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■用語 ナイアシン欠乏症 [用語(な)]

[iモード]不規則な食事をするアルコール多飲者に発症
 ナイアシン欠乏症とは、ビタミンBの一つであるナイアシンが欠乏することにより、皮膚炎、下痢、精神錯乱などを起こす疾患。ニコチン酸欠乏症とも呼ばれ、とうもろこしを主食とする中南米などの地域ではペラグラとも呼ばれています。
 ナイアシンは、ニコチン酸とも呼ばれる水溶性のビタミンで、蛋白(たんぱく)質に含まれる必須アミノ酸のトリプトファンから体内で合成されます。糖質、脂質、蛋白質の代謝に不可欠な栄養素であり、また、アルコールや、二日酔いのもとになるアセトアルデヒドを分解します。
 人為的にナイアシンを摂取することで、血行をよくし、冷え性や頭痛を改善しますし、大量に摂取すれば血清のコレステロールや中性脂肪を下げる薬理効果もあります。
 ナイアシン欠乏症はとうもろこしを主食とする人に多い疾患ですが、日本では、不規則な食事をするアルコール多飲者にみられます。酒を飲むほどナイアシンが消費されますので、つまみを食べずに大量に飲む人は、栄養不良に注意が必要です。特にビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6が不足すると、ナイアシンの合成能力が低下します。
 遺伝病であるハートナップ病の人も、トリプトファンが腸から吸収されないために、ナイアシン欠乏症を発症します。
 症状としては、日光に当たることによって手や足、首、顔などに皮膚炎が起こります。同時に、舌炎、口内炎、腸炎などを起こし、そのために食欲不振や下痢なども起こします。その後、頭痛、めまい、疲労、不眠、無感情を経て、脳の機能不全による錯乱、見当識の喪失、幻覚、記憶喪失などが起こり、最悪の場合は死に至ります。
 日本では普通の食事をしている限り、重症にはなりません。食欲減退、口角炎、不安感などの軽いナイアシン欠乏症が見られる程度です。
[iモード]ナイアシン欠乏症の検査と診断と治療
 内科の医師によるナイアシン欠乏症の治療は、ナイアシン(ニコチン酸)を含むビタミンB群の投与です。ナイアシンを1日50〜100mg投与し、他のビタミンBの欠乏を合併することも多いので、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6も併用して投与します。
 ビタミンB群は、お互いに協力し合って活動しているため、それぞれの成分だけではなく、ビタミンB群としてまとめて投与することが望ましい栄養素でもあります。
 ナイアシンの過剰症は特にありませんが、合成品のナイアシンを100mg以上摂取すると、皮膚がヒリヒリしたり、かゆくなることがあります。とりわけ、ナイアシンの摂取に際して注意が必要なのは、糖尿病の人です。ナイアシンはインシュリンの合成に関与し、大量に摂取すると糖質の処理を妨げてしまいます。
  一部の医薬品との相互作用を示唆するデータもあるため、すでに他の薬を服用中の場合は主治医に相談の上、ナイアシンを摂取する必要があります。




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■用語 夏風邪 [用語(な)]

