素酵素複合体欠損症」と診断されました。
 原因が特定されるまでは治療法も不明でしたが、現在は特殊なミルクを使うことで症状が改善したということです。
 この赤ちゃんの母親は、「病名がわからない時は先が見えない心境だった。今は子供の症状も落ち着いて、きつそうな様子がなく、よかったと感じている」と話していました。
 武内専任講師は、「ゲノム解析という最新の技術を全国の赤ちゃんに届けられるよう、医療機関のネットワークを作っていきたい」と話しています。
 研究結果は、小児科学の専門誌で公表されます。

 2022年2月4日(金)




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