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■ALS患者に「遺伝子薬」投与 自治医科大が「国内初」治験 [健康ダイジェスト]

 全身の筋肉が徐々に動かなくなる難病「筋委縮性側索硬化症(ALS)」の症状の進行を抑えようと、患者に遺伝子を投与する治験が自治医科大学附属病院で始まりました。遺伝子治療でALS患者への投与が行われるのは国内で初めてで、治療法としての確立を目指したいとしています。
 ALSは筋肉を動かす運動神経が壊れて全身が徐々に動かなくなる難病で、国内に患者は約1万人おり、遺伝性と遺伝性ではない「孤発性」に大別されます。9割超を占める孤発性は脊髄や脳の運動神経にある「ADAR2」という酵素が減り、これが発症原因の一つとされます。
 自治医科大学は、酵素を作る働きがある遺伝子を入れた「遺伝子薬」を使いました。遺伝子の「運び役」にアデノ随伴ウイルスという無害なウイルスを活用し、カテーテルで脊髄周辺に投与。神経細胞内で遺伝子を働かせ、減った酵素を補うことで症状進行を抑えます。
 研究チームは3月、発症2年以内の50歳代の男性患者に遺伝子薬を投与しました。計画では、この男性を含め孤発性のALS患者計6人の治験を行い、約半年かけて安全性や効果を調べます。
 既存薬は、症状の進行を数カ月遅らせる効果しかありません。一方、遺伝子薬は効果がより持続し、症状の進行を止める可能性もあり、同大の森田光哉教授(脳神経内科)は「ALSにはなかなか有効な治療法がないので、少しでも神経の細胞死を抑制できればよりよい治療法につながるのではないか」と話しています。
 患者団体も期待しており、妻が患者でもある岸川忠彦・日本ALS協会事務局長は「症状が日々進む患者はわらにもすがる思いで成果を待っている」と訴えています。

 2023年4月28日(金)

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