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■今世紀中に前代未聞の大干ばつが常態化 環境研究所など世界初予測  [健康ダイジェスト]

 地球温暖化の進行で顕著になっている干ばつが今世紀中にさらに深刻さを増し、「前代未聞」といわれるような異常な干ばつ状態が世界各国で常態化するとの予測を、国立環境研究所や東京大学など日欧米韓の国際研究チームが6月28日、発表しました。こうした予測は世界初。日本は予測された地域に含まれていないものの、輸入に頼っている食糧の確保が困難になることが懸念され、影響は避けられないといいます。
 5年以上にわたって過去最大を超える干ばつが続くと予測された地域は、主に南アメリカや北アメリカ、地中海沿岸のヨーロッパや中東、アフリカ、オーストラリアなど。乾燥で水不足が深刻化し、飲料水確保だけでなく、農業や工業への悪影響のほか、病気の流行なども懸念されます。
 1865~2005年に全世界の河川で生じた干ばつのデータを基に、今後の気温上昇や大気循環の予測システムも利用し、1年のうち河川が干上がるなど水量が極端に減る日数が、過去最大を超える年が5年以上続く事態がいつどこで起きるかをシミュレーション(模擬実験)で試算しました。
 この極端な干ばつは、南アメリカ西岸のチリなどではすでに始まっています。他の地域は、地球の平均気温が今世紀末までに、産業革命以前に比べ約2度上昇する比較的緩やかな温暖化の場合、2090年ごろまでに広がります。約4度上昇する急激な温暖化の場合、2060年ごろ顕著になり、約2度上昇する場合より範囲や期間が拡大します。
 研究チームによると、異常な干ばつが発生する地域には、日本に食糧を輸出している国が多いため、干ばつで農業生産に悪影響が出れば、日本への食糧供給が難しくなることが懸念されます。また、温暖化が進行すると乾燥地帯と湿潤地帯が顕著に二極化しやすく、他の地域では逆に、豪雨や洪水などの災害が増加する可能性もあるといいます。
 国際研究チームの芳村圭・東京大教授は、「地球温暖化の抑制を強める努力が必要なことは当然だが、過去最大を超える干ばつが常態化するという、これまで考えられなかった状況になる地域では、異常な環境への適応策を迅速に検討しておくことが大切だ」と話しています。
 研究成果は6月28日付のイギリスの科学誌「ネイチャーコミュニケーションズ」に発表されました。

 2022年7月1日(金)

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