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■化学工場従業員ら5人、ぼうこうがんを相次ぎ発症 厚労省が注意を呼び掛け [健康ダイジェスト]

 厚生労働省は18日、従業員40人の化学工場で退職者も含め5人がぼうこうがんを相次いで発症していたことを公表しました。この工場では発がん性があるとみられる化学物質を扱っていたということで、厚労省は原因を調べています。
 厚労省によりますと今月、染料や顔料になる化学製品を製造する工場で、40人いる従業員のうち4人と退職者1人の合わせて5人が昨年2月から今年11月にかけて相次いで、ぼうこうがんを発症したと、労働局に報告があったということです。5人はいずれも男性で、40歳代後半から50歳代後半、1991年以降、7〜24年にわたり工場に勤務。
 この工場ではオルト-トルイジンなど芳香族アミンという化学物質のうち、5種類を原料として扱っており、がんを発症した従業員は原料を混ぜ合わせたり、乾燥させたりする作業に携わっていたということです。
 これらの化学物質は一定程度、発がん性があるとみられることから、労働安全衛生法では、取り扱う場合に工場内の換気やマスクの着用といった安全対策が努力義務とされています。
 厚労省は、退職して7年以上たって発症している人もいることから、当時の安全対策などについて調査するとともに、オルト-トルイジンを中心に原因を調べています。オルト-トルイジンなどを扱っている事業所は国内におよそ40カ所あるとみられ、厚労省は業界の団体を通じて注意を呼び掛けています。
 オルト-トルイジンは、芳香族アミンと呼ばれる化学物質の一種で、着色のための染料や顔料の原材料として化学工場などで使用されています。人体に有害で発がん性があるとみられることから、労働安全衛生法ではこうした物質を取り扱う事業者に対して、空気中に物質が広がらないよう容器を密閉するなど適切に管理しながら使用することなどを求めています。
 国内の化学メーカーで作る日本化学工業協会と化成品工業協会によりますと、オルト-トルイジンを取り扱う際は、容器を密閉し、工場の換気を行うこと、さらには、従業員にマスクの使用を徹底するなどの対策を行っているということです。
 今回のように工場の従業員などが、ぼうこうがんを発症したケースは聞いたことがないということで、厚労省からの要請を受け、業界団体に加盟する合わせておよそ300社に対し、従業員がオルト-トルイジンを吸い込むことがないよう対策を徹底することや、健康診断を実施するように呼び掛けたとしています。

 2015年12月19日(土)




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