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■病気 慢性腎炎 [病気(ま)]

[牡羊座]血液を、ろ過する糸球体に起こる炎症
 腎炎(じんえん)とは、尿を作るために血液を、ろ過する糸球体(しきゅうたい)に、出血性の炎症が起きる疾患です。正確には、糸球体腎炎といいます。
 免疫の異常が関係して起こると考えられており、左右の腎臓とも平等に侵されます。病気が進行すると、毛細血管の塊である糸球体だけではなく、尿細管まで障害が広がります。腎臓病のうちで最も多い病気で、一般に1年以内のものを急性(糸球体)腎炎といい、それ以上長く続くものを慢性(糸球体)腎炎といいます。
[牡牛座]慢性腎炎の症状と早期発見法
 慢性(糸球体)腎炎は、腎臓病の中で最も多い疾患。糸球体を中心にした慢性の炎症がみられるもので、さまざまな原因で起こる腎炎が含まれているために、近年では、疾患群(症候群)として考えられるようになっています。
 いずれにしても、蛋白尿や血尿とそれに伴う症状が1年以上に渡って、持続する状態を、慢性腎炎と呼びます。ただし、糸球体腎炎以外で、異常尿所見や高血圧を呈する病気は除きます。
 この慢性腎炎では、何ら前兆や誘因もなく発症してくることが多く、また進行して腎不全となるまでは、自覚症状のないことが多いのです。そのため、定期健診の時などに検尿で見付かることがほとんどです。
 まぶたが腫(は)れぽったくなるほか、疲れやすい、食欲不振、動悸(どうき)、手足のしびれ、目がチカチカする、吐き気、嘔吐(おうと)といった症状が出る場合もあります。
 この慢性腎炎は、腎臓の組織の一部を採取し、顕微鏡で調べる腎生検によって、4種類に分けることができます。蛋白尿と血尿が出るという症状は共通しているので、あくまで腎生検を行わないと区別できません。
 腎炎の約4割を占め、日本人の腎臓病で最も多いのがIgA腎症です。このほか、巣状糸球体腎炎、膜性腎症、膜性増殖性糸球体腎炎があります。
 IgA腎症では、発病初期から肉眼的血尿に気付くことが多いのが特徴的です。発症は10代後半から30代前半に多く、やや男性優位です。顕微鏡で見ると、IgA(免疫グロブリンA)という抗体が、抗原と結合して免疫複合体となり、糸球体のメサンギウムという部位に沈着しています。
 巣状糸球体腎炎では、糸球体の基底膜という部位に、微小な変化が生じています。膜性腎症では、糸球体の基底膜が肥厚しています。膜性増殖性糸球体腎炎では、糸球体の基底膜の肥厚に加えて、細胞の数が増える変化が生じています。
[双子座]慢性腎炎の治療と療養上の注意
 慢性(糸球体)腎炎で最大の問題となるのは、病態が進行するにつれて、次第に腎機能が低下して腎不全となり、人工透析が必要となる例があることです。そのため、病態の進行を阻止することが、治療の最大の目標になります。
 現在のところ、進行を確実に止めるという方法は確立していませんが、病態に合わせて、次のような薬物が用いられています。
 ネフローゼ症候群の場合と同様、尿蛋白量の多い場合、抗炎症作用がある副腎皮質ホルモン剤(ステロイド剤)が用いられることがあります。腎炎の始まりが免疫反応によると考えられているので、免疫抑制剤が用いられることもあります。
 2つの薬を併用して治療に当たることもありますが、この2剤は副作用も強いので、医師の指導のもと、血液検査など定期的なチェックを受けながらの服用となります。「症状が軽くなった」と勝手に判断して、服用を止めることは危険です。
 糸球体内で血液が凝固することが腎炎の進行を速めると考えられているため、血液凝固の主役である血小板の働きを弱める薬も、よく用いられています。
