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■国産人工心臓に初の保険適用 中医協が今春から [健康ダイジェスト]

 厚生労働相の諮問機関である中央社会保険医療協議会(中医協)は16日、いずれも国内メーカーが開発した2種類の植え込み型補助人工心臓について、今春から公的医療保険を適用することを決めました。国内メーカーの製品が保険適用されるのは初めて。
 正式な保険適用は4月からですが、緊急性が高いとみて3月からの先行適用も認めます。厚生労働省によると、いずれも心臓移植を待つ重症患者が対象。軽量で体内にポンプを埋め込むため、在宅での療養も可能になるといいます。
 保険適用されるのは、テルモ(東京都)の「デュラハート左心補助人工心臓システム」と、サンメディカル技術研究所(長野県)の「植込み型補助人工心臓エバハート」。
 4月以降の本体価格はいずれも1810万円で、3月に限っては420万円安い1390万円の暫定価格が適用されます。患者負担を収入に応じた限度額までとする高額療養費制度などを利用すれば、患者負担は最大で15万円程度に抑えられます。
 「デュラハート」は、血液を循環させるポンプ(重さ540グラム、幅72ミリ)を体内に植え込み、体外に装着したコントローラ(2250グラム)でポンプの動作を制御します。磁気浮上型遠心ポンプによる連続流によって血液循環を補助するのが特徴で、機械的な磨耗がない上、血液損傷が少ないため、長期使用に適しています。
 また、コントローラやバッテリーが小型で軽量のため、在宅療養のQOL(日常生活の質)向上が期待されます。
 「エバハート」は、本体の血液ポンプ(420グラム)を体内に植え込み、コントローラ(4690グラム)を体外に装着します。ポンプには遠心型で連続流を発生させることができるモーター駆動が使用されています。
 また、コントローラ内部に格納されたクールシールユニットと呼ばれる部分で、血液シールを保持するとともに、血液ポンプ内部の冷却を行うことで、人工心臓システムの機能を維持するのが特徴。クールシールユニットの価格は105万円。
 植え込み型の補助人工心臓は、ワールドハート社(カナダ)の「ノバコア左室補助人工心臓システム」が唯一、2004年から国内で保険適用されていましたが、価格設定や技術料の評価などが採算に合わず、06年に日本から撤退したため、実質的に国内では使用不能の状態でした。
 患者の多くは大きな装置を体につなぐ体外設置型を使わざるを得ず、入院生活を余儀なくされています。

 2011年2月16日(金)

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