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■iPS細胞、初の臨床研究を承認 視力が低下する病気が対象 [健康ダイジェスト]

 理化学研究所の研究チームが計画するiPS細胞(人工多能性幹細胞)を使った「加齢黄斑(おうはん)変性」という目の病気の臨床研究について、実施医療機関である先端医療振興財団先端医療センター病院(神戸市)は13日、倫理審査委員会を開き、計画を条件付きで承認しました。
 理研と同財団は3月末までに厚生労働省に承認申請し、来年度中の実施を目指します。実現すれば、iPS細胞を使った世界初の臨床研究が実現する見通し。
 計画しているのは、理研発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の高橋政代プロジェクトリーダーら。
 先端医療センター病院の審査委は、臨床研究に必要な安全性試験に関する最終報告など3項目の条件を付けた上で、実施を妥当としました。理研の倫理委員会はすでに昨年11月に承認済みで、残る協力医療機関の承認が得られ次第、厚労省に申請する見通しです。
 加齢黄斑変性は、加齢に伴って網膜に酸素や栄養を橋渡しする色素上皮という細胞の層が壊れ、視界が狭くなったり、視力が落ちたりする病気。このうち網膜の裏側に異常な血管ができて網膜が傷付いて視力が落ちる滲出(しんしゅつ)型と呼ばれるタイプの50歳以上の患者6人を対象に、臨床研究を行います。
 計画では、理研発生・再生科学総合研究センターが、患者自身の細胞からiPS細胞を作り、網膜の機能を助ける色素上皮細胞に分化させ、数ミリ角のシートにします。このシートを財団の付属病院である先端医療センター病院が、眼球に特別な注射針を刺し、傷んだ色素上皮や血管を取り除いた上でシートを目の底に移植し、安全性などを確認します。
 視力の大幅な改善は期待できないものの、数年間にわたり検証し、より効果的な治療法の開発を目指します。
 高橋プロジェクトリーダーは、今回の臨床研究について「移植する細胞を作るのに8~10カ月かかり、最初の患者への移植は2013年度中にできればいい」と見通しを示しています。

 2013年2月14日(木)




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