 高血圧も腎炎の進行を速めることが知られていて、高血圧を合併している場合には、降圧剤による治療が行われます。最近、降圧薬の中には、蛋白尿を減少させ、さらに腎機能の低下を抑制するものの存在が確認され、そのために高血圧がなくても治療に用いられるようになってきました。また、むくみのあるような場合には、利尿剤も用いられます。
 食事療法も、腎機能の程度、症状の有無に応じて行われます。基本的には、食塩と蛋白質の摂取量に注意することです。蛋白質は1日、体重1kg当たり1g以下に抑えられます。塩分は軽症の場合、多少控える程度で大丈夫ですが、病気が進行している状態では、1日に5~8g程度にされます。ほかに、水分量とエネルギー摂取量が過不足にならないようにされます。
 慢性腎炎は経過が長引く疾患で、一部のものは進行性に悪化しますので、生活上の注意は重要です。まずは、風邪や下痢などを起こすと、数日後に肉眼でわかる血尿や蛋白尿が出たり、体がむくんだりすることがあるので、こうした病気にかからないように注意しましょう。
 体力と集中力を必要とする仕事や勉強などは、避けましょう。根を詰めてこなさなくてはならぬことは、腎臓に負担をかけます。なるべくリラックスして過ごせるようにして、夕方から夜にかけても、安静に過ごすことが大切です。
 病状にもよりますが、一般に体操や散歩など軽い運動は大丈夫です。ただし、激しいスポーツや、体を冷やす恐れのある運動は避けましょう。

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■病気 慢性腎不全 [病気(ま)]

[蟹座]緩やかに進行して腎不全となる疾患
 慢性腎(じん)不全とは、何カ月、あるいは何年かの経過を経て、次第に腎不全となる疾患。
 腎不全は、腎臓の機能が極端に低下して、正常な体の調節機能が働かなくなった状態をいいます。この腎不全がさらに進行して、消化器系や心臓血管系、あるいは神経系にいろいろな症状が出てくる状態を尿毒症といいます。
 慢性腎不全の原因として最も多いのは、慢性腎炎からくるものです。そのほか、慢性腎盂(じんう)腎炎、腎硬化症、嚢胞(のうほう)腎、腎結核、糖尿病など代謝障害による腎臓障害、全身性エリテマトーデスなど膠原(こうげん)病によるものもあります。これらの疾患では、長い期間をかけて悪化が進み、末期になると、腎不全を起こしてきます。
 症状として、初めは薄い尿がたくさん出る傾向があります。悪化して末期になると、1日400ミリ以下となり、尿毒症の症状が現れます。尿毒症になると、心不全のような心臓血管系の合併症で死亡する場合もあります。
[牡牛座]慢性腎不全の検査と診断と治療
 慢性腎不全でも、血液中の尿素窒素の値が比較的低く、特に高血圧がなければ、対症療法だけで自覚症状なしに生活できます。
 しかし、尿素窒素の量が増え、食事療法や薬物療法でも尿毒症の症状が解消されない時には、早めに透析療法を行うほうが安全です。透析を嫌がってタイミングを逃がすと、まれに死亡することもあります。
 食事療法では、蛋白(たんぱく)質を厳重に制限し、糖質と脂肪で十分なエネルギーを摂取します。蛋白質を制限するのは、蛋白質の代謝産物である尿素窒素やクレアチニンなどが体内に蓄積されないようにするためです。具体的には、体重1キログラム当たり1日0・5グラムの蛋白質の量とします。1日の総エネルギーは、2000キロカロリーを目安とします。
 食塩は1日8グラムぐらいとし、高血圧やむくみの程度が強ければ、3グラム以下とします。また、カリウムを多く含んだ果物、野菜、生ジュースなどは、控えるようにします。