[クリスマス]夏もウイルス感染症がはやりやすい季節
 夏風邪とは、夏にかかる感冒性疾患の総称。特定の病名ではありません。
 普通、ウイルス感染症や寝冷えに対する反応なども含まれます。ウイルス感染症は夏もはやりやすい季節で、200種類以上ある風邪の原因になるウイルスのうち、夏の暑さと湿気を好むウイルスが流行します。
 夏風邪の代表的なものは、ヘルパンギーナ、手足口(てあしくち)病、プール熱。このうちヘルパンギーナとプール熱は高い熱が出ますが、手足口病は高熱になることがほとんどなく、代わりに手足に発疹(はっしん)ができます。このほかにも、名前は付いていませんが、熱が出るだけの夏風邪も多くみられます。冬の風邪と違い、せき、鼻水がなく、寒気もあまりありません。
 いずれの夏風邪も、脳や脊髄(せきずい)などの中枢神経の中に入り込みやすい性質があり、髄膜炎を引き起こすことがありますので注意が必要です。
[クリスマス]ヘルパンギーナは乳幼児を中心に流行
 ヘルパンギーナとは、俗にいう夏風邪の一種。6〜7月をピークに、主に4~10月ころに多く、6カ月から4歳ぐらいの乳幼児を中心に流行します。
 原因となるウイルスとして、コクサッキーウイルスA群、コクサッキーウイルスB群、エコーウイルスなど多数が知られていますので、何回でもかかってしまう感染症です。
 経口、経気道感染でウイルスが侵入し、2〜4日間の潜伏期間を経て、突然、38~40度の高熱とともに発症します。この時に熱性けいれんを起こすこともあります。口腔(こうくう)の上壁に当たる軟口蓋(なんこうがい)、俗にいうのどちんこに当たる口蓋垂(すい)の周囲の粘膜に、周囲が赤くなった小水疱(すいほう)や直径1〜5ミリぐらいの小さい潰瘍(かいよう)ができ、咽頭(いんとう)は赤くなります。
 食欲不振や咽頭痛のために嚥下(えんげ)困難があったり、まれに大きい子供では腹痛や頭痛を覚えることもあります。発熱期間は1〜4日で、全経過は約1週間以内にとどまります。
 陰部に潰瘍ができたり、おたふく風邪のような耳下腺(じかせん)炎や、無菌性髄膜炎を起こすことがあります。高熱が続いたり、機嫌が極めて悪くなったり、何かいつもとかなり違うような時には、無菌性髄膜炎を合併していることもあるので注意が必要です。鼻炎や中耳炎などの合併症を起こすことは、まれです。
 症状に気付いたら、すぐに小児科の専門医を受診します。
 小児科の医師による診断では、役に立つ特別の検査はなく、夏の流行期に口内所見が認められれば確定できます。
 小児科の医師による治療では、原因となるウイルスに対する特効薬がないため、症状を抑える対症療法が中心になります。解熱剤や鎮静剤、抗けいれん剤などを投与します。
 家庭では、安静、保温、消化のよい食べ物、特に飲み込みやすい食事を与えることが大切です。乳児では、脱水が起こらないように、十分な水分を補給するようにします。適しているのは、麦茶、イオン飲料、ヨーグルト、アイスクリームなど。熱があっても特に具合が悪そうでなければ、入浴して汗を流すことはかまいません。
 この疾患の特別な予防法はありません。
[クリスマス]手足口は乳幼児の間で5月から9月に流行
 手足口病は、腸管系ウイルスによって起こる感染症で、手のひらや足の裏に小さな水疱、口の中の粘膜に小さな発疹がたくさんできます。軽い病気ながら、感染力はかなり強く、夏を中心に5月から9月にかけて、乳幼児の間で流行します、
 代表的な原因ウイルスはコクサッキーA16、あるいはエンテロ71という名前のウイルスですが、原因となるウイルスがそれ以外にも何種類もあるため、以前にかかったことがある乳幼児でも、またかかることがあります。
 潜伏期は2~7日で、多くの乳幼児はほとんど前駆症状なしに発症します。発熱も約半数にみられますが、高熱になることはあまりなく、3日以内に解熱します。
 手足の水疱は、痛くありません。ひざやおしりなどにも、多数の水疱が現れることもあります。おしりだけの場合もあり、おむつかぶれと間違えられることも。これらの水疱は、一週間ほどで消失します。
 口の中はひどく痛くなることがあるので、酸っぱい物、辛い物など刺激性の食べ物は避け、乳児では脱水を起こさないように水分を与えましょう。
 口内痛が強くて、全く飲んだり食べたりできない時や、高熱が続いて、頭痛を訴えたり、嘔吐(おうと)を繰り返す時は、早めに小児科の医師の診察を受けましょう。無菌性髄膜炎を合併して起こすこともあります。
[クリスマス]プール熱は幼児から学童に多く流行
 プール熱とは、アデノウイルスによって起こる急性ウイルス感染症で、結膜充血、咽頭発赤(いんとうほっせき)、発熱が三大症状です。幼児から学童に多く見られ、夏期に学校のプールを介して流行することが多いために、この病名が付けられています。別名は咽頭結膜炎。
 原因となるのは、夏風邪のウイルスの一種であるアデノウイルス3型、4型、7型の感染です。結膜の充血はほとんどが下まぶたに起こり、角膜に症状が現れることはほとんどありません。目には痛みやかゆみがあり、目やにが出て、まぶしくなったり、涙が止まらなくなることもあります。
 この目の症状は、一般的に片方から始まり、多くの場合、もう一方にも広がります。
 39度前後の発熱が、数日、続きます。のどの痛みも、飲食物が飲み込めないほどひどくなることがあります。幼児では、吐き気や下痢を伴うこともあります。時には、結膜充血、咽頭発赤、発熱の主症状が、全部そろわないことも。
 小児科の医師による治療では、結膜炎に対しては抗生剤の目薬を使い、熱が高い時は、解熱剤を使います。ウイルス性の病気なので、プール熱の特効薬はありません。
 家庭での看護では、口の中が痛くなることが多いので、簡単に飲めるスープ、ジュースに、口当たりのよいゼリーやプリンなどを用意すればよいでしょう。飲食物を全く受け入れられない時には、子供の脱水に気を付けましょう。
 1週間くらいでよくなりますが、数週間、便の中にウイルスが出ています。プール熱が治っても、学校側からすぐにプールの許可が下りないのは、このためです。
 集団感染の予防のためには、プールでの水泳後の手洗い、洗眼、うがい、シャワー浴びを必ず実行し、目やにから接触感染することがあるため、タオルの貸し借りはやめるなどの注意が必要です。




