SSブログ

■20歳代女性のやせすぎ、改善目標に 国民健康づくり運動 [健康ダイジェスト]

 厚生労働省は15日、今後10年間の健康対策となる「国民健康づくり運動」の数値目標に、20歳代女性でやせすぎている人の減少を盛り込むことを決めました。若い女性のやせすぎは、ホルモンのバランスを崩すなど健康上の問題を起こす可能性もあるため、対策が必要と判断しました。
 厚労省は同日、国民健康づくり運動の素案を専門委員会に示しました。やせている20歳代女性の割合の減少は「適正体重を維持している人の増加」という項目の中に新しく設けられます。
 2010年の国民健康・栄養調査によると、やせすぎている20歳代女性の割合は29・0パーセントで、調査を始めた1980年の13・1パーセント以降最悪でした。やせすぎとするのは、肥満の指標である体格指数(BMI)が18・5未満の女性としています。10年後までに減らす具体的な数値目標は、今後検討します。
 肥満は、メタボリックシンドロームや生活習慣病につながるため関心が高まっていますが、やせすぎもまた問題です。やせる必要がないにもかかわらず、偏った食事や極端に食べないような無理なダイエットで栄養のバランスが偏ると、病気とまではいえなくてもさまざまな症状が出てきます。
 例えば、深刻なやせすぎ状態が長期間続くと、貧血や疲労感、冷えからくる頭痛や月経不順、精神的ストレスに弱くなることにもつながります。
 また最近は、思春期のダイエット志向も強くなり、やせ願望から食べることを拒否し、精神的な疾患として治療が必要になる神経性食欲不振症にまで進むと、抑うつ症状や低体温、その他の深刻な合併症などが問題となっています。治療も困難なため、厚生労働省研究班は予防、早期発見などの指針を作成し、早期の発見と治療を呼び掛けています。
 無理なダイエットは、今の若い時期だけではなく、年を重ねたり、出産した子供の将来にも影響します。閉経後の女性は骨密度が低下していき、骨粗鬆症になりやすくなります。骨密度は思春期に最も増加し、それ以降はほとんど増加しませんので、若い間にしっかり骨密度を蓄えておくのが理想です。
 カルシウムやマグネシウム、ビタミンDなどが欠乏すると骨密度などに影響し、さらに女性ホルモンのエストロゲンもかかわっています。女性ホルモンのエストロゲンは骨密度を維持する働きあり、急に体重を落とすなど無理なダイエットや栄養障害があると、女性ホルモンの分泌が悪くなります。このため月経不順になること以外にも、骨密度にも影響します。
 やせの女性が妊娠した場合、妊娠中も体重が増加せず、出生時体重が2500グラム未満の低出生体重児の出生率が高いといわれています。さらに、胎児期の低栄養が将来の肥満、糖尿病、高脂血症、高血圧などにつながるリスクが高いことは、現在、広く認められています。

 2012年2月18日(土)




nice!(9)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:健康

nice! 9

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0