 人工透析療法で主流を占めるのが血液透析で、人工腎臓といわれる透析装置を用いて、血液を浄化する方法です。まず発症者の動脈から血液を体の外に導き出し、透析装置の中に送って、ここできれいにされた血液を静脈に戻します。
 透析装置の原理は、小さな穴の開いている薄いセロハン膜を境として、一方から血液、他方から透析液が流されて、血液からは尿素窒素やクレアチニンなどの代謝物質やそのほかの有害物質が透析液に入り、逆に透析液からはブドウ糖や栄養物が血液に入って、発症者の血液が浄化されます。
 血液透析を行うには、安定した体外循環を確保する必要があります。動脈と静脈を吻合(ふんごう)して、内シャントと呼ばれる処置を行う必要があります。普通は左手前腕にこれを作り、この部位に2本の穿刺(せんし)針を刺して透析を行います。人工血管を体外に留置する外シャントと呼ばれる処置を行う方法もあります。
 血液透析は一般的に、1回3~5時間、週2~3回の透析時間を必要とします。透析を始めて間もなくは、吐き気、嘔吐(おうと)、頭痛、血圧変動などの不均衡症候群で悩まされることもあります。食事や水分の摂取の制限など、厳しい自己管理も要求されます。
 通常は中心的なセンター病院と、入院設備を持たない地域透析施設のサテライトとで協力し合って、治療を行っています。安定した状態の時は、日常生活に便利なサテライトで治療が行えるシステムになっています。
 近年は、連続携行式腹膜透析法(CAPD)も行われています。あらかじめ腹腔(ふくくう)内に腹膜透析用の管を入れて固定し、プラスチックバッグに入った透析液を、この管で腹腔内に注入して血液を浄化します。体外の装置ではなく、自身の腹膜を透析膜として利用する手法のため自宅でできますが、一般的には、1日3〜4回、透析液の注入、交換が必要です。
 頻繁な通院から解放されるという利点がありますが、腹腔に異物を留置することから腹膜炎の原因になることがあります。このため、若年者が長期に渡って腹膜透析を用いることは、奨励されていません。また、腎不全のために人工透析を長期に渡って受けている人は、腎臓がんになるリスクが上がることが知られています。腎臓がんの定期検査を受けることが、推奨されています。
 腎臓移植は、肉親などから2つある腎臓の1つをもらったり、死亡した人の腎臓をもらって、これを発症者に移植し、血管や尿管をつないで腎臓の代用にするものです。移植には、死後間もない腎臓ほど移植成績がよいことから、脳死を巡る論争や、脳死と臓器提供を巡る訴訟問題などが起こり、近年は移植例が減少してきています。
 しかし、長期間に渡る透析を必要とする若い人の腎不全では、人工透析よりも腎臓移植が勧められます。

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■病気 慢性膵炎 [病気(ま)]

[牡羊座]膵臓が硬くなり膵液の分泌が障害される疾患
 慢性膵炎(すいえん)とは、長期間に渡る炎症によって、膵臓の細胞が徐々に破壊されていく疾患。炎症が進行すると、繊維化や石灰化が起こって膵臓が硬くなり、膵液の分泌が障害されます。
 膵臓は胃の後ろに位置する消化腺(せん)であり、直径15センチ、重さ100グラムほどとサイズこそ小さいですが、外分泌と内分泌という二つのホルモン分泌を行う機能があります。
 外分泌機能は、消化液である膵液を分泌して十二指腸へ送り込み、食物の消化、吸収を助けるもの。膵液には、炭水化物を分解するアミラーゼ、蛋白(たんぱく)質を分解するトリプシン、脂肪を分解するリパーゼといった消化酵素が含まれています。
 一方、インシュリン(インスリン)やグルカゴンなどのホルモンを分泌して、血糖値を調節するのが内分泌機能です。インシュリンは血糖値を下げ、グルカゴンは血糖値を高くします。