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■用語 軟骨性外骨腫 [用語(な)]

[足]関節近くの骨がこぶのように突出する良性の骨腫瘍
 軟骨性外骨腫(がいこつしゅ)とは、関節の近くの骨の表面がこぶのように、外側へ突出する良性の骨腫瘍(しゅよう)。骨軟骨腫とも呼ばれます。
 突出した骨は軟骨組織で覆われ、ちょうど帽子をかぶったように見えることから軟骨帽と呼ばれています。この軟骨帽が内側に向かって骨を作ることにより、大きくなります。
 骨自体から発生する原発性骨腫瘍の中では最も発生頻度の高いもので、基本的に良性とはいえ、約1割で悪性化して軟骨肉腫(がん)になることがあります。
 単発性の軟骨性外骨腫と多発性の軟骨性外骨腫とに分けられ、単発性が約70パーセント、多発性が約30パーセントの割合で発生します。多発性は、遺伝性、家族性として起こることがあります。
 成長期における正常な骨は、骨の両端近くにある骨端成長軟骨板という軟骨組織が骨を作ることによって成長し、骨端成長軟骨板の消失によって成長が停止します。この成長をつかさどる軟骨組織と同じ軟骨帽が誤った方向へ骨を作るために、軟骨性外骨腫が発生すると考えられています。通常、骨の成長が止まるとともに、軟骨性外骨腫の増殖も停止します。
 年齢別では10歳代に最も多くみられ、性別では男性のほうにやや多くみられます。
 軟骨性外骨腫を持っている多くの人は、こぶが小さくて気付かずに生活しています。外傷などほかの原因でX線検査を行い、偶然に発見されることがよくあります。大きくなると、無痛性の硬いこぶとして触れるようになって気付きます。
 こぶの増大に伴い、周囲の筋肉や腱(けん)などを圧迫すると、運動障害を起こすようになります。血管や神経を圧迫すると、血行障害や神経の刺激症状として痛みを引き起こします。前腕や下腿(かたい)など2つの骨が隣接する部位では、こぶが隣の骨を圧迫して成長を妨げ、周囲の関節の変形を引き起こして関節炎などの痛みを誘発することもあります。
 単発性の軟骨性外骨腫が好発する部位は、膝(しつ)関節を形成する脛(けい)骨近位端で、大腿(だいたい)骨、上腕骨、手指の指骨、肩甲骨などにも生じます。多発性の軟骨性外骨腫では、四肢の変形、短縮などを生じることがあります。
 整形外科の医師による診断では、X線写真で骨性のこぶが確認されます。こぶの頂上に当たる軟骨帽の形状には、球状、きのこ状、台地状、珊瑚(さんご)状などさまざまなものがあります。軟骨帽の内側では、軟骨内骨化、骨形成、骨髄形成が認められます。
 治療では、こぶによって運動障害や血行障害、痛みや神経まひの症状を起こした場合や、悪性化して軟骨肉腫が疑われる場合に、摘出手術を行います。




