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■他人由来のiPS細胞から作った血小板の1人目への移植成功 京都市のベンチャー・メガカリオン [健康ダイジェスト]

 他人由来のiPS細胞(人工多能性幹細胞)から血小板を作り、血液の病気の患者に血液製剤として輸血し移植する治験について、再生医療ベンチャー「メガカリオン」(京都市)は2日、1人目の移植を実施したと発表しました。拒絶反応など、有害な現象は起きなかったとしています。
 対象となったのは、血液の成分で止血作用を担う血小板が減少し、出血が止まりにくくなるなどした血小板減少症の患者。メガカリオンは京都大のiPS細胞研究財団が作って備蓄しているiPS細胞から血小板を作り、今年4月に京都大医学部付属病院で輸血し1カ月間、経過を観察しました。
 同社と連携している京都大の江藤浩之教授らの研究チームは2019年、血小板輸血不応症を起こした再生不良性貧血の患者自身の血液からiPS細胞を作り、大量の血小板に変化させ輸血で患者に戻す「自家移植」の臨床研究を実施しています。
 自家移植は、患者自身に由来する血小板であるため拒絶反応がなく、血小板には核がないため、がん化の懸念もありません。しかしオーダーメイドのような方法のため、iPS細胞の作製や血小板への変化に時間がかかり、手間も費用もかさみます。
 今回の治験では、他人由来のレディメイドである備蓄iPS細胞を使って血小板を作り輸血する「他家移植」を行いました。
 血小板は常温で4日程度しか保存できず、冷凍すると機能を失うことから、大量に作り置きすることが不可能でしたが、京都大などがiPS細胞が血小板に変化する直前の巨核球という段階で冷凍保存し、必要に応じて解凍して使う血小板の大量生産技術を開発。メガカリオンは、この技術を用いて備蓄iPS細胞から作った巨核球を冷凍保存しておき、患者が決まってから血小板に変化させることで、時間や手間、費用を軽減する道を開きました。
 治験の計画は、昨年4月に医薬品医療機器総合機構(PMDA)から承認を受けました。2022年内に4人、2023年に6人の計10人に移植手術を行い、安全性と有効性を確認する予定となっています。

 2022年6月2日(木)




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