 慢性膵炎では、膵臓の炎症が長期間繰り返されることによって、膵臓の細胞が次第に破壊されるに従って、外分泌機能と内分泌機能が少しずつ低下し、消化不良を起こしたり糖尿病を招くなど、全身状態に大きな影響を及ぼすようになります。
 50~60歳代に起こりやすく、男女比は2対1と男性に多い点が、慢性膵炎の特徴です。1999年に医療機関を受診した慢性膵炎患者の数は42000人で、人口10万人当たり33.2人と推定され、2002年に医療機関を受診した慢性膵炎患者の数は45200人で、人口10万人当たり35.5人と推定されています。
 原因のほとんどは、アルコールの過剰摂取と、胆石や胆のう炎といった胆道の疾患で起こっています。
 とりわけ、大量飲酒の習慣がある人に発症するケースが大半で、原因の50パーセント以上を占めています。近年では、アルコールの消費量の増加に伴って、発症者のうち大量飲酒者が占める割合は、ますます高くなってきています。中年以降の男性で、10年以上に渡って大量飲酒を続けている人は、要注意。
 ただし、アルコールの過剰摂取だけで慢性膵炎が引き起こされるというわけではなく、食生活などのほかの要因も絡み合って発症すると考えられています。また、原因不明の突発性のケースも約30パーセントを占め、近年、注目されている自己免疫異常による膵炎も中に含まれます。
 いったん発症すると、長期に渡って少しずつ進行し続けるため、疾患の早期と後期では症状がかなり異なります。
 早期に最も多くみられる症状は腹痛です。急性膵炎の腹痛は激痛となるのに対して、慢性膵炎では鈍痛が特徴です。大抵の場合、背部痛を伴います。これらの痛みは頑固で持続性ですが、間欠的に生じるものもあり、程度も軽度なものから重度のものまで人によりさまざまです。
 痛みは、油分の多い食事の後や、飲酒後に比較的起こりやすい傾向がみられます。しかし、特に誘因がなく突然起こることもあり、まれには全く痛みのない慢性膵炎も存在します。
 このほか、吐き気や嘔吐(おうと)、上腹部の重苦しさ、腹部の膨満感、食欲不振、全身倦怠(けんたい)感などや、黄疸(おうだん)が現れることもあります。
 こうした症状は、外分泌機能の障害の程度が軽い時期に起こりやすいもので、病気が進行するにつれて腹痛はあまりみられなくなり、外分泌機能の低下に起因する消化吸収障害によって、便中に脂肪がそのまま出る脂肪性下痢や、体重減少が生じてきます。
 また、膵臓のランゲルハンス島と呼ばれ、内分泌機能にかかわる細胞群にも病変が及ぶと、血糖値を調整するインシュリンやグルカゴンなどのホルモンが十分に分泌されなくなって、口渇、多飲、多尿といった膵性糖尿病の症状を招くようになります。
 血糖値がうまくコントロールされなくなるため、意識の混濁や昏睡(こんすい)がみられることもあります。まれに、症状が急激に悪化して、重症の急性膵炎と同じようにショック状態に陥ったり、腎(じん)不全や心不全などを起すケースもみられます。
[牡牛座]慢性膵炎の検査と診断と治療
 慢性膵炎の診断のためには、血液中や尿中に流出したアミラーゼを始めとする消化酵素の量の測定、膵外分泌機能検査(セクレチン試験)、膵内分泌機能検査、画像検査などが行われます。
 一般に、膵臓に炎症が起こると、血中アミラーゼの値は上昇します。しかし、慢性膵炎では、急性膵炎に比べると上昇の度合いが顕著ではなく、腹痛を起していても異常値を示さない場合があります。そのため、血中アミラーゼの検査値だけで、慢性膵炎と確定することはできません。
 尿検査では、膵液に含まれている消化酵素を分解するPFDという試薬を飲んで、分解産物のPABA(パラアミノ安息香酸)が尿中に排出された量を測定します。これはPFD(BT-PABA)試験と呼ばれる検査で、膵臓の外分泌機能の状態がおおよそわかります。