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■用語 軟骨肉腫 [用語(な)]

[足]比較的ゆっくり大きくなる骨のがん
 軟骨肉腫(にくしゅ)とは、軟骨を作る細胞から生じる悪性腫瘍(しゅよう)、すなわち、がん。骨肉腫についで多い骨のがんに相当します。
 骨肉腫やユーイング肉腫に比べると、かかりやすい年齢は高く、30歳以降の中高年に発症します。原因は不明です。
 悪性度の高いものから低いものまであり、低いものでは骨の良性腫瘍である軟骨腫との区別が付かないこともあります。大きくなる速度は比較的ゆっくりで、腫瘍の性格はおとなしいものです。
 最初から悪性腫瘍として軟骨肉腫が発生するほか、以前からあった軟骨腫や骨軟骨腫などが、悪性に変化して、軟骨肉腫となることもあります。好発部位は、大腿(だいたい)骨、脛(けい)骨のほか、上腕骨、骨盤、肋骨(ろっこつ)、肩甲骨。
 腫瘍が小さい時には痛みを伴わず、比較的ゆっくりとした速度で大きくなるために、痛みを覚えるようになると次第に痛みが増して、鎮痛剤が必要になってきます。以前からあった腫瘤(しゅりゅう)が急速に大きくなり、痛みを伴うようになることもあります。このような時は、良性の骨軟骨腫が悪性に変化した可能性があります。
 また、軟骨肉腫では、腫瘍のために骨の強度が弱まり、小さな力で骨折する病的骨折を起こして、急に激痛を感じることもあります。腫瘍が非常に大きくなると、関節の動きが障害されます。
 このような症状が現れた際には、がんなどの専門医を直ちに訪れる必要があります。
 医師による軟骨肉腫の診断は、単純X線像、骨シンチグラフィー(アイソトープによる画像で腫瘍を見付ける検査)、CT、MRIなどの画像検査と、最終的には、腫瘍の小片を採取して顕微鏡で組織を調べる生検によって診断します。
 軟骨肉腫の治療は、手術が主要な治療法となります。普通の軟骨肉腫は比較的悪性の程度が低く、肺などの遠い臓器に遠隔転移することはまれですが、腫瘍が非常に大きくなると、遠隔転移が起こることがあるため、化学療法、放射線療法などは効果が期待できません。
 軟骨肉腫の手術には、腫瘍の部分を完全に切除して、人工関節などに置き換える方法、腫瘍のできた骨を腫瘍ごといったん取り出した後に、オートクレーブ(高圧蒸気滅菌器)で処理をして元に戻す方法、自分の骨を移植する方法などがあります。このようなさまざな方法による再建術を用いて、腕や脚を失わないですむような患肢温存手術が行われます。 
 腫瘍が巨大で、部分的な切除が不可能な場合には、やむを得ず手足の即断術、腕や脚の関節からの離断術が行われます。
 悪性度の高い未分化型、特殊型の軟骨肉腫では、手術だけでは転移を防ぎきれない可能性があるので、補助的に、抗がん剤などによる化学治療が行われます。 
 手術による5年生存率は、60パーセントを超えています。また、軟骨肉腫の治療を開始した時に遠隔転移がない場合には、5年生存率は70パーセント以上となっています。




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