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■糖尿病の新しい飲み薬が相次ぎ登場 [健康ダイジェスト]

 新しいメカニズムで効く糖尿病の飲み薬(経口薬)が約10年ぶりに、相次ぎ登場しています。新薬は従来品より低血糖になるリスクが少ないとされ、医師らの関心も高くなっています。
 国内外の製薬会社大手は新薬が出ないまま主力薬の特許が切れる「2010年問題」に直面しているため、患者数が多い糖尿病での画期的新薬への期待は大。
 国内最大手、武田薬品工業の「ネシーナ」は2月末、厚生労働省の審議会で薬事承認の見込みが立ち、2010年度前半の発売を予定しています。昨年末に国内初発売となった万有製薬「ジャヌビア」と、4月に発売予定のノバルティスファーマ「エクア」に続く3品目。いずれも「DPP—4阻害薬」と呼ばれる種類の薬で、ほかにも6社の5品目が現在臨床試験の後期段階にあります。
 血糖値を下げるインスリンの分泌を膵(すい)臓に促すインクレチンというホルモンがあります。DPP—4はこれを分解してしまう酵素で、新薬はこの酵素を阻害してインスリン量を増やす仕組み。従来品の投薬は低血糖にならないように微妙なさじ加減が求められていますが、新薬は高血糖時にのみ働くインクレチンに着目しており、低血糖になりにくく、体重増につながる空腹感など他の副作用も少ないとされます。
 この分野で新しい作用の薬は、武田薬品工業が1999年末に発売した「アクトス」以来。新しいメカニズムは注目度が高く、国内外の製薬会社大手がそれぞれ違う化合物を用いて、「インクレチン関連薬」と呼ばれる新薬の開発競争してきました。
 メリルリンチ日本証券の渡辺律夫アナリストは、「日本の医師らは特に安全を重視する傾向が強い。副作用の少ない新薬の売り上げ規模は5年後には各社合計で1000億円を超え、経口糖尿病薬全体の3〜4割を占める可能性もある」と分析しています。
 これまでのところ、新薬による重い副作用は報告されていませんが、欧米でも3〜4年間しか使われていない薬のため、長期間使うことの影響はわかりません。糖尿病治療の基本は運動と食事療法であり、これをきちんと実行しないと、どんな薬も効かなくなることに変わりはありません。

 2010年3月6日(土)




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