 確定診断のためには、腹部超音波検査、CT検査、ERCP(内視鏡的逆行性胆道膵管撮影)検査といった画像診断が不可欠です。
 超音波検査やCT検査では、膵臓の形や、膵臓にできる結石である膵石の有無なども調べることができます。
 ERCP検査は、膵管に造影剤を注入し、内視鏡で膵管の状態を調べるものです。口から挿入した内視鏡を、胃から十二指腸の入り口部分まで送り込み、そこから膵臓内へ進めます。膵管の狭窄(きょうさく)や拡張といった形状の変化、分岐した膵管の異常などを、はっきりと捕らえることができます。
 最近は、MRCP(磁気共鳴胆道膵管造影)検査も行われるようになってきました。MRI(磁気共鳴映像法)検査による画像を利用するもので、造影剤や内視鏡を使わずに胆のうや膵管の状態を観察できるので、患者の肉体的負担が少なくてすみます。
 このような画像検査によって、膵臓の状態に変化や異常がみられる場合、慢性膵炎と診断されます。
 なお、慢性膵炎の中には、腫瘤(しゅりゅう)形成型慢性膵炎という特殊なタイプがあり、この病気が疑われる時は、膵がんとの鑑別が重要になります。体外から穿刺針を刺して膵臓の組織を少量採取し、顕微鏡で調べる膵生検などによって鑑別が行われます。
 慢性膵炎は病変の広がり具合によって症状が異なるので、それぞれの病状に応じた治療が行われます。また、いったん破壊された膵臓組織の回復は望めないため、炎症を抑えたり、病気の進行を防いで、残された機能を温存することが、治療の主眼となります。
 腹痛が持続する場合は、鎮痛剤や鎮痙(けい)剤などを使用します。また、消化酵素剤や膵酵素阻害剤の経口投与も、軽症の場合には有効です。腹痛が激しい時は、急性膵炎と同様、絶飲と絶食、点滴による栄養補給、膵酵素阻害剤の投与などが行われます。
 腹痛が現れている時はもちろん、痛みが治まって病状が落ち着いている時期も、禁酒を守り、食事からの脂肪の摂取量を控えめにする必要があります。
 同時に、症状の再発を防ぐために薬物療法も行われます。薬物療法では、フェニペントール製剤や抗コリン剤などが用いられます。
 フェニペントール製剤は、外分泌の機能障害によって低下した消化、吸収の働きを補う効果がみられます。抗コリン剤は、胃酸や膵液の分泌を抑制することによって膵臓の安静を保つとともに、膵管内圧を低下させて、膵液の流れを改善する作用があります。このほか、胃酸分泌抑制剤、H2受容体拮抗(きっこう)剤などが用いられるケースもみられます。
 薬物療法の効果を上げるためには、慢性膵炎を引き起こした原因を取り除くことが大切です。特に、アルコールの摂取は病気の経過を大きく左右するので、必ず禁酒を守らなければなりません。
 病気が進行して合併症が生じた場合は、それらに対する治療も必要になります。最も多くみられる合併症は、糖尿病です。慢性膵炎では、外分泌機能の低下による消化吸収障害から体重減少や栄養不良を招くケースが多いため、通常の糖尿病の治療のように食事制限を行うことが困難です。そこで、通常の糖尿病で使用される経口糖尿病薬ではなく、一般にインシュリン注射による治療が主体となります。
 慢性膵炎に起因する膵性糖尿病では、低血糖による昏睡などからの生命の危険を招く場合があるので、医師の指導の下、血糖値をきちんとコントロールすることが必要です。
 慢性膵炎では、内科的治療が基本となりますが、腹痛などが薬物療法で軽減しない場合や、胆道、及び十二指腸の狭窄や閉塞(へいそく)、膵臓の内部や外部に袋ができる膵のう胞を伴うケース、膵がんとの鑑別が困難なケースなどでは、手術が適応されることがあります。
 例えば、膵液の流れが滞り、膵管が拡張して痛みが軽減しないといった場合は、膵管を途中から十二指腸へつなぐ吻合(ふんごう)術が行われます。膵石があるケースでは、体外から衝撃波を当てて石を細かく砕く体外衝撃波結石破砕法(ESWL)や、内視鏡治療などによって治療します。
 慢性膵炎は、発症原因によって経過が大きく異なってきます。アルコールによるケース以外の慢性膵炎の場合は、原因を取り除いたり、食生活を改善すれば仕事を続けることもできます。
 アルコールが原因の場合は、飲酒が習慣になっている人が多いため、治療によって症状が治まっても、再び飲酒をして再発を繰り返すケースが少なくありません。
 慢性膵炎は、直接死に至る病気ではありませんが、仕事や家庭での生活の質(QOL)を著しく低下させることもあるので、決して侮ることはできません。発症したら、日常生活の自己管理を徹底し、定期的に検査を受けて合併症の早期発見、早期治療に努めることが大切です。
 膵臓の安静を図り、症状を改善するためには、食事療法も重要な治療の一つです。病状に応じて、適切な食品と摂取量を選択し、栄養状態を良好に保つことが必要で、禁酒が原則です。
 蛋白質の多い食品は膵液の分泌を高めるため、症状が著しい時は摂取量を厳重に制限します。回復するに従って、白身魚や豆腐といった良質の蛋白質食品から摂取を開始し、膵臓の機能回復を図ります。糖質の摂取量も、少しずつ増やします。
 軟らかく煮込んだ野菜料理や、ビタミンCの豊富な果物は、積極的に取るようにします。
 高脂血症は膵炎の誘因となることがあるので、動物性脂肪は控えめに取り、1日の摂取エネルギーに注意して標準体重を維持するようにします。また、糖尿病などの合併症がある場合は、病状に応じて摂取エネルギーを調整することが大切です。

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■病気 慢性中耳炎 [病気(ま)]

[耳]中耳に起こる炎症で、耳垂れが主症状
 慢性中耳炎とは、耳の鼓膜と内耳との間にある中耳に起こる炎症。耳垂れ、すなわち耳漏が主症状で、同じ中耳の炎症でも、耳痛、発熱、耳鳴りを伴う急性中耳炎とは、かなり様子が違っています。
 慢性中耳炎の多くは、小児期からの持ち越しです。この慢性中耳炎には、2つの型があります。1つは、連鎖球菌、ブドウ球菌、インフルエンザ菌といった化膿(かのう)菌の感染による慢性化膿性中耳炎。もう1つは、鼓膜に穴が開く穿孔(せんこう)から、回りの上皮が中耳に入り込んで、上皮の剝脱(はくだつ)角化物がたまり、腫瘍(しゅよう)のようにみえる真珠腫性中耳炎。
 症状としては、鼓膜に穿孔があり、持続的に耳垂れが出ます。真珠腫性では、耳垂れに悪臭があります。耳垂れの刺激で外耳道炎を起こしやすく、多くは難聴を伴います。
 経過中にめまいを起こせば、内耳炎の併発が疑われ、発熱や激しい頭痛があれば、脳合併症の疑いもあります。急いで、専門医に診てもらいます。
[耳]慢性中耳炎の検査と診断と治療
 慢性中耳炎の診断は、比較的簡単で、鼓膜の穿孔、耳垂れの有無が目標になります。耳垂れの細菌検査、CTを含む耳のX線検査、聴力検査を行います。
 治療では、抗生物質で炎症を抑え、耳垂れを止めます。しかし、鼓膜の穿孔や破壊された中耳はそのまま残ることが多く、また、真珠腫性中耳炎では普通の治療では治りにくいので、手術が必要です。
 鼓膜の穿孔をふさぎ、疾患で破壊された、音を鼓膜から内耳に伝える働きをする耳小骨をつなぎ直せば、聴力は改善できます。これを鼓室形成術といい、細かい手術のため手術用の顕微鏡を使って行います。

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